『キューポラのある街』(1962・日活)
『キューポラのある街』(早船ちよ原作、浦山桐郎監督)を見ました。
公開当時にも見たのですが、覚えていたのは漠然とした雰囲気だけ、
我ながら呆れるほど忘れていました。
吉永小百合さんのイメージは「清く正しく美しく」、
この映画のジュンも、家庭が貧しくて修学旅行費用も払えない、
学力優秀なのに全日制を諦めて定時制に決め…
(セーラー服も買えない?)
それでもぐれることもなく健気に頑張っている。
絵に描いたようなPTA推薦、文部省推薦のような少女なのです。
でも、模範的なのは伝わりましたが、表情も口調も必死で疲れました。
浜田光夫さんや市川好郎さんにしても…。
それに美少女ゆえに「掃き溜めに鶴」、
この両親(東野英治郎、杉山徳子)の娘には見えないのです。
吉永さんは好きな女優さんですが、
和泉雅子さん(同じく美少女)の方が、イメージも、演技力も、
年齢的にも適していたような気がして。
小百合さんが主演だったからヒットしたのかもしれませんが。
北朝鮮に帰国する友だち一家を見送るシーンがありましたが、
あの家族にも過酷な運命が待っていたのかと思うと、
「日本にいた方がいいのに…」
と、フィクションであることを忘れ、辛い気分になってしまいました。
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