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2012年2月

『キューポラのある街』(1962・日活)

『キューポラのある街』(早船ちよ原作、浦山桐郎監督)を見ました。

公開当時にも見たのですが、覚えていたのは漠然とした雰囲気だけ、
我ながら呆れるほど忘れていました。

吉永小百合さんのイメージは「清く正しく美しく」、
この映画のジュンも、家庭が貧しくて修学旅行費用も払えない、
学力優秀なのに全日制を諦めて定時制に決め…
(セーラー服も買えない?)

それでもぐれることもなく健気に頑張っている。
絵に描いたようなPTA推薦、文部省推薦のような少女なのです。

でも、模範的なのは伝わりましたが、表情も口調も必死で疲れました。
浜田光夫さんや市川好郎さんにしても…。

それに美少女ゆえに「掃き溜めに鶴」、
この両親(東野英治郎、杉山徳子)の娘には見えないのです。

吉永さんは好きな女優さんですが、
和泉雅子さん(同じく美少女)の方が、イメージも、演技力も、
年齢的にも適していたような気がして。

小百合さんが主演だったからヒットしたのかもしれませんが。

北朝鮮に帰国する友だち一家を見送るシーンがありましたが、
あの家族にも過酷な運命が待っていたのかと思うと、
「日本にいた方がいいのに…」
と、フィクションであることを忘れ、辛い気分になってしまいました。

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トラップ大佐

今年のアカデミー賞助演男優賞はクリストファー・プラマーさんでした。
82歳…素晴らしい。

少女だった頃、あんなにときめいたトラップ大佐…
ギターを弾きながら歌う「エーデルワイス」を見る度に、聴く度に、
涙が出てしまうのです。

今のクリストファー・プラマーさんに、トラップ大佐の面影はありません。
誰でも歳を取れば老けるのは当然ですが、雰囲気が別人で…
『12モンキーズ』の時もショックでしたが…

実際のトラップ大佐は、映画とは違って、とても温和な人だったとか。
一家のリーダーはマリアだったそうです。

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『乳母車』(1956・日活)

小中学生当時、石坂洋次郎の小説の映画化が多かったので、
クラスの女子の間で流行り、私も何冊か読みましたが、
(『若い人』『寒い朝』他)なにしろ大昔のこと、内容の記憶はありません

『乳母車』は更に古い映画、初めて見ましたが、
新しい理想の女性像なのか、石坂洋次郎作品のヒロインは屈託無く、疎明で、活発で、
理路整然としていて、言い換えれば理屈っぽく、辟易とさせられることも多いです。

『乳母車』の芦川いづみさん扮する女子大生にしても、
行動的で育ちも良いのですが、首を傾げたくなる場面もありました。

例えば、夫に妾(二号さん)がいて女中付きの妾宅まであることを知りながら、
怒りもしない母親に対し、
「お父さんに文句を言わないお母さんはずるい、打算的だわ」と意見したのに、
自立するつもりで別居した母を騙して父と妾に引き合わせただけでなく、
「赤ちゃん(妾の子)に罪はない…私の可愛い妹…
お母さんが家に戻って、赤ちゃんの世話をしてくれるのが最良の方法…」
などと言い出すのですから…

裕福な家庭に育った一人娘には、
母親の女として妻としての屈辱が、まだ理解できないのかも…
と言うより、原作者も監督も脚本も男性ですから。

その女の敵とも言える父親役が宇野重吉さんでしたが、
イメージに合わない気がしました。

父の妾(新玉三千代さん)の弟役が石原裕次郎さん。
私は裕次郎さんはあまり馴染みがないのですが、台詞が聞き取りにくく驚きました。

内容そのものは今一つでしたが、
中原淳一のスタイル画のような芦川いづみさんの衣装(パラシュートスカート)が
とてもお洒落で、仕立てていた時代の方がエレガントで素敵だったと
改めて気付かされました。

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『雨月物語』(1953・大映)

