* 映画

「婚前特急」(2011)

録画しておいたラブコメディ「婚前特急」を観ました。

「花子とアン」以外の吉高由里子さんを観るのは初めてでしたが、
吉高さん演じるOLチエは、自己中心的ながら可愛らしい女性で、
ストーリーも面白かったです。

ただ、意外な結末に唖然としましたが…
というのも、チエの伴侶となった田無タクミという男性は、
チエが付き合っていた五人の男性の中で最も駄目人間で、
彼の身勝手な言動に、チエはいつもイライラさせられていたからです。
(観ている私もイライラ…)

結局、割れ鍋に綴じ蓋ということなのかもしれませんが、
先が思い遣れるような結婚に、スッキリしませんでした。

他に、杏さん、朝市の嫁さん役の石橋杏奈さんなどが出演されていました。

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『早春物語』(赤川次郎・著)

20141106
「早春物語」
(赤川次郎 角川文庫)

「健忘症」が気になり、図書館から借りてきて読みましたが、
…今のところ、さほど深刻でもなさそうなので一安心。

映画もドラマも原作とは違う場合が多いです。
「早春物語」も共通点は殆どありませんが、
ミステリータッチの原作の方が面白いと思いました。

(ネタバレ↓)
17歳の「沖野瞳」は私立高校の陸上部のエース、
早合点から「梶川真治」に近付き、姓を明かさないまま密会を重ねた挙げ句、
第三者を通して手切れ金を渡されてしまうような間柄になり、
とんでもない結末を迎えることになります。

「梶川真治」は44歳、東大卒のやり手商社マン(常務)で、
大柄で胸板が厚く、足も西洋人の血でも入っていそうに長い「いい男」、
妻と三人の息子がいます。

映画では、瞳の母親は4年前に病死し、一人っ子でしたが、
原作では、専業主婦の母も、OL一年生の姉も必要不可欠な人物、
父は札幌に単身赴任中で、訳有り…。

また、映画では、春休み期間中の「淡い恋」でしたが、
原作では新学期がら二学期頃までの出来事で、
映画のような挑発的な台詞も、露骨な表現もありません。
(プロローグを最後に読んだ方が面白いような気がします。)

原作通り映画化した方が面白かったように思いましたが、
アイドルには相応しくない内容だったのかもしれません。

「不倫は男女同罪」という持論を曲げない人もいますが、
中年男性と10代の女の子の場合、大人の方が悪い。
…と私は思います。

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『早春物語』(1985)

昔読んだ「早春物語」の映画版が放送されると知り観ましたが、
何となく違うような気がして…と言うのも、原作で覚えているのが、
「女子高生と中年のエリートサラリーマンの不倫」と「高原のコテージ」だけだから。

現代の人気作家を読まないのに、なぜ読んだのかも覚えていないし、
読み返そうと探してみたけれど、見つけることが出来なかった…
処分したのかしら…?物忘れが重症みたいで怖いです。

中年男性と女子高生のお話、
今なら問題になると思うけれど、30年前は大丈夫だったのでしょうか。

映画の梶川は独身でしたが、原作では妻子がいたような…?
淡い恋とは違ったような…?

林隆三さんというと「クラビノーバ」、商社マンというより自由業の感じ、
いかにもプレイボーイ風ですが、42歳の梶川は17歳の“瞳”に振り回されていて
気の毒でした。

10代の頃って、40歳位の大人の男性に憧れるものなのですよね。
私にも覚えがあります。
その人は博識で寡黙、それでいてユーモアを解し包容力のある人…
でも残念ながら既婚、どんなに熱い想いを寄せても気付いてはくれない。
いいえ、気付かないふりをしている…

…その人は空想の中の架空の人…。

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「我が大草原の母」(2010)

「愛はこの世で何よりも温かい太陽だ…」

録画しておいた中国映画「我が大草原の母」を観ました。
(中国映画といっても内モンゴルですが…)

冒頭、
「三年にわたる自然災害により上海で飢餓に苦しむ三千人の孤児が
内モンゴルに引き取られた。この雄大は草原で彼らの命が救われた…」

とありましたが、これは自然災害などではなく、
毛沢東の大躍進政策失敗のことではないでしょうか?
(wikipediaによれば、推定二千万から五千万人の餓死者を出したとか…)

