「昭和の家事 母たちのくらし」
「昭和の家事 母たちのくらし」らんぷの本 小泉和子/著(河出書房新社)
よく「昭和の○○」という言い方を見聞きしますが、
昭和は60年以上も続いたのですから、ひとまとめに語るのは無理があると思います。
本書にしても、明治43年生まれの著者の母親がモデル、
結局、現代人がイメージする「昭和」とは、
きっと、家電が普及されるようになった昭和30年より以前のことなのかもしれません。
家電の無い時代の主婦がどんなに大変だったか、
幼かった私の目にも、しっかり焼き付いています。
鋳物のガスコンロの上に、羽釜を乗せてご飯を炊き、
大きな金盥に洗濯板を使い、しゃがんだ姿勢での洗濯し、
畳に絞った茶殻を撒いて、柄の長い棕櫚の座敷箒で掃き掃除、
足踏みミシンで家族の衣服を縫い、浴衣や袷のキモノを縫い、
季節が変われば洗い張りをして、
家族中の掛敷布団だけで無く、座布団やコタツ布団、綿入れの丹前を作り、
買ってきた薪でお風呂を沸かし、コタツや火鉢の炭をおこす。
「おはぎ」や「柏餅」や「あられ」
(お餅を細かく切って乾燥させたものを煎り砂糖醤油で絡めた物)
など、季節のお菓子も手作りしてくれました。
市販されていたのに。
一日中、一年中、自分の時間などほとんど無く、
感謝の言葉も掛けられなかったあのころの主婦。
当時の女性の苦労を考えると、「昔は良かった」とは、とても言えません。
「懐かしい」は、ともかく…
私が小さかった頃は箱形の鰹節削りを使っていました。
母に「かつぶし(鰹節)かいてて」と言われたものでしたが、
いつの頃からか、このような便利な道具を使うように…
その名も「オカカ」。
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コメント
anneさんへ
箱形の鰹節削りは今も売られていますが、
「オカカ」はハンドルを回すだけなのでとても楽なんですよ。
投稿: ミチ | 2014年2月20日 (木) 21:04
箱型の鰹節削り、祖父母が使っていました。なつかしい。鰹節の入った納豆が美味しかったのを覚えています。「オカカ」はじめて拝見いたしました~。あの箱型が、この形に・・・?両者のあいだがうまくつながらず(笑)。
投稿: anne | 2014年2月20日 (木) 14:16