録画した映画がたまってしまいました。
まずは水口健二監督の『雨月物語』を見ました。

『雨月物語』は上田秋成の『雨月物語』(「浅茅が宿」「蛇性の婬」)から構成されていて、
ベネチア映画祭で銀獅子賞を受賞されたとのことです。

舞台は戦国時代、男たちは取り憑かれたように戦いに明け暮れ、
兄(森雅之)は妻(田中絹代)を振り切ってまで焼物に執念をもやし、
その挙げ句、邪淫の虜となり…
武士に憧れる弟(小沢栄太郎)は妻を捨て(水戸光子)、立身出世を目指す…
その結果、妻たちを不幸に追い遣ってしまう…

どんな男性でも、たとえどんなに妻子を愛していようとも、
目の前に、突然、妖艶な女性が現れると理性が働かなくなり、
あっさり誘いに乗って、家族を裏切ってしまうものらしい。
機会さえあれば…男性に限らないのでしょうが。

侍女を従えた妖艶な女性(京マチ子)が現れた瞬間、
『羅生門』?と錯覚してしまって…

この映画には複数の死霊が現れます。
霊の存在を信じていない私が言うのも矛盾していますが、
この作品に限らず、映画などの幽霊には影がある場合が多いです。

そこまで気にしていないのか、技術がないのかは分かりませんが、
実態のないはずの死霊に影があるのは興ざめです。

もう一つ、
ドキュメンタリーではないので、「盗られていなかった」のは演出上必要でしょうが、
風雨に晒されたはずの衣装が、色褪せることなく枝に掛かっていたとは…
もう少し汚した方が良かったのに、と思いました。

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涙をのんで…

袖が太かったので途中まで解き、何度か編み直してみましたが,
納得いかず、全部解いてしまいました。
…賽の河原…

20120211   20120224 
一度も着ないまま(試着のみ)毛糸玉に…(ノ_-。)

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眼底検査

ご心配をお掛けてして申し訳ありませんでした。

前回と今回「精密眼底検査」を受け、異常無しということなので、
大丈夫だと思います。たぶん…

「眼底検査」の経験のない人にとって、
「瞳孔を広げる」と聞いただけで不安になると思います。
私も最初はかなり不安でした。

でも、心配いりませんから…
私が受けた検査は次の通り、

1、看護師さんが瞳孔を開かせるための目薬をさしてくれます。(しみません。)
2、瞳孔が完全に開くまで待ちます。(15~20分位)
3、看護師さんが確認してくれた後、診察室で医師から検査を受ます。
  検査する方の目に強いライトが当てられ、(意外に眩しくありません。)
  「左、左上、真上、右上、右、右下…」と医師の指示通り視線を移します。

  検査は数分で終わりますが、その間、痛みなどは全くありません。
  瞳孔が元に戻るまでの間(20分前後)、
  検査を受けた方の視界が曇り、少し歩きにくかったです。

セカンドオピニオンのことは考えないわけではないですが、
私の通院している眼科医院は評判が良いらしく、県外から通っている人もいて、
待合室の座席(120位)は、いつも埋まっているほどなのです。
(ただし、私の担当医は院長ではありません…)

一番の理由は近いことです。

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網膜剥離

眼科医院に置いてある小冊子のうちで、参考になりそうなものだけ頂いてきましたが、
その中でも私が一番心配なのが「網膜剥離」なのです。

「網膜剥離」という言葉は時々耳にし、何となく想像はつくのですが、
実際のところ、よく分かりません。

小冊子によると、「網膜剥離」というのは一般的に「裂孔原性網膜剥離」のことで、
詳しい説明は省きますが、"中高年になると"とあることから、
やはり「加齢」によるところが大きいようです。

ボールが目に当たるなどで網膜が剥離してしまう「外傷性網膜剥離」も
「裂孔原性網膜剥離」の一種、
その他に糖尿病網膜剥離(「牽引性網膜剥離」「続発性網膜剥離」)も…

検査は目薬で瞳孔を開かせて行う「眼底検査」
前兆は「視野欠損」「視力低下」「光視症」「飛蚊症」だそうですが、
残念ながら私は「視野欠損」意外すべて該当しているのです。

