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『ちょっと一服、冥土の道草。』

20111114
『ちょっと一服、冥土の道草。』 深沢七郎/著 文藝春秋

また深沢七郎さんの本を借りてきました。

タイトルになっている「ちょっと一服、冥土の道草。」は、
「別冊文藝春秋」第149号(昭和54年9月)に発表された随筆です。

このタイトル、人を食ったようでもあり、世間を皮肉ったようでもありますが、
若い時、胸を少し病んだので、その後は余録の人生のつもりになったそうです。

後半生は心臓病のため闘病生活を余儀なくされていたのですから、
「冥土の道草」と思うのも理解できます。

ギタリストも(プレスリー、ジミ・ヘンのファン)、
作家も(『楢山節考』『笛吹川』『みちのくの人形たち』他多数)、
百姓も(ラブミー農場)、今川焼屋も(夢屋)みんな余録の人生…

……種ナシは花の咲く前の、つぼみの房をくすりにつけて処理する。言いかえれば、「妊娠中絶のおとしご」のような不具的な実りなのだが、種を出すのがめんどうな都会人に喜ばれている。色がドス黒いような紫色で、私などの眼にはデキモノのウンだような色に見えて食欲などおこらないのだが……。
……種アリを食えば、種ナシなど、くされぶどうみたいだよ。
                        (『一枚の絵』(昭和56年10月号)「ぶどう」より

山梨県出身ならではの思考に納得…
奇人と言われた人の随筆はとても面白いです。
共感する私も同類…!?

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ちょっと一服、冥土の道草。
余録の人生
思想濃老日記
川端賞辞退について
谷崎賞受賞の言葉
谷崎潤一郎と私
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居留守の礼
むかしハキモノ、いまクルマ
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…他

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