『安城家の舞踏会』(1947・松竹)
『安城家の舞踏会』を見ました。
一度も働いたことが無く、頭も下げたことがない元伯爵家の安城家の人たち。
「殿様」の当主・忠彦(滝沢修)は、家屋敷を手放す時がきても、
華族としてのプライドを捨てることが出来ません。
「若様」と呼ばれている長男・正彦(森雅之)は退廃的な生活を送り、
離婚して戻った長女・昭子(逢初夢子)も、気位だけは非常に高いのです。
唯一、次女・敦子(原節子)だけが現実を受け入れていて、
何とか家を守ろうと心を痛めているのですが…
戦後、新憲法によって華族制度が廃止され、
それによって没落していく特権階級の人たち…安城家も同様です。
現在の価値観で見てはいけないのは承知しているつもりですが、
同情する気持ちは湧きませんでした。
敦子以外の安城家の人たちにしても、舞踏会に集まった貴族階級の人たちにしても、
住む世界は上流かもしれませんが、品性まで上流とは思えませんでした。
ところで、
原節子さん扮する元伯爵家のお姫様、敦子の言葉遣いが気になりました。
「遊ばせ言葉」というのでしょうか、頻繁に「ごめんあそばせ」と言っていましたが、
「ごめんあそばせね…」というように、「ね」を付ける言い方もしていました。
初めて耳にしたので、何となく変な気がしましたが、
こういう言い方もあったのですね。
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