「光視症」は10年位前、深夜に目覚めた時、目蓋を閉じたままの状態で見え、
その後頻繁にあったのですが、今は全くありません。

「飛蚊症」も10年程前に気付きました。
日常生活で見えることはほとんど無いのですが、
今回の出血(毛細血管)後、煙草の煙状の浮遊物が見えるようになってしまいました。

そして治療は手術…やっぱり手術は怖いですよね。
でも、もしその時がきたら、潔く「まな板の鯉」になるしかないのでしょうね。

20120222

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新たな不安

以前、眼の異常について書きましたが、
“念のため一月後に…”ということだったので、先日眼科医院に行ってきました。

前回と同様の検査を受け、
小さな煙草の煙の輪状の浮遊物が見えるのは相変わらずですが、
“増えない限り問題はない”とのこと。
(もう消えないという意味なのか?)

特に問題は無かったのに、“次は2ヶ月後…”
…高齢者の病院通いはこうしてスタートするのでしょうね…

それはさておき、気がかりなことが…
視力検査の際、検査表の「」の中心の白い部分が、
ほぼ埋まる程の黒点が見えるのです。(左目のみ)

視線を動かしても付いてこないのが不思議。

前回も茶褐色のモヤッとしたものが見えたのですが、
眼の出血(?)のせいだろうと、さほど疑問も抱かず、
長時間待つ間に質問することも忘れてしまっていたのです。

医師は首を傾げ、
“視力検査は近視、遠視、乱視を調べるもの。
眼には異常は無いし…
何らかの刺激により、視神経が影響され脳が反応したのかもしれない。
様子を見てください…”
的な説明で、何となく釈然としない気分でした。

家で右目を覆って遠くを見てもあの黒点は見えません。
一体あれは何…?問題は目ではなく脳…?

でも心配しないでくださいね。最悪でも左目失明ですから。 

そんな訳で、最近は目を労って更新も途絶え気味、
お許しください。

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豆苗再生

お料理に使った後の豆苗(とうみょう)を捨てないで適当な容器に入れ、
お水を加えて一週間ほどで、このぐらいになりましたよ。
(毎日お水を取り替えて…)

20120219
牛乳パックと背くらべ!

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競輪場

映画『煙突の見える場所』(昭和28年)では、
お化け煙突を上空から映した映像や北千住界隈、荒川河川敷、
上野公園周辺などが映されていて当時を知る人にとっては懐かしい映像だったでしょう。
(私は古地図検索して見ました。)

私が一番驚いたのは競輪場の光景でした。

競輪、競馬、その他一切経験の無い私にとっては圧倒されるような人の数と熱気。
まるで何かに取り憑かれたかのような、おびただしい数の男たち…

あの競輪場はどこ…今もあるのかしら…?
と調べてみたら、あれは「後楽園競輪場」だったのでした。

「後楽園競輪場」は美濃部都知事の公約(公営ギャンブル廃止)により閉鎖され、
その後「後楽園球場」となり「東京ドーム」に至っているとのことでした。

収益の一部が復興に役立ったとはいえ、
戦後真っ先に公営ギャンブルや歓楽街などが再開され(私の想像ですが…)、
男性(一部の)は戦前と同じように、競輪、パチンコ、浮気とは…

「自分の稼いだ給料の中の僅かな小遣いの範囲でやっているのだから文句を言うな」
と男性は言いたいのでしょうが、女性たちは貧しい中で家計を遣り繰りし、
僅かな「おまけ」目当てに、歩いて遠くまで買い出しに行っていたかと思うと複雑です。

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『煙突の見える場所』(1953・新東宝)

録画しておいた『煙突の見える場所』を見ました。

原作は椎名麟三の『無邪気な人々』、監督は五所平之助、
題名さえ知らなかった作品ですが、とても面白かったです。

見る場所によって1~4本に見える通称「お化け煙突」が見える地域で暮らす
人たちに起こった小さな事件から、人も見方で変化することが分かります。
(東京都足立区千住八千代町九拾四)

