« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »

2010年9月

アガサ・クリスティー『動く指』

20100930 『スリーピング・マーダー』~ミス・マープルの最後の事件~
                綾川 梓/訳(早川書房)
『鳩のなかの猫』 高木 福夫/訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『動く指』 高橋 豊/訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

図書館からアガサ・クリスティーを借りてきました。

まず読んだのは『動く指』(The Moving Finger)ですが、
ドラマ(ジェラルディン・マクイーワン版)は、
原作とは変えられていたことが分かりました。

参考のため、ジョーン・ヒクソン版の「動く指」も見ましたが、
そちらも原作とは違っていました。

ミス・マープルの知人で、拳銃自殺を遂げたアップルトン大佐ですが、
原作では、リムストックの住人として、2~3回名前があがっていただけで、
事件とも無関係、ミス・マープルとも接点はありませんでした。
(ヒクソン版では登場せず)
それにラストも意外…

ところで、動画サイトでミス・マープルを見て思ったことですが、
有名な女優さんの吹き替えって、良し悪しですよね。

山岡久乃さんにしても、岸田今日子さんにしても、草笛光子さんにしても、
声に特徴があり過ぎて、つい顔が浮かんでしまうというか…
吹き替えは顔の知らない人の方がいいように思えます。

また、私はヒクソン版を見てなかったので、
美人でミステリアスな眼差しのマクイーワンの方がいいわ…
でも、逆に感じる人も多いのでしょうね。

それはともかく、
犯人が分かっているミステリーは読んでも詰まらない…

よって他の2冊は読まないかも…

| | コメント (0)

救いようがない…

たった今、目にした二つのニュース。

一つは、
「中国、劉暁波氏のノーベル賞候補に不快感…」

中国の法律を犯し、判決を受けた人物であり、
あらゆる行為が平和賞の趣旨に背くものだ…
…中国の憲法と法律は、法に基づいた言論の自由を保護している。
各国で人権について異なる見方があることは正常なことだ
…」だって!

21世紀になっても、正常な人を投獄してしまう国…恐ろしい!

もう一つは、
「11月予定のダライ・ラマ14世の来日に対し、
中国政府が日本側の招聘自体を取りやめるよう要求…」

いつものことながら、
腹立たしさを通り越し、呆れてしまう…

| | コメント (0)

なぜ衝突ビデオを公開しないの?

尖閣諸島付近に、中国の監視船が航行しているとのこと…

領有権などお構いなしに、竹島が韓国に占拠されているように、
尖閣諸島も、南沙諸島と同じく事実上は中国に占領されているようです。

ところで、初歩的な疑問なのですが、
なぜ衝突時のビデオを公開しなのでしょうか?

CGでは説得力はないですよ。
シーシェパードの時のように、ビデオを見れば一目瞭然では?
全く理解出来ません。

日本のメディアが韓国と在日コリアンに牛耳られている(?)ように、
日本は中国の傀儡国家になってしまったの?

真実を見せられても、
「捏造だ!」と逆ギレされ、更に関係が悪化するから?
それとも、実は日本側に公開できない不利な点があるのでしょうか?

経済が飛躍的に発展しても、その恩恵に与れるのは極々わずか、
ほとんどの国民は、革命以前と同様搾取され、
まともな教育も受けられないでいるのです。

いえ、格差に関係なく、間違った教育を受けている国民全体こそが、
被害者とも言えるのかも知れません。

だから「古地図が証拠、魚釣島(尖閣諸島)は中国のものだ!」
などと鬼の首を取ったかのごとく、雄叫びを上げているのでしょう。
盗人猛々しいにも程があります。

それじゃ、ヨーロッパはどうなるの?植民地は…?
そんな低レベルな主張をしていると、世界中の小学生に笑われますよ。

| | コメント (0)

