『思い出万華鏡』
『思い出万華鏡』
~昭和の暮らしと今~
西川勢津子/著 阿部千惠/絵
株式会社SCC
「目次」
暮らしと家事
通信と交通事情
買い物と食生活
ファッション
冠婚葬祭
家族制度
育児と教育
病気と医療
あとがき
索引
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行書体の「思い出」と「万華鏡」の文字に反応してしまうのですから、
歳ですね。
千代紙風の装幀を手にすれば、借りないわけにはいきません。
この中には、昭和初期から40年位までの思い出が綴られていて、
各々のページにレトロなイラストと注釈がありました。
でも、昭和40年当時のことは、勿論知っているのに、
私のイメージする昭和とは、相当ズレがあるのはなぜなの?
これ、大正時代じゃないの?
というのも、著者の西川勢津子さんは、私の母より年上で、
書かれている事柄も戦前のものが多いのです。
それどころか、昭和一桁当時のことが、ほとんどだからなのです。
私が生まれた頃には、電気は当然ながら、ガスも水道もあったので、
かまどや、井戸端、火消し壺、熾火といった記憶はありません。
それから、「40年ぐらい前まではシーツは使わなかった…」
という文にも異議を唱えたい…(1998~2000年に書かれたもの)
私自身、シーツ無しで寝た記憶はないのですから。
結局、昭和は長かったということなのでしょうね。
一口に昭和の記憶と言っても、世代によってイメージが違うのは仕方ないこと、
きっと、昭和を一番知っているのは、大正生まれの人達かも知れませんね。
また、当時の物価なども細かく記されていて、大変参考になりましたが、
決して懐古趣味的雰囲気はありません。
この本を読めば、「昔は良かった」などとは、とても言えないはず…女性なら…
昔の女性が如何に大変だったか思い知らされます。
例えば、お料理なら、生きた鶏を絞め、さばくことが出来る…
お裁縫なら、1日に浴衣2枚仕上げる(もちろん手縫い)…
誰もが出来たとも思えませんが、私には絶対無理!
昭和初期に生まれなくて良かったわ!
最終章には、「どうしても伝えておきたいこと」として、
それまでとは違う語り口で、「らい」について書かれていましたが、
初めて宮崎松記さんのことを知り、大変感銘を受けました。
何はともあれ、昭和も遠くになりにけり、ですね。
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