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2014年2月

「昭和の家事 母たちのくらし」

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「昭和の家事 母たちのくらし」らんぷの本 小泉和子/著(河出書房新社)

よく「昭和の○○」という言い方を見聞きしますが、
昭和は60年以上も続いたのですから、ひとまとめに語るのは無理があると思います。

本書にしても、明治43年生まれの著者の母親がモデル、
結局、現代人がイメージする「昭和」とは、
きっと、家電が普及されるようになった昭和30年より以前のことなのかもしれません。

家電の無い時代の主婦がどんなに大変だったか、
幼かった私の目にも、しっかり焼き付いています。

鋳物のガスコンロの上に、羽釜を乗せてご飯を炊き、
大きな金盥に洗濯板を使い、しゃがんだ姿勢での洗濯し、
畳に絞った茶殻を撒いて、柄の長い棕櫚の座敷箒で掃き掃除、

足踏みミシンで家族の衣服を縫い、浴衣や袷のキモノを縫い、
季節が変われば洗い張りをして、
家族中の掛敷布団だけで無く、座布団やコタツ布団、綿入れの丹前を作り、
買ってきた薪でお風呂を沸かし、コタツや火鉢の炭をおこす。

「おはぎ」や「柏餅」や「あられ」
(お餅を細かく切って乾燥させたものを煎り砂糖醤油で絡めた物)
など、季節のお菓子も手作りしてくれました。
市販されていたのに。

一日中、一年中、自分の時間などほとんど無く、
感謝の言葉も掛けられなかったあのころの主婦。

当時の女性の苦労を考えると、「昔は良かった」とは、とても言えません。
「懐かしい」は、ともかく…

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私が小さかった頃は箱形の鰹節削りを使っていました。

母に「かつぶし(鰹節)かいてて」と言われたものでしたが、
いつの頃からか、このような便利な道具を使うように…
その名も「オカカ」。

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「すてきにハンドメイド」

「すてきにハンドメイド」は「おしゃれ工房」の頃からチェックしていますが、
先日の「ショールカラーの軽やかジャケット」が作りたくて
テキストを図書館で予約しようとしたら、すでに予約が28人(所蔵数11冊)…

貸出期間は2週間…そんなに待てないので、
「すてきにハンドメイド」になってから初めてテキストを買いました。

目的は型紙のみ、写すだけなので簡単。
ですが、肝心の生地といえば、手持ちに適当なものが無い…

最近は洋服を手作りする人が少ないらしく、服地を売っているお店が減ってしまって、
イメージ通りの生地がなかなか買えないのが残念です。

ネットでは後悔しそうな気がして…
こんな時思うのは、「都会暮らしの人が羨ましい」ということ。 

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「すてきにハンドメイド 2014-2」(NHK)

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獅子舞

二月も中旬にもなって、お正月の話題も変ですが、
昔はお正月になると獅子舞がやってきました。

遠くから聞こえてくる太鼓や笛のお囃子の音に、
「あっ獅子舞が来た!」とワクワクしたものでしたが、
我が家もふくめ、みんな裕福とは程遠い庶民ゆえ、渡すのが少額だったらしく、
肩に担いだ獅子頭の口を、申し訳程度にパクパクさせるだけで行ってしまいました。

それでも中には奮発するお宅もあり、
「○○さんちでは片袖脱いだって」とか
「○○さんちではお座敷に上がって、お神楽を舞ったって」
などと、まるで別世界のことのように噂したものでした。

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youtubeで「正月獅子舞」と検索したら、
3年前に川越駅前で行われた獅子舞を見ることが出来ました。

そう、あんな感じでした…懐かしい…。

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カマイタチ

「孫太郎虫」の記憶が甦ったからなのかどうかは分かりませんが、
子どもの頃聞いた「カマイタチ」を思い出しました。

小学校1~2年生の時だったと思いますが、
休み時間が終わり、運動場から教室に戻ったクラスの男子が
スネから血を流し、何やらただならぬ様子。

その子が言うには、「何もしていないのに急に切れた」のだそうです。
すると誰かが、「きっとカマイタチの仕業だ…」と言い出したことから、
クラス中が色めき立つ中、何のことなのか理解出来ないでいる私に、
友達が、「鎌を持ったイタチの妖怪」について教えてくれました。

私は内心、「バカバカしい、そんなのいるはずが無い」と思いましたが、
意外なことに、担任の先生は「カマイタチ」の存在を否定しなかったのです。

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まごたろうむし

「100年前の女の子」は、私の母よりむしろ祖母に近い時代のことなので、
私が知らないことばかりなのは当然ですが、
「越中富山の薬売り」だけは知っていました。

「富山の置き薬」で浮かぶのは、やはり紙風船…
と言っても、宣伝が印刷された立方体の小さなものでしたが、
期待して母の側でおとなしく待っていても、ほとんど貰えなかったです。

ところで、「富山の置き薬」では、思いがけない文字が飛び込んできました。
それは「孫太郎虫(まごたろうむし)」。

まだ幼稚園も行っていないある日のこと、
見知らぬ行商人が、“まごたろう~むしは いらないかね~”
と来たのです。
その老人の独特の風貌、耳慣れないイントネーション、
何より、「まごたろうむし」という得体の知れない響きに、
不気味さを覚えたあの時から何十年も経った今、
完全に忘れていた記憶が、突然甦ったのでした。

「孫太郎虫」というのはヘビトンボの幼虫を乾燥させたもので、
子どもの「疳の虫」の薬とされていた。

とあり、富山の置き薬ではないのですが、
テイさんの家では、おまじないのように置き薬の箱に入れてあったそうです。

ヘビトンボはトンボの一種なのでしょうか…?

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「一〇〇年前の女の子」

「一00年前の女の子」は、著者の母で1909年(明治52年)の生まれの
寺崎テイさんのお話でした。

著名人ではない一般人の回想録というのは、興味が湧かないものですが、
テイさんの生い立ちはさておき、私の世代でも知らない大正から昭和初期の、
北関東地方の農村での行事やしきたりなどが描かれていたので、
なかなか読み応えがありました。

初めて知った「井戸替え」に驚き、
また、合法だった「遊郭で見た女郎」の話では、
慰安婦問題が頭を過ぎってしまいました。

それにしても、母親の思い出話を一冊にまとめたのですから羨ましい。
出版業界に身を置いた著者だからこそ、成し得たのかもしれません。

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「一00年前の女の子」 船曳 由美/著(講談社)

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サイモン・トレメインさん

先日、永井一郎さんが天国へ旅立たれてしまいました。

私にとって永井一郎さんはサイモン・トレメインさんなのです。
磯野波平さんではなく…

今頃、天国で、へティおばさん(ジャッキー・バロウズさん)や、
マリラ(コリーン・デューハーストさん)、イライザおばさん役の女優さんたちと
アボンリーのお話をしているかしら…

この言葉が適切かどうか分かりませんが、
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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図書館

去年は読書する余裕が無くて一度も行けませんでしたが、
今日、久々に図書館に行ってきました。

父のところへ行く途中だったので、予約した本を受け取っただけでしたが、
やっぱり図書館はオアシス、気持ちが落ち着く空間です。
許せるなら一日中でもいたい、寝泊まり出来たらいいのにな…

今日借りたのは「百年前の日本語」「100年前の女の子」「昭和の家事」の三冊、
全部読めるかしら。

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