『仮面の国』
先日、図書館から借りてきた『仮面の国』、
いかにもタイムリーなタイトルに思えますが、
『新潮45』で1997年5月号~12月号、1998年2月号~4月号に連載された
柳 美里さんの言論エッセイをまとめて1998年4月に刊行されたものです。
右翼を名乗る男性からの脅迫が切っ掛けで始まった誌上バトル、
「左」でも「右」でもない著者だからこそ言える日本論でした。
(私は「やや右」に思えますが…)
小林よしのりさん、村上龍さんなどの表現者や精神心理学者に対する批判、
従軍慰安婦問題、神戸の殺人事件などの少年犯罪、地下鉄サリン事件など、
当時の事件について怒濤のごとく綴られていますが、
反論対象の文章が示されていないために、私には分かり難い点もありました。
「事件は時代を映す」、リアルタイムで読んでこそ意味があるのでしょうが、
10年以上経った今ても、興味深く読むことが出来る内容でした。
…でも、正直疲れました。
<目次>
第一章 仮面の国
第二章 攻撃すべきは、あの者たちの神だ
第三章 正義とは悪魔が被る仮面にて
第四章 「人情」に呪縛された「透明な家族」
第五章 ふたたび言う、出でよA少年の父
第六章 なぜ人を殺してはいけないのか
第七章 「絶対零度の狂気」持つ少年たち
第八章 歴史の目的は人間精神の探究にあり
第九章 伊丹十三氏の自殺と家族の再生
第十章 はっきり言う、生徒に「人権」はない
第十一章 「仮面の国」に贈る最後の「異論」
あとがき
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