『真実』

20100927 『真実』
~日中、二つの国の天と地~
李 珍/著
講談社

9ポイント(たぶん)の2段組み、319ページ、
でも、とても読みやすく、1日で読めました。

が、これは自伝なの?…それとも私小説?
と思えるくらい、波瀾に満ちた青春時代だった著者。

10年間日本に留学していた父、母は、日本生まれ日本育ちの華僑の娘、
文革時代は、両親が日本と関わっていたことで家族は迫害を受け、
紅衛兵になれず両親を恨んだ姉…

ワイルド・スワンほどのスケールはありませんが、
日本人が決して経験しない青春時代を送った著者ならではの、
当時の中国を垣間見ることが出来て、面白かったです。

実力とは関係なく、コネだけがものを言う中国、
そんな中国を批判し、コネによって登用される人達を軽蔑していても、
彼女自身も、強力なコネにより今があることには気付いていないのでしょうか?

率直な反面、身内を自慢し、自画自賛を繰りかえしているところが、
謙虚を美徳とする日本人の私は、共感できませんでした。

途中思いがけなく表れた、S学会のI・D氏とS大学の文字にドキッ…
彼女の夫は樋口勝さん…急に冷めてしまったことを白状します。

ともあれ、1982年に26歳で来日した彼女ですが、
来日後について述べられていないのが残念です。

あれ程憎悪し恐怖感を抱いていた資本主義国家で暮らし、
正直な感想を、是非とも知りたかったです。

|

中国という国

中国人や元中国人が著した本を読むと、
嫌と言うほど、文化の違いに気付かされます。
(文化だけでなく、価値観や道徳観も…)

さすが中国4000年、見た目は似ていても、
島国の日本人など比較にならないくらい強かです。
(これは韓国人にも言えることですが…)

中国(韓国も)では、ルールなど建て前に過ぎず、
得になるなら「嘘」は当たり前、「誠実」は愚か者、「謙虚」は卑屈…

また、どんなに実力があっても、コネが無い限り、道は開けないようです。
コネだけでなく、賄賂も常套手段…

本当に恐ろしい…政治も教育も…
誠実を美徳とする日本人なんか、赤児の手を捻るようなものなんでしょう。
日本の政治家が、太刀打ち出来る筈はありませんよ。

|

中国船長釈放

きのうの「中国船長釈放」のニュース…
呆れ果てた、と言うか、情けないと言うか…

でも、いつものように、結局はそうなるだろうと予想はしてましたが…
「地検が独自の判断」と言っても、そんなの信じる人はいませんよ。

先日、香港の地図収集家が、
「尖閣諸島は歴史的に中国の領土だと証明する古地図を所持している」
というニュースがありました。

古地図には、
尖閣諸島を示す釣魚島を、福建省地域の方言で表記されていたことから、
中国メディアは、
「中国人が先に島を発見して名付けたことを証明する証拠だ」とし、
よって、「歴史的に中国の領土だと証明出来る」…
あまりにも幼稚過ぎて、可笑しくなってしまった。

最初に発見した人のものなら、アメリカはイタリアのもので、
チベットも樺太も、中国のものではないことになるわけです。

尖閣諸島は、1951年のサンフランシスコ条約で日本の領土が確定していて、
中国発行の地図でも、1970年代までは日本領と明記されていたそうです。

領有権を主張し、子ども達にも教育という名の洗脳をし出したのは、
尖閣諸島周辺の海底に大量の地下資源が存在すると確認されてから…
まるで、海賊…恐ろしい国。

船長は釈放され、戻れば英雄扱いになるのかも知れません。
日本は、中国政府から謝罪と賠償を請求されるとのこと、
逮捕された4人の日本人は死刑になるのでしょうか?

