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『新・スカートの風(チマパラム)』

20101117 『新 スカートの風(チマパラム)』
~日韓=合わせ鏡の世界~
呉 善花(お・そんふぁ)/著
三交社

『スカートの風』(1990)、『続 スカートの風』(1991)、
そしてこの『新 スカートの風』が出版されたのが1992年ですが、
“1992年4月は豊臣秀吉による壬辰倭乱から400周年にあたる”
という文に、改めて日韓の歴史観の違いを知らされました。

この本によれば、日本人が抱く韓国人のイメージでは、
「とにかく激しくすぐに熱くなる」、「ワンパターン」、「金遣いが荒く成金趣味」
「見栄っ張りで自己顕示欲が強い」、「上昇志向が強い」、「自己主張が強い」、
「権力志向が強く権威主義的」、「すぐに上下の差を付けたがる」
「衝突ばかりしていて集団活動がスムースにいかない」
…というのがマイナスイメージ。

「家族、身内を大切にする」、「義理堅い」、「本気な性格」、「行動的」、
「情熱的」、「誇り高い」、「素朴で純粋」、「喜怒哀楽を素直に表現する」、
「素直ではっきりものを言う」
…がプラスイメージだとか。
そう言われてみればそうかも知れません。

韓国式もてなしは、普段味わえない目が眩むような
「派手、豪華、華やか」な皇帝待遇ですが、日本人には受けないそうです。

「日本人は素朴で鄙びたものが好みで贅沢が嫌い」と著者は言いますが、
価値観が人それぞれのように、贅沢への定義も人それぞれ、
絢爛豪華が好みの人もいます。

様々の例を挙げて日韓の比較をしていましたが、
日本人」と言っても人それぞれではないのでしょうか。

ところで、「美人に会いたければソウルへ」を読んでいて、
美人だばかりのソウルで、
“その中の何割が天然の美人なのかしら…?”と思ってしまいました。

<目次>↓

序 合わせ鏡の関係としての日韓

<目次>

Ⅰ 大いなる小異をめぐって

日韓摩擦の根源には何があるのか
    ロス暴動と日韓摩擦の固有性
    「身内問題」となっている従軍慰安婦問題
    韓国側のこれまでみられなかった反応
    相互に支え合う仕組みに根を下ろす日韓摩擦
    問題の根にある「いき違い」
    「カバンをあけなさい」という韓国税関
    驚きと「気持ち悪さ」の感覚
    日本人の中位意識と韓国人の黒白主義
    「助けてもらいたい」ではなく「助けるべき」という発想
    なぜ個人的な関係ではうまくゆくのか
    ともにアジア的自己をみつめるとき

なにげない日韓から
    「スカートの風」の反響
    母国語独特の表現の面白さと落とし穴
    顔つきの価値観
    権威と名刺の関係
    贅沢生活が嫌いな日本人の不思議
    韓国薬剤師の弁舌
    日本の3Kと韓国の3D
    ロス暴動後の韓国人の反省
    ロスのコリアタウン

Ⅱ 文化の合わせ鏡

韓国人は「間」をとることが苦手
    「あいだをとる」ことの難しさ
    野球には「まをとる」技術が大切
    韓国人が中間が嫌いな理由

韓国の味と日本の味 
    韓国人はキムチなしでは生きられない?
    洗練された味よりも家庭の温かみを求める韓国
    量も豊富なら味も豊富なものがよい

オンドルとコタツ
    コタツ、日本茶、庭の三点セット
    夜間暖房としてのオンドル効果
    部屋飾りとしての布団といけ花

弱さの日本語、強さの韓国語
    覚えやすく上達しにくい日本語と韓国語の間がら
    「コーヒーを飲まされた」と言う日本語の印象
    日本語特有の「~させられた」「~してもらう」

韓国的なサービスとは何か
    感覚に直接うったえる韓国の伝統的なサービス
    派手やかさと賑やかさに終始した宴会
    相手しだいで差をつけるサービス

ハレの場の象徴としてのネクタイ
    ソウルビジネス街の色鮮やかなネクタイ
    日本では着られない韓国で似合う服
    仕事の場はハレの場か?

ロスの日本人教会・韓国人教会
    平日はオフィス、日曜日は教会
    小さな日本人教会でのお説教
    「許しても忘れてはいけない」という韓国人牧師

プライド=高慢・自尊心をめぐって
    逆境にあってこそ身仕舞をただす
    他者に助けられる資格
    異文化間のプライド表現

Ⅲ 韓国の女、韓国の社会

なぜ韓国女性は美人なのか
    美人への過激な執念
    韓国美人は美人であることを強調する
    「派手さ」という美
    セクシーな美についての日韓の違い
    目を強調する美の感性
    美人に会いたければソウルへ
    美人への執念から貴婦人への執念へ

女と男雑考
    日本に来て変わった男性観
    日本の男が韓国の女を誘うとき

韓国、その中央集権化の力学
    韓国人は「体育会、応援部」的?
    急速に消費社会の顔を見せはじめた韓国
    過剰消費の官僚にある虚栄心と自己顕示欲
    同一性内部で進行する韓国政界の多様化
    ハンダーソンの「韓国社会=上昇渦巻パターン説」
    韓国社会の極度な中央集権化の構造
    日韓関係が鍵を握っている

Ⅳ 儒教的世界と神道的世界

韓国の孝と日本の忠
    儒教の倫理観を逆転させた日本人
    自然な生まれつきに価値を求める社会
    孝優先の韓国と忠優先の日本
    忠優先で成功した日本

「恨」と「もののあわれ」
    情緒表現と美意識の二つの典型
    自然観と人生観
    儒教と神道を支える心情

日本人の「おかげ」信仰
    「反省する日本人」というアジア人のワンパターン
    「努力」の強調と「おかげ」の強調
    負けたくない相手のご都合主義
    外国人のための日本人とのつき合い方
    考えさせて下さい
    家に遊びに来て下さい
    「ひけらかし」が嫌いな日本人
    教える姿勢の弱い日本人
    日本人は無宗教?
    日本人は差別的な国民か?
    馴れ馴れしさと親しさ

東京の無意識と外国人

あとがき
初出一覧

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