月額3千円のガタガタの二階家の借家(畳も襖もボロボロ)暮らす
緒方夫婦には子供はなく、2階の二間を独身者に又貸ししています。
(権利金無しの朝食付で、六畳間が2千円、四畳半は1700円。)

緒方隆吉(上原謙)は日本橋の足袋問屋に勤めるサラリーマンで、
妻に嘘をついたことも、道端に唾を吐いたことも無い真面目人間ですが、
小心者で、優柔不断で、面倒から逃げようとする身勝手な夫。

隆吉の妻の弘子(田中絹代)は健気な主婦ですが、
戦災で夫や身内を亡くした過去を持ち、どこか暗く思い詰めるタイプ。

間借り人の久保健三(芥川比呂志)は税務署に勤めていて、
お人好しで正義感が強く行動力もありますが、すぐ挫折するのが玉にきず。

もう一人の下宿人の仙子(高峰秀子)は、上野で街頭放送のウグイス嬢をしていますが、
可愛がって育てた甥を亡くてた過去があるせいか恋愛に臆病な女性。
常に冷静で、困ったことから決して逃げないタイプ。

ある日、緒方家の縁側に赤ん坊が置き去りされ、
添えられた手紙は弘子の元夫の塚原忠二郎からだったことで、
自分たちは二重結婚では?と警察に届け出ることも出来ない夫婦。

泣き止まない赤ん坊に振り回される4人…

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久保建三の部屋と仙子の部屋は、ふすまで隔てられていて、
仙子側は心張り棒と釘のような物で戸締まりしていましたが、
廊下からの出入り口は、二部屋とも障子で…(笑)
(久保の枕元にあった岩波文庫は龍之介だったのかしら…)

「男は仕事さえしていれば良い」という時代だったとしても、
一番若い仙子の冷静さに比べ、年長者の隆吉はあまりにも情けない。

追い詰められた妻が入水(荒川?)しようとしているのに黙って眺めているだけ、
久保に促されても「どうして助けるのか分からない」と言い出す始末。

弘子が競輪場でアルバイトしていることを知った時も、
男のメンツからなのか「夫に相談も無く」と責め、
「子供じゃないのだから自分のことは自分で決められます」と反論されてしまう。

「税金を取り立てるより男の浮気を取り締まったらどうなの!」
など、女性たちの強気の発言が小気味良かった。

「戦後女性が強くなった」と言いますが、女性は元々強いのです。
女は強くなければ生きていけないのですから…
私みたいに弱いと大変です。

この映画は昭和28年公開ですが、
「お化け煙突周辺」「競輪場」「上野の西郷さん」など当時の東京や、
貧しくても前向きで助け合い、隣家の騒音や夜泣きにも直接文句も言わず、
お勤めから帰宅するなり足袋に履き替えたり、火鉢で調理したり、
部屋で正座したままマスクを洗い火鉢の上で乾かしたり、
穴のあいた靴下を繕ったり、編み物をしたり、
沢山着込んだうえにマフラーまで巻いて寝たり…(隙間風対策)
書き出したらキリがありませんが、当時の暮らしぶりや風俗が興味深かったです。

仙子の元同僚の雪子(関千恵子)はいつもお洒落で、
オーバーコートのボタンホールが45度に、二度見してしまいました。

そびえ立つ4本の「お化け煙突」も、今なら高層ビルに隠れてしまうでしょうね。

その他の出演は、浦辺粂子、田中春男、花井蘭子 など。

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ドルマンスリーブのカーディガン

以前、カーディガンを編んでいることを書きましたが、
一週間位前に編み終わりました。

10玉入りなのに、微妙な色の違いからボーダーになっていて、
何度も解いてしまいたい衝動に駆られ中断を繰り返し、
それでも「とにかく仕上げよう」と自分に言い聞かせ、
頑張ってようやく仕上がったというのに、達成感どころか憂鬱な気分。

