「千絵の海」
録画してあった、
「北斎 幻の海 ~パリで発見!伝説の傑作“千絵の海”完全復刻~」
を見ました。
葛飾北斎の幻の傑作「千絵の海」(全10図)は、
関東周辺の漁をテーマにしたシリーズですが、
国内での現存が僅かで、完全版は一組も無いことから、
「試し擦りで放棄された作品」というのが、これまでの定説だったそうです。
その「千絵の海」の完全セット(折本仕立ての画帳)が、
フランス国立図書館で保存されていたことが確認され、
それが初摺りではなく、数多く摺られていたらしいことも分かったのでした。
(フランスの民俗学者オーギュスト・ルスエフの遺族が20世紀初頭に寄贈。)
そして、大勢の絵師、彫り師、摺り師によって、
「千絵の海」の完全復刻が完成されました。
「日本の伝統工芸を外国の人たちに認めて頂いているということは、
我々にとっても嬉しいことで、やり甲斐が出てきます」
(東京伝統木版画工芸協同組合理事長の本田正明さん)
全く同感です。
ボストン美術館の日本コレクションもそうですが、
海外へ渡って保存されていたからこそ、存在しているわけですから、
感謝こそすれ、どこかの国の人たちのように、
「我が国の文化財を返せ」という発想は起きる筈ありません。
ところで衝撃的だったのは、
北斎独特の波の表現は、独自の表現法では無かった(?)ことです。
房総半島にある「伊縄寺」の欄間彫刻に、
「神奈川沖浪裏」の大波と酷似する「波」があったのです。
その寺の天井絵を描いたのが北斎の師であり、
また、北斎が房総を旅した記録も残されていることから、
「波の伊八」と呼ばれた欄間彫刻師が彫ったその欄間彫刻を、
北斎が見た可能性は大きい…
何だか「種明かし」を見てしまったようでもありましたが、
「偉大な先人へのオマージュ」のナレーションには、納得出来ました。
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