『すらすら読める枕草子』…2
『すらすら読める枕草子』(山口仲美・著 講談社)を読んでいて、
ある箇所で目が止まりました。(P150)
私も大好きな「にくきもの」には、「蚊」についても書かれていますが、
著者によれば、「蚊の細声にわびしげに名のりて」とあることや、
平安時代の『金光明最勝王経音義』に、蚊について、
「加阿(かあ)」と長く引いて発音していたと記されていることから、
平安時代の人には、蚊の羽音が「かー」と聞こえていたというのです。
同じように、ウグイスも「ホーホケキョ」ではなく、「うーぐひす」、
「いかなれば 春くるからに うぐひすの 己が名をば 人に告ぐらむ」
(『承暦二年内裏歌合』)
ホトトギスも、「特許許可局」や「テッペンカケタ」ではなく、「ほととぎす」…
「暁(あかとき)に 名のり鳴くなる ほととぎす いやめづらしく 思ほゆるかも」
(『万葉集』巻一八)
犬の鳴き声は、日本では「ワンワン」ですが、
アメリカ人の耳には「バウワウ」と聞いたことがあります。
同じ筈なのに、刷り込みによって違うように聞こえてしまうことが面白いです。
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