風花
雪の無いところで生まれ育った子供というのは、
雪に強い憧れがあって、
たまに数分間だけ舞う風花にさえ狂喜乱舞し、
「雪が降ってるよ~」
と家族に知らせるのでした。
かつての子供たちも、
「これは雪じゃないよ。かざはなよ…」
と言いながら、
消えるまで窓辺から離れられないのです。
その風花も4、5年は見ていないような…
市街地での降雪はたしか1996年のこと、
日本列島が寒気団に覆われた時も仲間外れ。
雪国の厳しさを知るにつけ、
温暖な地に生まれた偶然に感謝しつつも、
風が強く冷たい日などは、
“もしかしたら風花が舞うかも…”
と密かに期待してしまって…
そして、
今年も春がやって来ました。
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