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『父、帰る』(2003・露)

『父、帰る』を見ました。
(菊池寛じゃないですよ。)

母と祖母(?)と暮らす兄弟のもとに、
音信不通だった父が、12年ぶりに突然帰ってきます。

何事もなかったように、父は高圧的な態度をとり、
翌日には、息子たちと湖への旅に出発します…

戸惑いながらも、父に従おうとする兄のアンドレイと、
不信感を募らせ、反抗的な態度をとり続ける弟のイワンでしたが…

まるで暗示するかのような不気味な雰囲気の冒頭シーン、
美しいのに寒々としたモノクロームのような風景…

父は12年間どこで何をしていたのか…?
父は犯罪者だったのか…?
電話の相手は誰…?
箱の中身は…?
旅の本当の目的は…?
無表情な母親の心理は…?

説明がないために、最後まで緊張感と不安でスッキリしない作品でしたが、
なにも聞かされていない息子たちにとって、父は謎の存在だったのですから、
見ている側も、謎のままていいのでしょう。

ところで、兄アンドレイに扮したウラジーミル・ガーリンさんは、
完成試写の直前の2003年6月に、ロケ地の「ラドガ湖」で溺死したそうです。

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