『名もなく貧しく美しく』(1961・東宝)
4月に録画しておいた『名もなく貧しく美しく』を見ました。
(監督・脚本/松山善三)
公開当時、小学生でしたが、
聾唖者(聴覚障害者)夫婦の映画という事だけは知っていました。
なみだなみだの辛い内容と思っていましたが、
それだけでなく、次々と襲いくる試練に絶望感に打ちひしがれながらも、
夫婦(高峰秀子、小林桂樹)の愛で乗り越えていく感動的なお話でした。
戦中から戦後にかけての貧しい一家の暮らしを描いているのに、
映像(モノクロ)がとても美しく感じたのは、
誠実でひたむきな夫婦の生き方が反映していたからなのでしょう。
夫婦愛だけでなく、秋子(高峰秀子)の母(原泉)の深い愛にも感動しました。
障害を背負った我が子への責任と心配…それが親心というものです。
障害があろうとなかろうと。
母親とは逆に、秋子の姉(草笛光子)と弟(沼田曜一)の酷いこと…
特に弟は犯罪者となり、母親や秋子夫婦を苦しめ続けるのですから。
でも何となく分かるような…
身内に障害者がいると、色々と差別を受けることもあるでしょう。
真っ当な道を歩きたくても、難しいこともあるのでは。特に昔は。
家を飛び出した秋子を追って、道夫が乗り込んだ車両から
手話で語りかけるシーンはとても感動的で、ほろりとさせられました。
それにしても衝撃的なラストで驚きました。
なぜハッピーエンドにしなかったのか? とも思いましたが、
実話に基づいた作品ということで、あのような結末にしたのかもしれません。
現実は厳しいのですから。
| 固定リンク
« ぎっくり腰に抗うつ剤 | トップページ | 名子役 »
「* 映画」カテゴリの記事
- 「婚前特急」(2011)(2014.11.26)
- 『早春物語』(赤川次郎・著)(2014.11.06)
- 『早春物語』(1985)(2014.11.03)
- 「我が大草原の母」(2010)(2014.07.01)
- イーハトーヴ(2014.03.19)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント
katarohinaさんへ
ハッピーエンドバージョンもあるそうですよ。娯楽としてはハッピーエンドでしょうが、どちらが良いかは微妙です。「あ~良かった!」で終わったら聾唖者の真実がぼかされてしまうような気もします。「典子は今」「二人のイーダ」「恍惚の人」(脚本のみ)の監督ですから。
(続編の「名もなく貧しく美しく 父と子」が1967年に制作されています。)
投稿: ミチ | 2012年7月22日 (日) 22:20
子供の頃この映画を見てきたパンプがとても上手に話して聞かせてくれました。でもラストシーンでは「どうしてあんな終わり方をさせたがやろう」といつも呟いていました。ハッピーエンドを望んでいたのでしょう。僕もそう思いました。
投稿: katarohina | 2012年7月22日 (日) 10:47