資源のない国は弱い…大丈夫なの?この国は…
日本も、台湾やチベットのようにされてしまうような気がしてきました。

| | コメント (2)

「シタフォードの謎」(アガサ・クリスティー)

記録的な「猛暑・酷暑・残暑」だった今年の夏…
「暑さ寒さも彼岸まで」とは言っても、例外だってあるでしょう。
と、思っていましたが、先人の言葉って凄いですよね。
お彼岸の翌日の今日は、涼しいを通り越して寒いくらいなんですから。

それはさておき(こればっかり)、
ミス・マープルの「シタフォードの謎」(The Sittaford Mystery)の録画ですが、
たった今、見終わりました。

始めから終わりまで、いかにもミステリーな雰囲気、
集中力の乏しい弱い私は、何が何やら分からぬ朦朧状態で見ていましたが、
根拠もないのに、“この人、怪しいのでは?”との勘が当たってました。
たまたまですが…
余談ですが、
エミリーという女性、ちょっと前の国生さゆりさんに似ていたような…?

ところで、ミス・マープルを見ていて、いつも感心するのは、
編み物のシーンなんです。

実際に編んでるのか、それとも編んでる振りなのか確認出来ないのですが、
もし編んでるとしたら、手元を見ずにあんなに早く編めるのですから相当です。
(しかも、私には出来ない「アメリカ式」で…)

先日の「動く指」の中でも、毛糸の「かせ」を両膝に掛けて巻き取っていましたが、
「カセ」の毛糸で編み物した経験の無い人とは思えないほど自然でした。
きっと、ジェラルディン・マクイーワンさんは編み物上手なんでしょうね。

ちなみに、ジョーン・ヒクソンさん版の「ミス・マープル」を、
ニコニコ動画で見たことがありますが、編んでるシーンは少なく、
上手とも思えませんでした。

|

「動く指」(アガサ・クリスティー)

きのうは、この夏で一番暑い日だったとのこと…
秋分の日の今日は、雨が降ったり止んだりの一日、
でも、室温は33℃もあります。

それはともかく、ミス・マープル「動く指」(The Moving Finger)見ました。

自然に囲まれた長閑な暮らしは理想ですが、
リムストック村のような、噂話や悪口しか話題の無い人達と、
ご近所付き合いしなければならないなんて、私には耐えられないわ。

ところで、腑に落ちないのは、
拳銃自殺を遂げたアップルトン大佐の葬儀に参加するために、
リムストックに滞在していたミス・マープルでしたが、
「大佐は自殺するようなタイプじゃない」と言っていたのに、
事件の真相が解明されたのちも、大佐の死因については、
一切触れずじまいだったのはなぜ…?
(きっと見落としてるのね…)

|

中秋の名月。

まんまるのお月さまですよ~

うさぎさんが見えますか…?
それとも、なにか別のものが見えますか…?

20100922b
家の庭で撮りました。(拡大します。)

|

「親指のうずき」(アガサ・クリスティー)

今夜は十五夜…

私の部屋、今日は、36.5℃にもなって…
暑さ寒さも彼岸まで、も、今年は通用しないみたいです。

それはさておき、
きのうは朝から頭痛が酷く、本当は早く寝るべきだったのですが、
録画しておいたミス・マープルの「親指のうずき」(By the Pricking of my Thumbs)
を見てしまいました。
しかも、深夜の12時過ぎから…

ファレル・セント・エドマンドの村人たちは、誰もがいわくありげで、
犯人の予想は不可能でしたが、
私は、司祭の妻のネリー(メガネの女性)が怪しいような気が…

犯人とは別に、私が気になったのは、アルコール依存症のタペンスと、
連れ去られたまま、生死さえ分からないミセス・ランカスターのこと…

いつもながら予想もしなかった結末でしたが、
多くの愛があってジーンとなりました。

フィリップ卿&妻、恋人たち(ローズ&クリス)、タペンス&トミー夫妻…
タペンスも、アルコール依存症から抜け出すことが出来たことでしょう。

|

「スリービング・マーダー」(アガサ・クリスティー)

録画しておいた「スリービング・マーダー」(Sleeping Murder)見ました。

予想通り、何が何だか、さっぱり分からなかったわ。
登場人物が多く、人間関係も複雑で…(ノータリンですから。)

しかも、途中で睡魔に襲われてしまって、チンプンカンプン。

結局、犠牲者は何人…?
グエンダの父も同じ人の犯行…?