また、文革の犠牲者は数百人から一千万人以上とみられ、
天安門事件での犠牲者は数万人…

中国五千年(確か以前は三千年?)多くの犠牲者を出した事実を、
封印しようとしている中国政府…
日本の歴史認識を批判する資格はないと思います。

閑話休題、
大変美しい映画でした。
広大な自然も、詩のような台詞も、何より見返りを求めない愛…
台詞の一つ一つに、権力への批判が込められているように感じました。

これまで中国映画ベスト3は、
「變臉 この櫂に手をそえて」「山の郵便配達」「乳泉村の子」でしたが、
「我が大草原の母」も負けないくらい泣けました。

…中国残留孤児の人たちのことが浮かびました。

8月8日(金)に再放送されます。

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イーハトーヴ

25年前に観た「風の又三郎 ガラスのマント」(文部省特選作品)を、
もう一度観たいな。映画館で。

小学生だった息子と行ったのですが、
岩手の美しい大自然の中で、逞しく遊ぶ子供たちは勿論のこと、
幻想的な映像や音楽(冨田勲さん)も美しく、
何より素晴らしかったのが、迫力満点のオープニングでした。

まるで、自分が風になって、野山を駆け巡っている錯覚に陥ったほど。
いえ、あの風は「又三郎」…

もう一度あの風になりたくて、後日、レンタルビデオで借りたのですが、
あの感覚は甦りませんでした。
やっぱりスクリーンでないとダメですね。

チェロを弾く又三郎の父(草刈正雄さん)がゴーシュに思えたり、
汽笛を鳴らしながら夜空に昇って行く汽車、そして車内…
と、賢治ファンには嬉しいシーンもありました。

でも、原作を知っている人の中には、不満を抱いた人もいたでしょうね。
なぜなら、主人公が原作にはいない少女(かりん)だったから。

私は、村の少年たちがポッチャリだったのが興ざめでした。
物語が誕生した当時に、肥満児がいたかどうかは分かりませんが。
(子供たちの服装は昭和20~30年代?)

気になったのが、かりんと「おたねばあちゃん」(樹木希林さん)の関係、
昔から本家で働いている「ばあや」さんかな?

他に、檀ふみさん(かりんの母)、岸田一徳さん、内田朝雄さん
などが出演されていました。

かりんや又三郎など大勢の子役さんたちは、今も俳優を続けているのかしら?

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『マーサの幸せレシピ』(2001・独)

『マーサの幸せレシピ』を観ました。

私は慢性的な睡眠不足のため、
いつも途中で睡魔に襲われてしまうのですが
今回は、深夜にも係わらず最後まで無事でした。

ありがちなストーリー、ラストも想像通り、
感動した、とは言えないまでも、かなり良かったです。

人付き合いが不器用で、生真面目で職人気質のマーサ、
陽気なイタリア人シェフのマリオや、厨房の仲間たち、
階下の子持ちバツイチ中年男性も、リナの父ジュゼッペも、
みんないい人ばかり、女性が共感する作品かもしれません。

「一つの厨房に二人のシェフ(料理長)がいるのは、二人で運転するのと同じ」
と反発していたマリオと結婚したマーサ、
でも、いずれ姉の二の舞になりそうな気もしました。

ところで、マーサのことをオーナーが
「街で二番目に腕のいいシェフ」と言ってましたが
街一番はマリオのことなのでしょうか?

リナの「ママの顔を忘れそうなの…」がグサリと刺さりました。

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『おくりびと』(2008)

録画しておいた『おくりびと』を観ました。

アカデミー外国語映画賞を受賞し話題となった当時も興味はありましたが、
高齢の両親がいる身としては、やはり敬遠してしまって…

今回も録画はしたものの、
再生するには相当の時間と覚悟が要りました。

予想に反し、意外にも重苦しくはなく、
しみじみとした邦画らしい作品でしたが
視点が「おくる側」のため、遺族側の描写はさらりとしたもので、
笑うべき箇所も色々記憶が蘇り笑えませんでした。

体験された方は、みなさんそうではないでしょうか。

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『死ぬまでにしたい10のこと』(2003)

『死ぬまでにしたい10のこと』(My Life Without Me)は、
サラ・ポーリー主演というだけの理由で録画して観たのですが、
重いテーマとは裏腹に感動も泣けるところもありませんでした。

23歳にして突然余命2ヶ月と宣告されたアン(サラ・ポーリー)は誰にも打ち明けず、
死ぬまでにしたいリストを書き出すのですが…

誰にも打ち明けなかったことや、
幼い2人の娘が18歳になるまでの誕生日メッセージを録音したり
髪型を変えようとしたりつけ爪を付けてみたり、
刑務所にいる父親に会いに行ったことには共感出来ますが、
「夫以外の男性と恋に落ちる」というのは納得出来ませんでした。

不仲でもないのに夫を裏切るとは…
しかも後半はそれがメインになっていたように感じて残念でした。

ですが、ある日突然、死を宣告されたとしたら、
本来とは別の人格に支配されてしまうのかも知れないけれど。

自身によるナレーションの自分を指す言葉がyouだったように…
…ラストも呆気なくて拍子抜けしてしまいした。

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『喜劇 にっぽんのお婆あちゃん』(1962・松竹)

今井正監督の『喜劇 にっぽんのお婆あちゃん』は喜劇ではありません。
風刺です。…と、思います。

では、なぜ、喜劇と付いているのでしょうか…?
皮肉…?洒落…?オブラート効果…?

