『わたしのマトカ』
マトカはフィンランド語の「旅」。
映画『かもめ食堂』の撮影で一月間滞在したフィンランドでの出来事と、
フィンランド以外で体験した旅のエピソードが綴られています。
片桐はいりさんが個性派女優なら、エッセイもとても個性的。
『わたしのマトカ』は帰国後に出版社より依頼され、
3ヶ月掛けて書いた249枚の書き下ろしですが、
起承転結、比喩のユニークさ、ユーモラスでセンスの良さ、
卒論以来の文章、とは、とても思えない素敵なエッセイ集でした。
感受性豊かで好奇心旺盛、正直で聡明な人柄が伝わってきました。
撮影終了後、一行と別れて一人ファーム・ステイした時の話や、
各国のマッサージのエピソードなど、どんなドタバタ喜劇より可笑しくて、
声をだして笑ってしまいました。
私は笑い上戸とは言えませんが、
これを読んで笑えない人は、余程気難しい人じゃないかしら。
フィンランド人が、シャイで感情を面に出さない人たちとは意外、
ちょっと日本人と似ているかも…
映画の撮影裏話やフィンランド出演者のエピソードもあったので、
また『かもめ食堂』見たくなってしまいました。
シュールなのに癒される映画、個性的な三人の女優さんも大好きです。
片桐はいりさんみたいなお友だちが欲しいな…。
<目次>↓
旅のはじめに
舌の上のフィンランド
これを1リットルください
路面電車に乗って
スオミ食堂
カンボジアの朝日。ヘルシンキの夕暮れ。
ヤルッコ、ヤッチマイナー!
わたしのそばにいて
夜にもまれる
クラブ「地獄」
芸術家の夜
ファーム・ステイ1 雨女と音楽
ファーム・ステイ2 農場暴走族
ファーム・ステイ3 ファーム・アローン
ファーム・ステイ4 フィンランドのしっぽの先
玉手箱をあけたら
とても贅沢なおみやげ
心も時差ぼけ
狼の群れへ
カラスのひとりごと
旅のおわりに
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