『雨月物語』(1953・大映)
録画した映画がたまってしまいました。
まずは水口健二監督の『雨月物語』を見ました。
『雨月物語』は上田秋成の『雨月物語』(「浅茅が宿」「蛇性の婬」)から構成されていて、
ベネチア映画祭で銀獅子賞を受賞されたとのことです。
舞台は戦国時代、男たちは取り憑かれたように戦いに明け暮れ、
兄(森雅之)は妻(田中絹代)を振り切ってまで焼物に執念をもやし、
その挙げ句、邪淫の虜となり…
武士に憧れる弟(小沢栄太郎)は妻を捨て(水戸光子)、立身出世を目指す…
その結果、妻たちを不幸に追い遣ってしまう…
どんな男性でも、たとえどんなに妻子を愛していようとも、
目の前に、突然、妖艶な女性が現れると理性が働かなくなり、
あっさり誘いに乗って、家族を裏切ってしまうものらしい。
機会さえあれば…男性に限らないのでしょうが。
侍女を従えた妖艶な女性(京マチ子)が現れた瞬間、
『羅生門』?と錯覚してしまって…
この映画には複数の死霊が現れます。
霊の存在を信じていない私が言うのも矛盾していますが、
この作品に限らず、映画などの幽霊には影がある場合が多いです。
そこまで気にしていないのか、技術がないのかは分かりませんが、
実態のないはずの死霊に影があるのは興ざめです。
もう一つ、
ドキュメンタリーではないので、「盗られていなかった」のは演出上必要でしょうが、
風雨に晒されたはずの衣装が、色褪せることなく枝に掛かっていたとは…
もう少し汚した方が良かったのに、と思いました。
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