『もぎりよ今夜も有難う』
『もぎりよ今夜も有難う』 片桐はいり/著 株式会社キネマ旬報社
昨年放送のBS「週刊ブックレビュー」で紹介された時に、
是非とも読みたいと思い図書館へ行ったのですが、
思うことは皆さん同じらしく、大勢の先客が…
それではと、『わたしのマトカ』と『グアテマラの弟』を先に読んだのですが、
期待以上の面白さ、益々読みたくなって、辛抱強く待ちました。
『もぎりよ今夜も有難う』も他の二冊と同じように、著者の人柄が伝わってきて、
映画館の暗闇の中で、映画の世界に浸っていた時のように、
幸福な気分に包まれる本でした。
(読点の打ち方、擬音なども個性的で、
映画の題名をもじったタイトルもユニーク…)
映画好きの片桐はいりさんは、学生時代に、「銀座文化劇場」
(現「シネスイッチ銀座」)で、「もぎり」のアルバイトをされていたそうです。
「キネマ旬報」に3年半にわたって連載されていたものを、
加筆し単行本にした『もぎりよ今夜も有難う』には、
映画好きにとって共感出来るエピソードがユーモアたっぷりに綴られています。
特に、どこの街にも必ず映画館があった時代を知っている世代には…
(「もぎり」という言葉は若い世代には通じなくなっているとか…)
地方の映画館をたどる紀行文では、
“200メートルの両側に並ぶ七間町の映画館通り…”
と、私の地元の映画館通りについても書かれありました。
(200メートルの端から端まで、すべてが映画館ではないのですが…)
オリオン座、ピカデリー、ミラノ、有楽座、東宝、松竹…
「映画は映画館で観るもの」、その考えは今も変わらないのに、
最近は映画館の前を通ることさえなくなってしまいました。
<目次>↓
もぎりよ今夜も有難う 『夜霧よ今夜も有難う』
<目次>
渡り鳥映画館へ帰る 『渡り鳥故郷へ帰る』
転向生 『転校生』
Wの喜劇 『Wの悲劇』
女王の男 『王の男』
巴里の空の下ケムリは流れる 『巴里の空の下セーヌは流れる』
パルプ・コレクション 『パルプ・フィクション』
仁義の高場 『仁義の墓場』
時給交響曲 『地球交響曲』
私の頭の中のそろばん 『私の頭の中の消しゴム』
愛と劇場の日々 『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』
五年目の上着 『七年目の浮気』
モ’・バター・ブルース 『モ’・ベター・ブルース』
遙かなる時の叫び声 『遙かなる山の叫び声』
ドリームレディーズ 『ドリームガーズ』
ゆらゆら下北沢 『ざわざわ下北沢』
眠れる 『流れる』
ハウスダスト・メモリー 『スターダスト・メモリー』
ディープ・ブーム・ナイト 『ディープ・ブルー・ナイト』
銀座ブンブン娘 『銀座カンカン娘』
天国の口、緑の楽園。 『天国の口、終わりの楽園。』
失われた聖日 『レイダース 失われた聖櫃』
ラスト ミイハア 『ラスト サムライ』
神様にいちばん近い島 『天国にいちばん近い島』
裏窓の散歩者 『裏窓』『江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者』
いのちの味わいかた 『いのちの食べかた』
ヴィデオシンドローム 『ヴィデオドローム』
偶然の旅行記 『偶然の旅行者』
そして船は往く 『そして船は行く』
陽のあたる花道 『陽のあたる坂道』
君が名は 『君の名は』
浪花の夜の物語 『浪花の恋の物語』
やわらかな生活 『やわらかい生活』
フカヤ・シネマ・ソシアル・クラブ『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
とんとんの夏休み 『冬冬(トントン)の夏休み』
おくりもの 『おくりびと』
贅沢な闇 『贅沢な骨』
まさかのハコ船 『ばかのハコ船』
百年賛歌 『百年恋歌」
人生は長く静かな岡 『人生は長く静かな河』
アカルイキンミライ 『アカルイミライ』
番外編 映画の思い出、映画館の思い出
ー映画館が出てくる映画ベスト10ー
あとがき
(右側は映画のタイトル)
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