『雪の夜の話』
『女生徒』 太宰治/著
角川文庫
(『燈籠』『女生徒』『葉桜と魔笛』『皮膚と心』『誰も知らぬ』『きりぎりす』『千代女』
『恥」『待つ』『十二月八日』『雪の夜の話』『貨幣』『おさん』『饗宴夫人』)
「ユーモラスなのも深刻なのも太宰作品は全て好き」という又吉さん…
私はほんの一部しか読んでないのですが、中には共感できない作品もありました。
例えば『斜陽』、私は好きになれませんでした。
『女生徒』や『きりぎりす』は共感できますが…。
好きな作品を一つだけ挙げるのは難しいですが、
少女の一人称で書かれた童話のような『雪の夜の話』は大好きな作品です。
(『少女の友』(昭和19年5月号)に掲載)
“人間の眼玉は、風景をたくわえる事が出来ると、
いつか兄さんが教えて下さった。”
姪のモンペが出来上がり叔母さんの家に届けた帰り道、
私(しゅん子)は、お土産にもらった2枚のスルメを、途中で落としたことに気付き、
雪道を引き返して探しましたが見つかりません…。
“…兄さんが二十くらい、私がまだほんの子供でお母さんにおんぶされて…”
“…兄さんは、少しお変人の小説家、もう四十近くなるのに…”
…しゅん子は中学生か女学生くらいかしら…?
素朴で優しく愛があって幻想的…とても短い作品です。
是非読んで見てください。
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