« 嫁姑 | トップページ | 「“テロリスト”と呼ばれて」 »

『あゝ野麦峠』

20100915 新版『あゝ野麦峠』
~ある製糸工女哀史~
山本茂実/著
朝日新聞社

山本薩夫監督といえば、原作を読んでいたこともあって、
30年くらい前に、『あゝ野麦峠』を見に行きました。

政井みね役は大竹しのぶさん、兄の辰次郎役は地井武男さん、
工女仲間には古手川祐子さん、友里千賀子さんなどが出演されていました。

詳しくは覚えていませんが、あの頃の大竹しのぶさんは、今とは違ったイメージ…
30年以上も経っていますから、当然と言えば当然ですが。

飛騨から野麦峠を越え諏訪の製糸工場へ向かう少女たち、
労働基準法などない時代、過酷な労働によって結核に罹って追い出されたり、
器量好しゆえに暴行され自殺した少女も…

原作は小説ではなくて、元工女を取材したノンフィクションです。
元工女たちの思い出は辛いものばかりではなく、
熟練工としての腕や高額を稼いでいたという自負も感じられました。

労働時間14時間前後という現代では考えられない労働条件ながら、
当時の貧しい暮らしに比べたら、必ずしも酷いものとは言えなかったようで、
非常に粗末な寄宿舎の食事も、故郷での食事に比べたら贅沢で、
弟妹たちに食べさせてやりたいと思うほどだったようです。
高給を稼ぐ優秀な工女たちは、当時のキャリアウーマンだったかも知れません。

資料として
「糸ひき唄」「明治前半の生糸輸出」「就業時間」「製糸工女賃銀台帳」
「出稼工女・工場・工賃調べ」「工女病症調べ」「工女教育程度調べ」
「工女の教育程度」が掲載されています。

|

« 嫁姑 | トップページ | 「“テロリスト”と呼ばれて」 »

* 本」カテゴリの記事

* 映画」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。