『中国人のものさし 日本人のものさし』
『中国人のものさし日本人のものさし』(1995)
村山 孚/著
草思社
1920年(大正9)生まれの中国研究家・村山 孚(まこと)さんによる、
日中の比較文化論ですが、日本人の価値観で肯定も否定もしていないので、
説得力がありました。
中国人を語るには、やはり「拝金」「面子」「食願望」は避けて通れないようで、
どれも日本人の想像をはるかに超えているのですが、
中国人が著したものとは違う印象(好印象)を受けました。
著者が関わった中国が、清民族だったのかも知れませんが…
ところで、中国では、政治が立派で、世の中が正しく治まっていることを、
「道に遺(い)を拾わず」(『史記』)、
…「道に落とし物があっても、誰もネコババしない」と言うそうです。
ならば、「今の中国の政治は、立派ではない」ということでしょうね。
「日本人は、それが嘘だと立証されるまで人の話を信じ続けるが、
中国人は、それが本当だと立証されるまで人の話を信じない」
(『ザ・プログレム・オブ・チャイナ』バートランド・ラッセル…1921)
日本人は、80年前と大して変わっていないようです。
<目次>↓
<目次>
まえがき
友好は易く理解は難し ≪相互誤解≫
帰国孤児の悲劇/日本人の中国誤解/中国人の日本誤解/新しい理解の形/
上り下りでちがう長江の船賃 ≪現実主義≫
花壇に罰金の定価表/留置場は食費をとる/ズバリ即物的な表現法/
確かなものだけを信ずる/現実主義と形式主義/
ごはん食べた? ≪食願望≫
「●(人偏に尓)吃食麼(ニーチーファンラマ)?」/史話に見るすごい執念/
酒池肉林の発想/食いものの恨み/差別に対する屈辱感/最大の関心事/
取り分けのわざ/コッテリ、タップリ/飲み食いの伝統/食は大きな政治問題/
骨抜きになった「四菜一湯(スーツァイイータン)の規則/中国人と酒/
「同志」に勝った「小姐(シャオジェ)」 ≪呼称≫
「うちのヤツ」/「同志」の由来とその変遷/またたくまに復活した「小姐」/
生活のなかに生きる「老(ラオ)」、「小(シャオ)」の呼びかけ/
重視される送迎 ≪マナー≫
めずらしがられる日本人のおじぎ/もてなしの第一歩…出迎え・見送り/
裏返しに置く勘定書/歴史と伝統を知る必要/「すみません」と
「対不起(トイブチ)」の異音/初対面の話題/
不吉な贈りもの ≪プレゼント≫
プレゼントのちがい/偶数を尊ぶ習慣/香典の習慣はないが……/
日本人のお返しはおかしい/
なんで腹を立てるか ≪感情≫
待たされても怒らない/不条理への怒り/不平等への怒り/侮辱への怒り/
面子(メンツ)をつぶす/あるハプニング/複雑な対外感情/
中国人の感じた日本語 ≪ことば…その一≫
「お」をつけることば、つけないことば/ややこしい「さん」の使い方/
日本語は過剰包装/「大臣」「主人」「おまえ」「あなた」/
漢字と表現法 ≪ことば…その二≫
暖簾の由来/第一次外来文化である中国文化/ちがいも大きい日本と中国/
大げさな表現法とボカシ表現法/
官への不信感 ≪意識≫
「また出世してよかったな」/官に対する意識のちがい/不正役人への庶民の
怒り/蝿は打つが虎は打たない/
ジグザグコース ≪改策≫
スイッチバック方法/窮すれば変ず/入試試験のジグザグ/自由市場が出現
したころ/加速度が加わる巨船の悩み/
南のものさし、北のものさし ≪地域差≫
主食やお茶の好みもちがう南と北/頭のまわる南方人/南北の金儲け論争/
閉鎖的な北、開放的な南/
生きている古典 ≪伝統≫
二千年前からの形式/新聞見出しの故事成語/古典の重みの功罪/独特な
比喩のしかた/完全否定はできない伝統/立場を変えて考えると/多面的に、
固定せずに/
中国人の健康法 ≪生活断面≫
朝の公園での健康法/春の厚着、秋の薄着/ユニークな顔の体操/
あとがき
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コメント
日本は既にアメリカの一州のようなもの…かも知れません。
それはさておき、くれぐれも、井の中の蛙にならないように気を付けないといけませんね。
投稿: Michi | 2010年10月24日 (日) 22:02
日本人の想像を絶するものですか。中国人からみれば日本人はきっと軟弱でしょうね。
日本人は自分達の軟弱さをカバーする為に勉強をしてのし上がってきた。
でも、アメリカの保護下で平和病に陥り、「ゆとり教育」なんて馬鹿な若者をわんさか生み出し、留学しても英語がほとんど話せないなんて子がざら。
政治は混乱。きゃ~ですね。
怖いですし、いやですが、もうアメリカの一州に加えてもらうしか、打つ手がないのかな。
投稿: kiyohime | 2010年10月24日 (日) 11:58