『中国人の胃袋』
『中国人の胃袋』
~日中食文化考~
張 競 /著
[バジリコ株式会社]
[目次]
1 鳳凰を食べる国
2 食の歳時記
3 中国・日本・韓国の食卓から
4 酒三題
5 食から見た中国の歴史
6 食べるは楽し、作るもまた楽し
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驚きました!
「中国人は4本足は机以外、飛ぶ物は飛行機以外、
水中の物は潜水艦以外食べる」というジョークを聞いたことがありますが、
これ程までも食文化が日本と違うだなんて…
『水滸伝』の英雄たちの、異常なまでの健啖家ぶりは、さておき、
日本ではペットの動物、爬虫類、昆虫など、ゲテモノを食すことが男らしい証しで、
男性ならスイカを一度に半分を平らげ、少食と言うだけで破談になるといいます。
1953年生まれの著者が、留学のために初来日した時、刺身どころか、
生野菜にも驚いたそうで、トンカツに添えてある千切りキャベツも鶏の餌…
そもそも中国にはサラダという発想がなく、
真夏にキュウリやトマトを丸ごと食べるのも、
体を冷やす食物と信じられているからで、惣菜ではなく果物感覚なんだとか。
猫にさえ生魚はやらない、
生魚を盗んで食べてしまった猫は、30分以内に吐いてしまう…
これには、つい、「鮮度が落ちていたのでは?…汚染していたのでは?」
と…中国の人達から「偏見だ」と叱られそうですが。
「ラーメンは日本が一番美味しい(中国は別として)」には嬉しいですが、
「日本人が粗食なのも驚いた、
サラリーマンが、猫も喰わない焼き魚定食を食べている…」
これはちょっと悲しい、中国の猫は、余程グルメなんでしょうね。
同僚のペットにも食欲が湧いて困った著者、
カエルのの鳴き声に歓喜したのも、あくまで食料として。
また、犬がどれほど美味しいかを力説し、
「嘘だと思うなら今夜食べてみて」と言われても絶対無理ですから。
日本人は少食、確かにそうでしょう。
柏原益軒じゃないけれど、「腹八分目に医者いらず」という考え方があって、
少食はケチだからではありませんよ。
もっと食べたいところを、健康のためと思って我慢しているだけなんです。
「医食同源」の中国、このような食生活を送っていることが不思議です。
中国での、生活習慣病の罹患率はどうなってるのかしら?
もっとも、現在の中国は、この本に書かれているものとは大分違うようです。
読んで食欲が湧いた人、げんなりした人、私は当然後者。
日本人が通常口にしない食材の調理法に、かなり退いてしまって…
でも、「酸梅湯」は味わってみたいと思いました。
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