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『ハックスレー短篇集』

20110618 『ハックスレー短篇集』
オルダス・ハックスレー
太田 稔/訳
新潮文庫(1961)

『ハックスレー短篇集』(オルダス・ハックスレー(1894/7/26 - 1963/11/22))
を読んだには1972年頃ですが、
「サキ短篇集」などと違って、内容を憶えていないのです…
それで、一番短い「肖像画」を読み返してみました。

絵画に詳しくない客に、尤もらしい伝説をでっち上げ、
無名の絵描きが描いた20ポンドの肖像画を、
680ポンドで売りつけてしまう画商の話でした。

海千山千の画商や骨董商にとって、
成金趣味の俗物のお客は、葱を背負った鴨のようなものでしょう。

二束三文のガラクタ同然の品なのに、言葉巧みにその気にさせられて、
懲りずに何度も大金を巻き上げられてしまうお得意様…
よく聞く話ですよね。

ところで、
1960年に書かれた「あとがき」には、

…その生まれは1894年であるから、すでに六十を半ばすぎた高齢であるが、
~略~
いまだに著作の筆をやすめてはいない。…

とありましたが、隔世の感を禁じ得ません。
というか、今の時代で良かったわ…(゚ー゚;

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<目次>
ジョコンダの微笑   (The Giocnda Smile)
肖像画         (The Portrait)
モノクル                  (The Monocle)
小さなメキシコ帽   (Little Mexican)
 あとがき

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