ラストで、婚約者の部下がプロポーズしていましたが、
肝心の婚約者はどうしたの…?

もう一度見ないと駄目みたいですね。
でも、疲れるわ。

一番印象に残ったのは、グエンダのパールのネックセスでした。
高価な大粒のものより、あの位の方が、上品で好感が持てますね。

|

犯人が判らない…

先週から、アガサ・クリスティーを放送していますね。

先週は、「名探偵ポワロ」の、「マギンティ夫人は死んだ」「鳩のなかの猫」
「第三の女」「死との約束」でした。

今週は、「ミス・マープル」2の、「スリーピング・マーダー」「親指のうずき」
「動く指」「シタフォードの謎」、
来週は、シリーズ3の、「バートラム・ホテルにて」「無実はさいなむ」
「ゼロ時間へ」「復讐の女神」です。(8作品とも再放送)

私は、ミステリー好きとは言えませんが、
当時の雰囲気(ファッションやイインテリア)が好きで観るのですが、
いつも犯人が判らなくて、頭が悪いのを実感してしまいます。

ポワロでは、「鳩のなかの猫」だけを見ましたが、
何となく怪しく感じてた人は、いつも通り外れ…
謎解きを聞いても、そうだったの?と言う感じなんです。

で、もう一度見て、ようやく納得出来る始末、
(犯人が判っているので、つまらない…)

日本のサスペンスドラマは、出演者を見ただけで、
誰が犯人かが判ってしまうと聞いたことがありますが、
海外ドラマは、俳優への先入観がないですから…。

今週のミス・マープルは観てないので、忘れない限り録画するつもりですが、
きっと犯人は判らないでしょうね…。
(原作を読むのは、敢えて止めました。)

| | コメント (2)

ことば遊び

『泉麻人のなつかしい言葉の辞典』には、
昔の子どものことば遊びや替え歌が載っていましたが、
私が感心したのは、「王、金田、広岡、吉田」という語呂合わせです。

これ、「おお、カネだ、拾おうか? ヨシだ(良し(OK)、又は、よしな(止めろ))」
という語呂合わせで、
「川上に長島しょう(流しましょう)、柴田(しまった!)」のオプションもあるそうです。

こういうの昔は沢山ありましたよね。
替え歌では、
「灯りをつけましょ仏壇に お花をあげましょ菊の花…」

「もういくつ寝るとお正月 お正月にはモチ食って
お腹こわして死んじゃった 早く来い来い霊柩車」

「年の始めの例とて 終わりなき世の めでたさを
松竹(まつたけ)でんぐり返して大騒ぎ 芋を食うこそ屁が出るぞ」
…他にも色々ありました。

替え歌以外では、
「ソーダ村の村長さんが ソーダ飲んで死んだそーだ
葬式饅頭でっかいそーだ…」
「みっちゃん みちみち…」とか…(私もみっちゃんで…)

どうも下ネタ(汚物系)と、死やお化けに関する言葉が多かったみたいですが、
きっと全国には、少しずつ違った色んなパターンがあるのでしょうね。

それから、前後の言葉は忘れましたが、
「…馬から落ちて落馬して…」という重複表現の言葉遊びもありましたね。

こういう言葉遊びって、今の子どもたちの間にもあるのかしら?

|

『泉麻人のなつかしい言葉の辞典』

20100918 『泉麻人のなつかしい言葉の辞典』
泉 麻人/著
佐伯克介/画
三省堂

著者とは、多少(大分?)歳は違いますが、
私にとっても懐かしい言葉が多かったです。

目から鱗の語源と、少年時代のエピソードが綴られていて、
思わすクスッとしてしまいました。(挿画もいかにも懐かしい)