理由1
毛糸に問題あり。
安物買いの何とやら、スキー毛糸(40g×10)で税込み1,050円ということは、
Seria(100円ショップ)で売られている日本製の毛糸(20g、30g)より安いのですから。

スキー毛糸だから大丈夫と思ったのが間違い、made in chinaだったのです。
染めムラなんて国産だったら有り得ないでしょ。

お値段以下のお買い物、クレームつけたい気分。
(しかも2袋買ってしまいました。)

20120211 20120211b 20120211c
前からは目立ちませんが、後ろ見頃はこの通り…

理由2
デザインに毛糸が適さない。
12玉も使用したので、重くて着る気になれません。

5枚編むのが面倒で、編み物の本を参考に、
ドルマンスリーブのデザインにしたのですが、
これは元々モヘア向きのデザインなのです。

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『にごりえ』(1953・文学座)

今井正監督の『にごりえ』を見ました。

樋口一葉の短編を映画化したオムニバス映画(「十三夜」「おおつごもり」「にごりえ」)で、
三話とも素晴らしかったですが、中でも「十三夜」の後半、
おせき(丹阿弥谷津子)が偶然乗った人力車(芥川比呂志)の車夫が幼馴染みで、
お互い密かに恋心を抱いたまま別の世界の人となっていたのですが…

再会したのに感情を表に出すこともなく淡々と別れる場面があまりにも切なくて、
一番印象深かったです。
新劇のようにシンプルな映像も美しかったです。

「大つごもり」の放蕩息子の置き手紙ですが、
"みね(久我美子)の行動に気付いた息子(仲谷 昇)が、
義母(長岡輝子)への腹いせにお金を盗み、置き手紙を残した"
と思いたかったです。

「にごりえ」も悲しい…
美しい酌婦(淡島千景)に財産を使い果たし、どん底に落ちてしまった一家、
しかも諦めきれない夫(宮口精二)に対し激しく罵る妻(杉村春子)…

言いたくなるのも当然、言いたいのも理解出来ます。もちろん言うべきです。
でも言われなくても、自分が一番分かっているのですから…
あそこまで言ったら逆効果では…?
そう思う私は男性に甘過ぎるでしょうか?

女中や酌婦は言うまでもなく、
たとえ大家の奥様であっても女に人権など無かった時代の悲しいお話ばかりですが、
三話とも、今でもありそうなお話です。

他に、山村 聰、賀原夏子、荒木道子、岸田今日子など、文学座総出演。

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ミス・マープル

「ミス・マープル」はいつも「名探偵ポワロ」と同時期に放送されているようですが、
今回も来月放送されるようです。

でも、ミス・マープル役が別人になっていました。

今度はジュリア・マッケンジーという女優さんでしたが、(吹き替えは藤田弓子さん)
最初に見たのがジェラルディン・マキューアン版だったので少しばかり残念です。

ジュリア・マッケンジーさんは「可愛いおばあちゃん」といった感じで、
「若い頃は美人」と思われるジェラルディン・マキューアンさんとは
随分雰囲気が違いました。

「水戸黄門」のように主役が若くない場合、交代は仕方ないことですが、
最初に見たのがジョーン・ヒクソン版だった人にとっては、
ジェラルディン・マキューアン版も違和感があったでしょうね。

最初に見た役者さんのイメージが染み込んでいるから…

私はジョーン・ヒクソン版はニコニコ動画でしか見たことがないのですが、
「未婚の元教師」といったイメージで何となく怖く感じがしました。

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ポワロ

月曜日から『名探偵ポワロ』を放送していますね。

まだ一話分しか見ていませんが(編み物をしながら)、
熊倉一雄さんのお声が、心なしか弱々しく感じてしまいました。

熊倉一雄さんというと、
「黒ひげ」や「鬼太郎」の主題歌を思い浮かべる方も多いでしょうが、
私は、昔、労演で見たテアトルエコーの「11ぴきのネコ」(ミュージカル)と、
「ケペル先生」です。

