『グアテマラの弟』
「お兄ちゃんだったら良かったのに」
小さかった頃、年子の弟からそう言われた片桐はいりさんは、
ままごとやお人形遊びを封印し、
男の子のすべての遊び、すもう、自転車、スケート、を弟に教え、
兄として君臨していたのです。
…が、小学5~6年生の頃、
「なんで胸んとこが腫れてんの?」と言われてしまう…
思春期の頃からは、一つ屋根の下で関心も持たず、口もきかず、
他人のように過ごしていた姉と弟…
その弟が、子持ちで年上のグアテマラ人と結婚するため、
学歴(大学院卒)を捨て、家族を捨て、日本を捨て、
グアテマラの人になってしまった…
『グアテマラの弟』も、『わたしのマトカ』同様書き下ろし(272枚)のエッセイで、
弟に会うため、13年ぶりに訪れたグアテマラの日々の様子が、
片桐さんらしいユーモラスな表現で綴られています。
「歯ブラシとコンピューター」「イランと竜巻」というように、
タイトルはすべて「○○と○○」になっていて、まるで謎解きのようですが、
少しも飽きさせない書き方に、私は飲み込まれてしまいました。
やっぱり笑える。
でもその笑いの中には、家族への愛が満ちていて、
笑いながらも、しんみりさせられました。
弟さんのことは、以前「ポカポカ地球家族」という番組で偶然見ましたが、
もう一度見てみたい…。
ところで、今は「グアテマラ」というのが一般的なのでしょうか?
昔は「グァテマラ(ガテマラ)」と言っていたような…?
片桐はいりさんのエッセイ集を二冊読みましたが、
本当は、「週間ブックレビュー」で紹介された
『もぎりよ今夜も有難う』が読みたかったのです。
『もぎりよ今夜も有難う』は目下予約中…
大勢の予約が入っているので、いつ読めるか分かりません。
<目次>↓
<目次>
歯ブラシとコンピューター
イランと竜巻
海草とチャッカマン
どろぼうと薬屋
メルカドと富士山
鮫とシエスタ
トイレとロダン
前世と宇宙戦争
夜遊びと呪文
落ちる男と転がる男
靴と愛人
松茸とワチピリン
ゼリーと辞書
物乞いとアミーゴ
飴とムチ
たばこと神様
甘い水と苦い水
おやじと珈琲
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