* 思い出
昔の日本は清潔だった…5
ひびアカギレで思い出したのですが、
今年96歳になる父は、幼稚園小学校1年の時、冬になるとアカギレで歩けなくなり
お手伝いさんに乳母車で送り迎えして貰っていたそうです。
私が子供の頃も、父はよく万金膏という膏薬をちぎって火鉢であぶり、
かかとなどに貼り付けていたものでしたが、
知人からユースキンを聞いてからは、アカギレで悩まされることもなくなりました。
昔の日本は清潔だった…4
衛生、栄養ともに良好とは言えなかった時代…
そのせいなのかは分かりませんが、
時々「ものもらい」で眼帯をしている子がいました。
私もその一人で、「ものもらい」に何度もなったために、
周りから“何でも欲しがるから…”とからかわれ、
心の中で“ねだったりしないのに…!”と抗議してました。
度々かかるうちに、眼科へ連れて行くのが面倒になったのか、
母がホウ酸水で洗って治療してくれました。
ところで、昭和30年頃の冬の風物詩でしょうか、
洟垂れで上着の袖口がカチカチになっている子や、
「しもやけ」で手の甲が腫れ上がった子、
それが割れて包帯を巻いた痛々しい姿の子もいました。
私は「しもやけ」の経験はありませんが、
ひび切れで、時々「ももの花」をつけていましたが
なぜか「しもやけ」の子が羨ましく感じていました。
…寄生虫が共存(?)していた当時、
「虫下し」も日常的な言葉でした。
昔の日本は清潔だった…3
考えられないと言えば、害虫が発生する時期になると、
家の中の噴霧消毒が行われました。
次第に近づいて来る消毒車のエンジン音に、
子供心に言いようのない不安に襲われたものでした。
食品や食器類を片付け、すべての窓を閉め切って、
ドキドキしながら外で待っていると、うちの番になり、
玄関から白い消毒を大量に噴霧し、密閉状態にさせてから、
煙が収まった頃を見計らって家に入ると、
普段見掛けないような虫の無残な姿が目に入り、
ゾッとさせられた記憶が今も甦ります。
あるとき、ご近所のおじいさんが臥せっていたにも関わらず、
普通に噴霧消毒しているのを目の当たりにし愕然としました。
あの悪夢のような噴霧消毒…
人体に無害だったとはとても思えません。
昔の日本は清潔だった…2
DDT…
といっても何のことか分からない人も多いでしょうね。
そういう私も殺虫剤ということぐらいしか知りませんが…
幼稚園の時のこと、
先生に明日手拭いを持ってくるよう言われ
家にある中から好みの柄を選んで登園すると、
物々しい雰囲気の中、衝撃的なことが起こりました。
園児全員、頭に白い粉末を吹き掛けられたうえに
持参した手拭いで覆われたのでした。
…それはシラミ駆除のためのDDT、
昭和30年代当時、まだシラミがいる子もいたらしいのです。
園児の頭に直接DDT…
今なら考えられないですよね。
昔の日本は清潔だった…
今はネズミやハエ、ノミなどを見掛けることはありませんが、
昔は大抵の家にネズミ捕りがあって、
お勝手の隅などに仕掛けてあったものでした。
“いない!”と思っても油断は禁物…
ハエ避けの蚊帳は卓袱台の必需品、
天井用には、ガラス製の細長いハエ捕り棒がありました。
(底に水を入れるようになっていました)
魚屋さんには、ハエ取りの粘着リボンが下げられていましたが、
うっかりすると髪に付いて大騒ぎになることもあって…
(子供だったので経験ありませんが)
また、小さい頃の私は家族で一番ノミに好かれ、
睡眠中に餌食にされたものでしたが、
翌朝、布団を畳む際に母が仇を取ってくれました。
(“娘の血を吸うとは許せない”と言いながら…)
アンという名前
確か中1の時だったと思いますが、クラスの大半の女子が、
「赤毛のアン」に夢中になったことがありました。
今でも、しっかり覚えているのは、級友の一人が、
「将来、結婚して女の子が生まれたら、アンと付けたいけど、
外国の名前だからね~ “アン子”じゃ、あんこ(餡こ)みたいだし…
男の子なら“ギルお”…は、もっとへんだよね…」
と言って、大笑いしたことです。
「ギルお」はさておき、
今は、「杏(あん)」も「アン」も、日本人の名前ですよね。
昔は、名前についても、今のような自由な発想がなく、
先入観にとらわれていたようです。
「お前はうちの子ではない 橋の下から拾って来た子だ」
「お前はうちの子ではない 橋の下から拾って来た子だ」
竹内 徹/著
星和書店
ドキッ!
私も小さい頃、多分叱られた時でしょうが、母から
“○○川の橋の下から拾って来た”
と言われたことがありました。それも一度ならず…
素直じゃない私は、100%信じなかったので傷付きもしませんでしたが、
同世代の友人にも言われた子は多く、中には
“いつか本当のお母さんが迎えに来てくれる…”
と言っていた友達もいました。
2年ほど前、母に尋ねたところ、
「私も子どもの頃、母親に“△△川の橋の下から拾ってきた”と言われたよ」
とあっけらかんと言われてしまいました。
今と違って、養子や里子が多かったであろう時代、
きっと、捨て子もそう珍しいことではなかったのでしょう。
腹立ち紛れに、
“あんたはうちの子じゃない、育ててやってるのだから言うことを聞きなさい!”
と言う普通の言葉だったのかもしれません。
調査の結果によれば、言われた経験のあるのは圧倒的に女性とか…
やはり子育ても男尊女卑ってことでしょうか?
それとも、男性にとっては些細なこと、覚えていないだけなのでしょうか?
驚くことに、この恐怖のフレーズは過去のものではないとのこと。
お願いです、たとえ冗談でも言わないで…。
獅子舞
二月も中旬にもなって、お正月の話題も変ですが、
昔はお正月になると獅子舞がやってきました。
遠くから聞こえてくる太鼓や笛のお囃子の音に、
「あっ獅子舞が来た!」とワクワクしたものでしたが、
我が家もふくめ、みんな裕福とは程遠い庶民ゆえ、渡すのが少額だったらしく、
肩に担いだ獅子頭の口を、申し訳程度にパクパクさせるだけで行ってしまいました。
それでも中には奮発するお宅もあり、
「○○さんちでは片袖脱いだって」とか
「○○さんちではお座敷に上がって、お神楽を舞ったって」
などと、まるで別世界のことのように噂したものでした。
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youtubeで「正月獅子舞」と検索したら、
3年前に川越駅前で行われた獅子舞を見ることが出来ました。
そう、あんな感じでした…懐かしい…。
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