ケペル先生を見たのは小学生だったと思いますが、
白い手袋をはめた手が、まるで人間のようで不思議でした。

昨年お亡くなりになった滝口順平さん同様、
とても個性的な熊倉一雄さんのお声…
いつまでも聞かれますように…

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『めし』(1951・東宝)

録画してあった『めし』を見ました。

原作は林芙美子の未完の絶筆小説、
監督は成瀬巳喜男、脚本は田中澄江、
となれば女性が共感出来るのも当然…
ですが、現代女性には難しいかもしれません。

大恋愛の末に結婚して5年、子供のいない夫婦にろくに会話も無い。
傍目には幸せそうに見えても、専業主婦の毎日は女中と同じ、
家事と家計の遣り繰りに追われ、愛情の対象は猫だけ…

典型的な倦怠期症状…
妻の台詞の端々に、やるせない不満や夫への皮肉が込められていました。

鬱憤が堪っているところへ、20歳の夫の姪が家出して来て居付いてしまう。
男性に媚びを売るタイプで、夫に対しても「叔父さん」ではなく名前で呼び甘える。

悪気はないけれども無神経で、頼んだ家事もしないのですから、
ストレスが溜まって当然、大阪見物の観光に同行しないのも理解できます。
「おまけ」は惨めですから。

でも男性には妻がなぜいらいらしているか理解出来ないでしょうね。
男前で真面目で暴力も振らない。恵まれている方なのに何が不満なのだ。
単なるワガママなのだ…と言うでしょうね。

最後は予想像通りの展開でしたが、
林芙美子さんはどんな結末を考えていたのでしょうね。

障子には花型の切り貼りが幾つもあったり、
「外米臭うかしら?」という台詞や、
手紙を破って列車の窓から捨てる演出(今なら問題になります)に
時代を感じました。

大阪や東京の当時の風景にも興味津々、
「くいだおれ人形」が映ったのには驚きました。
古くからあるのは知っていましたが、昭和26年の作品ですから。

主演は原節子さん上原謙さんでしたが、
他に、杉村春子、浦辺粂子、長岡輝子、中北千枝子、風見章子
山村聰、小林桂樹、大泉滉、進藤英太郎…
と、知っている名前が大勢出ていましたが、
あまりの若さに気付かなかった俳優(女優)さんもいました。

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磯野家

『風の中の子供』の男の子たちと『サザエさん』のカツオくんは同年代?
と調べてみました。

三平くんよりカツオくんの方が10歳位年下でしたが、
サザエさんは私の母より年上で、タラちゃんは私よりお兄さんだったとは…(笑)

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フグ田サザエ(旧姓・磯野)
原作では1922年(大正11年)11月22日生まれの27歳。(アニメでは24歳)

フグ田マスオ
原作では1917年(大正6年)4月3日生まれの32歳。(アニメでは28歳)

磯野カツオ
原作では1938年(昭和13年)3月11日生まれの11歳。

磯野ワカメ
原作では1942年(昭和17年。6月15日生まれ。
登場時が5歳の幼稚園児の設定で最終的に小学1年生で7歳になっている。
(アニメでは9歳)

フグ田タラオ
原作では1947年(昭和22年)3月18日生まれ。もしくは1948年(昭和23年)10月頃。
(アニメでは放映初期は2歳で後に3歳)

磯野波平
原作では1895年(明治28年)9月14日生まれの54歳で干支は未。(アニメでも54歳)

磯野フネ(又は舟。旧姓・石田)
原作では1901年(明治34年)1月11日生まれの48歳。(アニメでは52歳)

(ウィキペディア「サザエさんの登場人物」より)

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『サザエさん』は1946年4月22日 から1974年2月21日に連載され全6477話、
姉妹社より全68巻(?)出版されていて全巻揃えたいと思いましたが、
当時はネットも存在せず、11冊で断念…
その後発売された『よりぬきサザエさん』(1~8)で我慢しました。

