『台風騒動記』(1956・松竹)
BSプレミアムで昨年度から放送している
「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本~喜劇編~」
の『台風騒動記』(山本薩夫監督)を見ました。
冒頭、画面いっぱいに、
「この物語はすべて事実ではありません」
の断り書きが映し出され…
そして、「台風は毎年くる。この地方にもきた。
天災は恐ろしいが、この国では天災のあとに、もっと恐ろしいものがくる」
の文字…
台風の被害により家屋は崩壊し、食料も、衣類も、家財道具も、田畑も流され、
途方に暮れながら役場の前で、救援物資の配られるのを待つ町民たち…
「救援物資は公平に!」と言いながも、めぼしい品をくすねる助役、
二階の会議室では、町議会の連中が議会の真っ最中。
県議会議員の入れ知恵で、台風災害で小学校が倒壊したことにして、
一千万円の政府補助金を不正に獲得しようと意見が一致し、
被害に遭ってもいない小学校を、取り壊してしまう…
喜劇には違いありませんが、
いかにもどこにも有りそうな話で、笑えるどころか不愉快でした。
最後
「天災の後にやってくるのは人災である」
の文字…
解説によれば、この映画は実話だったとのこと、
なおさら笑えません。
出演は
佐田啓二、菅原謙二、野添ひとみ、桂木洋子、藤間 紫、宮城千賀子、飯田蝶子、
佐野周二、左 卜全、加藤 嘉、多々良純、永井智雄、中村是好、ほか。
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