本当のところは、監督に聞いてみないと分かりませんが、
笑える要素があまりに少ない映画でした。

序盤、まるで最期を待つかのように、
養老院(老人ホームではありません)のベッドに寝かされている大勢の老人…
終焉の場を見せられたようで、突然、虚無感に襲われてしまいました。

息子家族と同居しているサト(ミヤコ蝶々)にしても、
自殺を思い止まり、終の棲家を見つけた居場所がTVに映った養老院とは…
なんとも哀れです。

寮で共同生活を送り青春を謳歌している若者たち…
“俺、年寄りって嫌いだ。汚くて見ていると気分が悪くなる”と言っていた青年にしても、
何十年後、養老院のお世話になっていないという保証はないのに…

ところで、放送後の解説によれば、
公開当時、北林谷栄さんは50歳、蝶々さんは41歳だったとか…
(北林さんは1959年の『キクとイザム』『にあんちゃん』でも老婆を演じていました。)

他のお婆さん役にしても、東山千栄子さんが最高齢の71歳、飯田蝶子さんは64歳、
浦辺粂子さんは59歳、原泉さん、岸輝子さん、村瀬幸子さんはいずれも56歳、
メイクと演技力とは流石です。(いずれも公開当時の年齢)

そういえば、オクラホマミキサーや阿波踊りを踊っている場面で、
意外にのりのりでビックリしましたが、実年齢を知って納得しました。

お爺さん役で名前が分かったのは、左卜全さん、伴淳三郎さん、殿山泰司さん、
上田吉二郎さんぐらい…多分、意外に若かったのでしょうね。

他に、十朱幸代さんは10代、市原悦子さんが20代、沢村貞子さんが40代、
渥美清さん、小沢昭一さん、三木のり平さん、木村功さん、田村髙廣さん、渡辺文雄さん、
みなさん30代だったようです。
…50年前の映画ですから若いのは当然ですが…。

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『有りがたうさん』(1936・松竹)

『有りがたうさん』は昭和11年封切りですが、出来上がったのは前年だそうです。
76~77年も昔…若い人にとっては殆ど時代劇…?

原作は川端康成の小説『有難う』で、『風の中の子供』(1937)の清水宏監督の作品。
「ありがとうさん」とは、すれ違いや追い越すたびに、必ず「ありがとう~」と声を掛けることから、「ありがとうさん」と呼ばれている乗り合いバスの運転手(上原謙)のこと。

当時25~6歳だった上原謙さんはとても美男子、加山雄三さんとは全く似ていません。
また『兄とその妹』に出演されていた桑野通子さんは20~21歳だったそうです。

売られて行く娘と母、水商売風の女(桑野通子)、髭の紳士、行商人、新婚さん、
旅芸人など、様々な乗客や行き交う人々との交流を描いていましたが、
特に印象深かったのは、朝鮮労働者の一行でした。

まるで奴隷のように働かされ、一箇所の工事が終われば、
むき出しの布団や鍋を背負って、次の現場まで移動する…

「次は信州のトンネル工事へ行きます。道ができたら日本の着物を着て、
一度でいいから“ありがとうさん”のバスに乗りたかった。
私たちは自分が作った道を歩くこともなく、また道の無い山へ入って行くのよ。
…お父さん(お墓)を残していくから、通るときは、時々、水とお花あげてね…」
の言葉を残し、ボンネットバスをいつまでも見送っていた白い服の若い朝鮮の女性…

気になったにはあの娘、どこに売られて行ったのかしら?
水商売風の女への蔑視も…
今でさえ無くならないのだから当然なのかも知れません。

終盤、“翌日、天城街道は日本晴れ”の一文が…
どこからどこまで走るのか分かりませんでしたが、一日では着かなかったとは…
みんなどこかで宿泊したのでしょうか?

ところで、スローで棒読みの台詞になかなか馴れませんでした。
早口で聞き取れないのも困りますが…。

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