『言わなければよかったのに日記』
『言わなければよかったのに日記』
深沢七郎/著
中公文庫
1987年初版
昔、深沢七郎さん(1914~1987)の本が好きだったことを思い出し、
図書館から『言わなければよかったのに日記』を借りてきました。
『言わなければよかったのに日記』は、1958年に中央公論社から刊行、
その後、1987年に文庫化されましたが今も売られているのですから流石です。
第一部は「日記風」、第二部は「思い出の記」、第三部は「十五の短編集」で、
それぞれが違った趣向の文体で、現代人には絶対書けないような話し
(たとえば廓についてなど)もあって飽きさせないのですから流石です。
第一部の「言わなければよかったのに日記」には、大先輩たち
(正宗白鳥、石坂洋次郎、武田泰淳、伊藤整、村松梢風、井伏鱒二、丸尾長顕)
と会話での失言を、おもしろ可笑しく、正直に(?)書けるのですから流石です。
「とてもじゃないけど日記」では、辰巳柳太郎さんの一言
「あんたの小説は実存主義だよ」から始まる、有識者たちのコメントが、
まるで風刺画を見ているようで思わず笑ってしまいました。
若き日の現・都知事とのエピソードや、
吉屋信子さん、幸田文さん、高峰秀子さんについても書かれてありました。
『言わなければよかったのに日記』・目次
↓
<目次>
1
言わなければよかったのに日記
とてもじゃないけど日記
銘木さがし
変な人だと言われちゃった日記
ないしょ話
2
柞葉(ははそば)の母
思い出多き女おッ母さん
思い出多き女おきん
こわい話
母校訪問
ささやき記
3
日本風ポルカ/シナ風ポルカ/江戸風ポルカ
落語風ポルカ/講談風ポルカ/シナ風ポルカ
江戸風ポルカ/廓風ポルカ/ポルカ・アカデミカ
歌舞伎風ポルカ/編曲風ポルカ/浪曲風ポルカ
ポルカ・パントマイム/ポルカ・クラシカ
自叙風ポルカ
あとがき 深沢七郎
深沢七郎の透明日記 尾辻克彦
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