『母』~オモニ~
『母』
― オモニ ―
姜 尚中/著
集英社
「青春と読書」2008年3月号~2010年2月号に連載。
大幅に加筆・修正して単行本化。
ようやく私の番になりました。
図書館の紹介文には、
「……著者初の自伝的小説……」とありましたが、
姜さんの自伝は『在日』(小説ではありません)の方で、
本書は最愛のオモニへのレクイエムにも思えました。
ノンフィクションでも良いところを、あえて小説としたのは、
ご両親も岩本さんも故人となってしまって、
想像するしかなかった部分も多々あったからではないでしょうか?
母の生い立ちから臨終まで、簡潔で誠実な文章の中に、
書かずにはいられなかった母への思いがあふれ、
同世代の私としては、涙が出てしまった箇所も多かったです。
もし予定通り祖国へ戻ることが出来ていたなら、
姜さんの人生は全く別のものだったでしょうね。
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