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『死刑台のエレベーター』(1957・仏)

録画してあった『死刑台のエレベーター』を見ました。

有名な映画なので題名くらいは知っていましたが、
完全犯罪を企てたにしては、杜撰な犯行で拍子抜けしてしまいました。

完全犯罪が崩れたのは「エレベーターに閉じ込められたから」というより、
始めから場当たり的な気がしました。

日没前なのに、通りに面しているベランダから、ロープを使って上階によじ上ったこと、
カーテンの無い一面ガラス窓の社長室で銃殺したこと、
物的証拠のロープを片付けなかったこと、
それに気付き、ロープを取りに戻る際、階段を使わなかったこと、
(…社員ならエレベーターの電源が切られることを知らないはずはない…)
ピストルと二人が写った小型カメラを残し、
キーを付けたままの車(オープンカー)から離れたこと…等々。

疑問も多かったです。
会社の前にあったロープを少女が持ち去りましたが、
どこに持って行ったのでしょう?
…重要なシーンではないのかもしれませんが。
そのロープは誰がベランダから外してそこに置いたのでしょうか?

また、朝になってエレベーターから脱出したジュリアン(モーリス・ロネ)が、
ロープの件を忘れていたことも不可解でした。

「ドイツ人殺しならアリバイが無いから死刑だった。
カララ氏殺しは懲役10年…5年で出られる」
と言った刑事の言葉…
「動機に関係なく、外国人殺しは死刑」ということなのでしょうか?

一番合点がいかなかったのは、
完全犯罪が失敗に終わったと知った時のフロランス(ジャンヌ・モロー)の独白です。

「10年、20年…私は年を取る…一人で寝て、起きるのも一人…」
愛人が殺人罪で逮捕されたというのに、案じる気持ちは起きなかったようでした。

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