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『感謝と謝罪』

20101024 『「感謝」と「謝罪」』
~はじめて聞く日中、“異文化”の話~
相原茂/著
講談社

最近読んだ『「感謝」と「謝罪」』も、日本人による日中の異文化論ですが、
エッセイのように気楽に読める一冊です。
…半日(数時間)で読めます。

読み進むに従い、日本人の思考より、中国人的考え方が、
合理的で、理に適っているように思えてくるから不思議です。

例えば、日本では、ゆうパックや宅配の中身についても、
乗り物や映画などの子供料金にしても、自己申告ですが、
中国では中身を確認され、子どもと大人の決め手は身長(110㎝)です。

食品に関しても、「大盛り」「一皿」とか「野菜一束」という表示ですが、
中国では具体的(重さ)とのことです。

日本人には当たり前なことでも、実はとても曖昧なのです。
これは日本人が「人を信用する民族」で、中国人はその逆というわけですが、
中国がヘンと言うより、日本が特別のような気がします。
日本の曖昧さは、言葉だけではないことに気付かされました。

曖昧といえば、日本には「察する」文化がありますが、
これも、考えてみれば、独り決めなのかも知れません。

平和呆けと言われても仕方ない位、
日本人は適当でお人好し過ぎるのでしょうか…。

お金さえあれば、学歴も地位も、なんでも買える中国について、著者は、
お金と人間の欲望というものを肯定すれば、
たいていのものは「お金で買える」ということになる。
ただし、現在の日米欧の考え方からすればこれは「腐敗」ということになる。

と、やんわり批判していました。

注…中国人の友人知人に、
   「お腹空かない?」「のど渇かない?」と言ったら誘ったことになります。
   中国では誘った人が奢るのが決まり。
   中国人に、「ここは日本、“郷に入っては郷に従え”」は通用しません。
   また、たとえ仕事であっても、午前11時や午後5時に予定するのも、
   食事に招待したことになるようです。

<目次>↓

                                 

<目次>

Ⅰ 北京で考えたこと

 1 言葉から見る日中異文化
    差別用語について/“日本鬼子”と“小日本”/階層社会としての中国/
    大都市出身者ばかり/師にたてついた日本人/
    あなたに借りがある/「謝る」と「感謝する」/オリンピックのあとで/
    中国の日本語学会 日本の中国語学会/言葉を惜しむ/
    幼稚な日本/型の文化/鹿はどう鳴く?/「善」と「悪」

 2 北京で考えたこと
    一人ホテルへ/撮影本番/シャンプーマッサージを受ける/貧しさという力/
    再びマッサージ/英雄や偉人を作らぬ国/埋もれてなるものか/
    自分とは違う人種/中国人はなぜ何度も乾杯するのか/
    タバコと酒は家を分かたず/変わる、変わる/予測辞典/日中夫婦論

Ⅱ 日中異文化コミュニケーション入門講義

 1 沈黙は無能
    逃げるのは誰?/日中「謝り」対照論/遅刻した中国人/「断り方」も違う/
    もの言えば唇寒し秋の風/なぜ発言しなかったのですか?/言わぬが花/
    わが舌なお有りや否や?/日中大きな違い二つ/よく通る声

 2 食事の話
    「お昼に会おう」「それはどうもすみません」/みんな平らげてはいけません/
    レストランにて/「今度遊びにきてください」/招待は本気です/
    お土産のやりとり/「わざわざ」と「ついでに」/「いただきます」と「ご馳走様
    でした」/おなか空かない?/お代わりどうぞ/温かいものを食べる/
    ホットジュースはいかが/食事が済んで

 3 人を信用するか
    郵便局で針仕事?/トマトを並べる/上海蟹を食べる/北京ダッグの丸ごと/
    子ども料金をどう決める/これで大盛り?/目を背けたくなる交通事故現場
    写真/野菜一束100円/リスクがある/人を信じたいが

 4 ゴミ箱論
    「ゴミ箱」ってどういう?/床が大きなゴミ捨て場/靴とベッドの生活/
    「はだし」こそ尊い日本/中国の挨拶の仕方/こんなことはいってはいけない/
    内と外

 5 人とつきあう
    「どなたにご用ですか」/小さな権力/「職ありて権なし」/貸し借りを精算する

Ⅲ 感謝と謝罪

    感謝と謝罪/注文の多いお客さん/
    犬にされた話/とりあえずスイカでも/
    日中お土産考/動物の鳴き声/
    日中贈り物考/密封する文化、開ける文化/
    雨の日の出で立ち/日中自殺考……三つの言葉/
    中国の罰/教師と医師/
    お金と人間中心主義/眼に見える「パワー」

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