『赤毛のアンへの旅』
『赤毛のアンへの旅』
~秘められた愛と謎~
松本侑子/著
NHK出版
* 表紙のタータンは、「プリンスエドラード島の公式タータン」。
(モンゴメリも夫ユーアンもスコットランド系で、
アンやカスバート兄妹もスコットランド系として描かれています。)
この本には、アン・シリーズ(「赤毛のアン」「アンの青春」「アンの愛情」「アンの幸福」 )
の解説や謎解きなどがありましたが、半世紀近くも昔に読んだ私にも、
興味深く読むことが出来ました。
アンが、なぜ、あれほどまでに、赤毛を嫌っていたかについては、
私は、ただ、ブロンドや黒髪に憧れて羨ましがってるだけなのかと、
深く考えたことは無かったのですが、
実は、アンの時代、赤毛には「裏切り者」のイメージがあったということでした。
根拠として、キリストを裏切ったユダは赤毛だったという伝説があり、
また、アベルを殺害した兄カインも、赤毛ということになっているらしいのです。
日本では、今でも、血液型や干支、出身地などで性格を判断する人がいるように、
かつての西洋では、「髪の色や目の色」で判断されたようです。
日本で初めて刊行されたアン・シリーズ(村岡花子・訳)の初版本(三笠書房)
(上)『赤毛のアン』(1952年)
(中)『続赤毛のアン』(1952年)
(下)『第三赤毛のアン』(1955年)
表紙のアンがヒドイ…!
<目次>↓
目次
『赤毛のアンへの旅』に寄せて 茂木健一郎
大人になって再読する『赤毛のアン』 松本侑子
ChapterⅠ 写真でたどるアンの物語
第1巻 『赤毛のアン』 (Anne of Green Gables)
第2巻 『アンの青春』 (Anne of Avonlea)
第3巻 『アンの愛情』 (Anne of the Island)
第4巻 『アンの幸福』 (Anne of Windy Willows)
* Anne's gallery 1
ChapterⅡ 秘められた愛の物語
1 マリラの母性愛 ~秘めた愛からあふれ出す愛へ~
2 マシューの慈愛 ~人の愛と神の愛~
3 ギルバートの愛の贈り物 ~英文学と花言葉による謎解き~
* Anne's gallery 2
ChapterⅢ 物語に香る英文学
1 シェイクスピア劇からの引用
2 アンが演じるアーサー王伝説のロマンス
3 ブラウニングに始まりブラウニングに終わる
4 『赤毛のアン』『アンの青春』『アンの愛情』
* 結末と題辞の不思議なつながり
ChapterⅣ キリスト教の愛と聖書のことば
1 アンとカスバート兄妹が信仰する長老派教会
2 イエスゆかりの人々の名前 アン、マシュー、マリラ
3 『赤毛のアン』の聖書のことば
4 イエスの聖杯探索のおしえ
ChapterⅤ 暮らしと社会
1 スコットランド民族の文化と伝統
2 アンが支持する政党と敬愛する女王様
3 アヴォンリーの草木と花々、家庭のハーブ
4 お茶会のハプニング、優雅なお食事会
* 「お茶会」のごちそう
ChapterⅥ 謎解き 『赤毛のアン』
「ゲイブルズ」とは?/「グリーン・ゲイブルズ」とは?/「グリーン・ゲイブルズ
のアン」とは?/各巻のタイトルの意味は?/なぜ赤毛を嫌うのか?/リンド
夫人が16枚編んだキルトとは?/花言葉から読む女主人の気質/カモメと蜜
蜂/ブルー・ウィロウの大皿とは?/ロブスターの缶詰工場で働くフランス系
ChapterⅦ 写真でたどるモンゴメリの生涯
(Lucy Maud Montgomery 1874/11/30-1942/4/24)
[誕生] ニューロンドン 0歳~
[少女時代] キャベンディッシュ ~14歳
[カナダ中部へ] サスカチュワン洲 15~16歳
[大学生(1)] シャーロットタウン 17~18歳
[島の教師(1)] ビデフォード校 19~20歳
[大学生(2)] ハリファックス 20~21歳
[島の教師(2)] ベルモント校 20歳
[島の教師(3)] ロウアー・ベデーク校 21歳
[郵便局勤務] キャベンディッシュ 22~25歳
[新聞記者] ハリファックス 26~27歳
[婚約] キャベンディッシュ 32歳
[第1巻『赤毛のアン』、第2巻『アンの青春』発行] 34~35歳
[結婚式] バークコーナー 36歳
[新婚旅行] スコトランド、イングランド 36歳
[妻・母・牧師夫人・作家として] リースクデイル 36~52歳
[苦難の日々] ノーヴァル 52~61歳
[旅路の果て] トロント 61~67歳
[懐かしい島へ帰る] キャベンディッシュの墓地
あとがき ~心の同類のみなさまへ
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