『早春物語』(赤川次郎・著)
「早春物語」
(赤川次郎 角川文庫)
「健忘症」が気になり、図書館から借りてきて読みましたが、
…今のところ、さほど深刻でもなさそうなので一安心。
映画もドラマも原作とは違う場合が多いです。
「早春物語」も共通点は殆どありませんが、
ミステリータッチの原作の方が面白いと思いました。
(ネタバレ↓)
17歳の「沖野瞳」は私立高校の陸上部のエース、
早合点から「梶川真治」に近付き、姓を明かさないまま密会を重ねた挙げ句、
第三者を通して手切れ金を渡されてしまうような間柄になり、
とんでもない結末を迎えることになります。
「梶川真治」は44歳、東大卒のやり手商社マン(常務)で、
大柄で胸板が厚く、足も西洋人の血でも入っていそうに長い「いい男」、
妻と三人の息子がいます。
映画では、瞳の母親は4年前に病死し、一人っ子でしたが、
原作では、専業主婦の母も、OL一年生の姉も必要不可欠な人物、
父は札幌に単身赴任中で、訳有り…。
また、映画では、春休み期間中の「淡い恋」でしたが、
原作では新学期がら二学期頃までの出来事で、
映画のような挑発的な台詞も、露骨な表現もありません。
(プロローグを最後に読んだ方が面白いような気がします。)
原作通り映画化した方が面白かったように思いましたが、
アイドルには相応しくない内容だったのかもしれません。
「不倫は男女同罪」という持論を曲げない人もいますが、
中年男性と10代の女の子の場合、大人の方が悪い。
…と私は思います。
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