『サザエさん』は好きですが、
どちらかと言えば『いじわるばあさん』の方が好きでした。

20120206a 20120206b 20120206c 20120206d
左より
『サザエさん』第一巻
『サザエさん』と『よりぬきサザエさん』
『いじわるばあさん』(1~6)、『新やじきた道中記』(上下)『似たもの一家』
『サザエさん 旅あるき』『サザエさん うちあけ話』(いずれも「姉妹社」)

『似たもの一家』の登場人物は、伊佐坂なん物(作家)、おカル夫人、
長男じん六、長女うきえ お手伝いのおサン、犬のハチ公です。
…もう「姉妹社」も無いのですよね…

『サザエさん』といえば江利チエミさんが浮かびます。
ワカメちゃんはパッチリお目々の松島トモ子ちゃんでお母さんは清川虹子さん、
でもカツオくんの顔は全く覚えていません。

他に『エプロンおばさん』なども映画化もされましたね。

作者の長谷川町子さんは1920年1月30日生まれで1992年に歿し、
その後国民栄誉賞を受賞されましたが、生前にと思わずにはいられませんでした。

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『風の中の子供』(1937・松竹)

保存してあった坪田譲治原作の映画『風の中の子供』を見ました。

「甲」が多い兄の善太、「乙」ばかりの弟三平の夏休み…
町や郊外を走り回ったり、川で泳いだり、木に登ったり、
ターザンの真似をしたり…

昭和12年公開映画と言えば、私の親世代が子供だった時代で、
私の子供の頃は、周りに自然が無かったせいか、
男の子たちの遊びも、映画とは全く違うものでしたが、とても懐かしく感じました。

でも、蚊帳で寝たり、敷き布団の上で水泳の真似をした記憶はあります。
水泳ごっこ(オリンピックごっこ)では、
“三平選手ガンバレ!”を連呼していましたが、“前畑ガンバレ”の真似でしょうね。

“第2コース、マーサさん、第3コース、ドイツ人、第4コース、アメリカ人…”
には笑ってしましました。

私文書偽造の嫌疑をかけられた父親が連行されたことで、
近所の子供たちから避けられるシーンがありました。

“○○ちゃん あそばない~か~”と呼びかけても、
誰もが、“あ~と~で~”と返してくるのです。

これは、「今は都合が悪いから後で遊ぼう」ではなく、
「お父さんが悪いことした家の子とは遊ばないよ」という意味なのです。
子供でも遠回しに断っていたことに驚きました。

小一の三平はおじさんの家に預けられますが、
大木に上ったり、たらいで川下りしたり、
河童に会いに行て戻らず、村中で捜索したら曲馬団で練習していたり、
とおじさん夫婦を困らせ、家に戻されてしまうのですが、
三平は家が恋しいことと、活発で好奇心が強いだけなのに、
「いたずら」と片付けられてしまったのが可哀想でした。

動機に関係無く、大人にとって面倒な行いは「いたずら」と言われてしまう、
母親だけは三平の気持ちを理解してくれて良かったですが。

嫌疑が晴れたお父さんが無事帰宅して、
大人たちが談笑している部屋の前を、
「おとうさん!」と叫びながら兄弟が何度も走り去るシーンが胸に応えました。

男の子たみんな坊主頭、
女の子はワンピースで「ワカメちゃんカット」、
お母さんは着物にエプロン、髪型も磯野フネさんと同じでした。

俳優さんは全員知りませんでしたが、
巡査役(端役)の笠智衆さんだけは口調で気付きました。

それにしても、子役が「爆弾小僧」「アメリカ小僧」「突貫小僧」とは…

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節分

今日は2月3日、節分ですね。

ついこの間お正月を迎えたばかりなのに早いです。
でも、2~3ヶ月も前だったような気もしますが…

「成人の日」がハッピーマンデーになる以前は、
「成人の日」が過ぎるまで、何となくお正月気分が残っていましたが、
今は成人式が早い分、一月も早く過ぎてしまう感じがします。

話が逸れました。
節分は一年に4回あるのに、
立春の前日だけが年中行事化しているのが面白い。
春を待ちわびているからでしょうか…

明日から「春」ですね…
しばらくは「名のみ」ですが、もう少しの辛抱です。

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