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『<悪口>という文化』

20101030
『<悪口>という文化』
山本幸司/著 平凡社

悪口にみる文化論とは発想がユニークです。

悪口から刃傷沙汰になり、
命を落とす結果になる場合も無きにしもあらずですが、
悪口でフラストレーションを解消したり、
人間関係を円滑にする場合もあるようです。

と言っても、この本に紹介されている文献や外国での例にみる「悪口」は、
口汚い罵りあう喧嘩などではなく、作法に則った「口喧嘩」なのです。

たとえば、「御成敗式目」、「浮世風呂」、落語「野崎詣り」、
また、日本の各地で行われていたという「悪口祭」や、
「悪態祭」などと呼ばれる祭に見られるように、
喧嘩にも禁句などルールがあって、必ず第三者によって、
最後は丸く収まる仕組みになっています。

喧嘩も、共同体の「秩序」を維持するための、
一つの知恵だったようです。

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