翻訳の違い
「赤毛のアン」は多くの人が翻訳していると思いますが、
掛川恭子訳(講談社文庫)を読んだときは、“うそっ!”と…
今風で読みやすいのですが、昔読んだ村岡花子訳(新潮文庫)や、
中村佐喜子訳(角川文庫)とは雰囲気が全く違うのです。
かつての女の子が虜になった世界が、遙か彼方へ消え去ってしまったようで、
残念というより、時の流れの無情さを痛感し、自分の年齢を思い知らされました。
今は何かと規制があって、差別意識が無くても問題視されてしまう時代、
むしろ昔の方が表現が自由で、言語だけでなく使われる漢字自体も多く、
ルビもありませんでした。
(村岡花子訳が、ぼろぼろになってしまったため、
10年前に再度購入しましたが、以前よりフォントサイズが大きくて漢字は減り、
しかもルビ付きでした。)
聞くところによると、松本侑子訳(集英社)は訳注が多いらしいですが、
私としては、「ストーリーガール」シリーズの文体が好きなので、
もし木村由利子さんが翻訳されているなら読んでみたいです。
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コメント
katarohinaさんへ
カールブッセといえば上田敏、ヘッセといえば高橋健二、
と同じくモンゴメリ=村岡花子さん…セットですよね。古い人間ですから。
投稿: ミチ | 2014年4月 9日 (水) 16:47
村岡さんのアンですよね。英語で読んでも村岡さんの言葉でイメージメイキングしてますから。キャッチャーインザライが野崎さんの訳でないといけないように村岡さんの訳がなかったら・・と思うと。松本さんのはディテールがしっかりしてたような気がするけど村岡さんのしか覚えていない。古い人間なのでしょうか?
投稿: katarohina | 2014年4月 9日 (水) 08:05