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『私はいかにして<日本信徒>となったか』

20101119
『私はいかにして<日本信徒>となったか』
呉 善花(お・そんふぁ)/著 (PHP研究所)

題名は、著者が尊敬する内村鑑三の「余は如何にして基督信徒となりし乎」から。

1956年済州島生まれの呉 善花さんは、反日教育を受けた世代ですが、
希望するアメリカ留学の足がかりとして1983年に来日し、
文化や価値観の違いに戸惑いながらも日韓の壁を乗り越え、
1992年に日本国籍を取得されました。

大東文化大学卒業後、東京外国語大学地域研究研究科修士課程修了し、
現在は、拓殖大学国際学部教授です。

韓国時代から現在(1999)に至る足跡が記されていましたが、
第三章には、『スカートの風』出版の経緯から後日談が詳しく書かれていました。

韓国では当初、呉善花という人物はいない。
日本人が韓国名を使って書いたものと言われ、実在が証明されると、
当然の如く売国奴のレッテルが貼られ、日本の右翼に利用されているとか、
ゴーストライターが書いたと誹謗中傷され、
日本に滞在するホステスや留学生からは、激しく糾弾されたとのことです。
(日本語混じりのハングルで書いたものを訳して貰ったそうです。)
韓国の「新・親日派の正体を明らかにする」という番組については、
いかにして捏造されたか述べられていました。

正直のところ、どちらが真実なのか私には判断は難しいです。

<目次>↓

<目次>

プロローグ はじめて知った日本
        たった一人の韓国人/「日本教」への深い共感

第一章 不思議な国の住人
    ……東京下町の生活

  不思議に印象のよかった日本/日本語が聞こえない/夢のゆうな民間アパート
  の生活/牛肉と真っ白なご飯をお腹いっぱいに食べられる感動/なぜ日本では
  都会の商人が良心的なのか/教育で知る日本と実際に知った日本との巨大な
  落差/海と山が入り組んだ夢のような自然風景/行き違うことの悩みのはじまり
  /八百屋さんの誇り/大学入試に失敗する/外国人クラブの体験/習慣の違い
  への生理的な嫌悪感/消しゴム事件/弁当事件/「じか箸」を嫌う日本人/友だ
  ちに冷たい日本人という印象/フランスのパリへ/ロンドンの英語学校

第二章 どこまでも深い日韓の谷間
    ……アイデンティティの喪失

  貿易会社でのアルバイト/仕事か家庭かの選択/親しい相手に心を開かない日
  本人/「韓国人差別」誤解の構造/神社への抵抗感/無意識のうちに相手を身
  内に取り込む/「来日二、三年」が最も日本を嫌いになる時間/日本滞在二年半
  の体験を綴った「日本誹謗の書」/語学校の開校と日韓ビジネスコンサルタント業
  のはじまり/行くも地獄、帰るも地獄の感覚/日本人にも「異邦人としての悩み」が
  あることを知って/韓国人ホステスに日本語を教える/日常的に日本と韓国を往
  復する語学教師の仕事/キムチを断つ決意をする/日本人の気持ちを知ること/
  日本の陶磁器を趣味にする/韓国人ホステスたち/日本人ビジネスマンとの出会
  い/韓国勉強会でのスピーチ/日本の風景と絵画の好み/「日帝三十六年」への
  無知を知る/植民地体験者の生の声を聞きたい/日韓のはざまで自分が見失わ
  れる/自然からもらって宝物を生かす方法

第三章 転機のための『スカートの風』
    ……生きられる場所の手応え

  NHKテレビの歌舞伎町取材/本の企画をもちこむ/原稿執筆/『スカートの風』
  の出版/韓国人ホステスたちの反発/ノイローゼに陥った日々/あの本は嘘だと
  いい触らす留学生たち/留学生たちの糾弾行動/日本人からは好意的な評価/
  独善でやがて哀しい韓国人/悪意のない「裸の王様」/「日本人が書いたと報道し
  た韓国日報/「呉善花はいない」というデマ/「第二の従軍慰安婦」/取材に来て
  ボロを出した韓国テレビクルー/ジャーナリスト失格の韓国テレビ万/安企部の
  暗躍/韓国人の意識の深層を形づくる中華主義/経済危機をきっかけに、ようや
  く変化を見せはじめた韓国/私はどうやって自民族優位主義を脱することができ
  のか

第四章 済州島の女たち
    ……その逞しき生活力の秘密

  済州島の太陽/ミカンがおいしくて、いつもお風呂に入れる国/日本語のうまい子
  /字があることは反日であること/済州島の女たち/明るく楽天的な働き者/韓
  国人の「恨」と日本人の「もののあわれ」/女の苦労と女の開放性/ソウルのお嬢
  さんのように/外に向いて行く心/文通で恋をした思い出/高校卒業後の進路

第五章 島から半島へ
    ……軍人・学生として生きた日々

  看護大学に入学するが……/どこに活路を見出せばいいのか/軍人になりたい
  /韓国陸軍軍人となる/軍人生活のはじまり/潔癖までの整理整頓の生活/司
  令部から大学へ通う/過酷な軍隊生活/リベラルなジェントルマンだった高級将
  校たち/軍隊は反日より反共だった/一般の会社とは逆の軍隊/私の恋愛/エ
  リート将校の大胆な誘い/民間エリートを狙う女性軍人たち/三、四年でやめる
  女性軍人/臨床病理士の資格をめざして/病院勤務と日本語学校/英語学校で
  売春婦を教える/恋人との別れ/日本への慰安旅行/東京経由アメリカ行き

エピローグ 定住すること

東京の月、済州島の月/大自然との贅沢な接触の日々/よき人との出会い

あとがき

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