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『ユンボギが逝って』…(2)

『ユンボギが逝って』を読んで、『ユンボギの日記』出版までの経緯と
その後を知ることが出来ました。

「ユンボギの日記」は1963年6月から1964年1月までが書かれていますが、
10歳で物乞い同然で家族を養っていたユンボギ少年の日記が
どうしてベストセラーにまでなったのでしょう…?

それは、担任の柳 英子(ユ・ヨンジャ)先生が、
クラス全員に課題として日記を書かせていたのでしたが
真面目なユンボギは貧苦の中でも宿題を怠らず、
日記を提出していたからなのです。

柳先生は、ユンボギ一家が住んでいたヤギ小屋を訪ねたり、
ノートが買えない彼のためにノートを買ってやったり、
お弁当の無い彼のために、「おなかの調子が悪いから」と言って、
自分のお弁当を食べさせていたそうです。

その後、金 東植(キム・ドンシク)先生が面倒をみるようになると、
ユンボギの日記が、第二の「にあんちゃん」になるのでは?
と思った金先生の働きによって、
『あの空にも悲しみが』(ユンボギの日記Iが出版され、
そして映画化、続編の『あの空にこのお便り』も出版されました。

ベストセラーとなって一躍有名人になったにも関わらず、
暮らしは貧しいまま…(利用された!?)

何より悲しかったのは、映画での柳先生の描かれ方でした。

無口、控え目、思い遣りがあり、善良、誠実、
向学心があって、努力家、意志が強く、責任感があり、
勤勉、弟妹思いで親孝行、優しい夫、優しい父、

韓流スターやアイドルとは違う風貌のユンボギさんの写真を見れば、
人柄が伝わります・

幼い頃から亡くなるまで家族のために働いたユンボギさんは、
1990年1月、最愛の家族と国内外から寄せられた1千通以上の手紙を残して、
亡くなってしまった…38歳という若さで。

死因は慢性肝炎、お酒もタバコもたしなまなかったのに。

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