« またまたBSでPEIが… | トップページ | 「中国文明の謎 第3集 始皇帝“中華”帝国への野望」(NHKスペシャル) »

『警察日記』(1955・日活)

録画しておいた『警察日記』を観ました。

この映画は
「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本~喜劇編~」
の一つなのですが、これ本当に喜劇なの…?

涙もろい方でもないのに、笑うどころか泣ける場面ばかりでした。
昔の喜劇というのは、可笑しいだけでは無いのですね。

磐梯山の麓の田舎町で日々起こる小さな事件の数々、
貧しい時代の苦しい暮らしの中でも、
優しさや思い遣りの心を忘れない人々…

生活苦故の犯罪(人身売買、捨て子、万引き、置き引き、無銭飲食など)に、
弱者の心情を理解し温情をもって対処する巡査たち…

6人目の出産直後だというのに、捨て子の幼女(二木てるみさん)を
快く預かる巡査(森繁久彌さん)の妻…

身売りされそうになった貧しい農家の娘(岩崎加根子さん)に同情し、
心配する若い巡査(三國連太郎さん)…

捨て子の赤ん坊と姉を引き取り、愛情を寄せる旅館の女将(澤村貞子さん)…

5人の息子が戦死したことで終戦を理解出来ない元校長(東野英治郎さん)に
暖かい目を向ける人たち…

そして、ラストシーン…
泣けるシーンを挙げたらキリがありません。

子役ブームと言われる昨今ですが、
当時6歳だった二木てるみさんの名演技には泣かされました。

名演技と言えば、杉村春子さんは狡猾な役が本当に巧いですよね。

冒頭の「キャスト」を見返すと、上記の他にも見覚えのある名前がずらり…

(伊藤雄之助、殿山泰司 、小田切みき、三島雅夫、十朱久雄、飯田蝶子、
左卜全 、多々良純 、三木のり平、千石規子、田中筆子…)

でも、半世紀以上も経っているので、知っているはずの三木のり平さんや
千石規子さんなどは気付きませんでした。

宍戸錠さんも解説で聞かされなければ分からなかったでしょうね。

この作品に出会えて良かった…
日本人だけでなく多くの人に観てもらいたい作品です。

|

« またまたBSでPEIが… | トップページ | 「中国文明の謎 第3集 始皇帝“中華”帝国への野望」(NHKスペシャル) »

* 映画」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。