最初は「アカデンブ」、これ、うちの方では「桜でんぶ」と言うのですよ。
「桜ごはん」「桜ぼう(麩菓子」「桜でんぶ」…余程、桜が好きなんでしょうね。
でも、私の子どもの頃は、みんな「おぼろ」と言ってましたが。

泉さんのお母さま同様、私の母も、人工着色料や人工甘味料を避けていたので、
我が家の食卓には登場しませんでしたが。

そのせいなか、他所で「おぼろ」がのった「五目ちらし」など出されると、
あの不自然なピンクが、気持ち悪く感じて…
食事に、甘いというのも嫌でした。

「グリコ・チョコレート・パイナップル」(グリコ・チコレト・パイナプル)
「傷痍軍人」(“ちょっと不気味だった”そうですが、私には“恐怖”でした。)
「肝油」「ひまし油」「おたんこなす」「とんま」「百貫デブ」「幻灯会」「グレン隊」
…みんな死語ですか?

全部で60語ありましたが、中には知らない言葉も、ちらほら…
年齢の違いなのか、地域の違いなのか、
それとも、たまたま聞いたことが無いだけなのかも知れませんね。

|

“鬱”という字

憂鬱の「鬱」という字、読めても書けない人が多い字ですよね。
私も、きのうまでは書けませんでした。
練習したことさえ無かった気がします…

でも、ゆうべ、「みんなでニホンGO」という番組を見たお陰で、
今はしっかり書けるようになりましたよ。

幾つか紹介していましたが、私は、
『書けない漢字が書ける本』(角川新書)の著者で、高校教師の根本浩さんの、
「憂鬱なリンカーンアメリカコーヒー3杯飲んだ」
という語呂合わせで覚えました。

「リンカーン」は、の間に
「は」、(ワ)
「アメリカ」は、(米印)
「コー」は、を倒す、
「ヒーは」、
「三杯」は、

どうですか…?

もう一つ、
挨拶」という字は、
「挨拶代わりに両手回食っ
です…

私は、中学か高校か忘れましたが、国語の先生から、
を付いてムヤクタ」と教わりました。

挨拶する時は、
「手をついて(手偏)、ム()、ヤ()、ク(を三つ)、タ()」
と、口の中で言うから…

こっちの方が覚えやすいでしょ?

|

「“テロリスト”と呼ばれて」

先日のNHKスペシャル「“テロリスト”と呼ばれて」を録画したのですが、
見る元気がなくて…でもようやく見ました。

9・11同時多発テロ直後、ブッシュ政権は「テロとの戦い」を掲げ、
キューバの米軍基地内にグアンタナモ収容所を設置。

テロリストとの関係を疑われた世界48ヶ国779人のイスラム教徒が
多額な報奨金欲しさから密告され、不当に拘束されたのです。

長期にわたる拷問から、精神に異常をきたしたり自殺した人も…

拷問による取り調べにより、テロと関係ありと認定されたのは779人中僅か4人、
ある日突然、理由も告げられずに釈放された人達に、
一切の謝罪も保証も無い…

釈放が決まっても、帰る場所さえない人達もいるそうです。
全くの無関係なのに、テロリストの烙印を押されたことで、母国へ戻れない人も。
戻っても、就職はおろか、身の安全さえ保証されないからです。

2009年1月22日、オバマ大統領は、一年以内に収容所の閉鎖を決定、
しかし今も閉鎖されていない状態。

グアンタナモ収容所は反イスラムの象徴となり、
それまでアメリカを支持していたイスラム教徒までもが、憎悪を抱くようになり、
元収容者の中には、逆にテロ組織に加わってしまった人もいるとは皮肉です。

「テロ対策」「自由と民主主義を守るため」は、大義名分に過ぎないのでは。
「湾岸戦争」がアメリカによって仕組まれた戦争という陰謀説があるように、
9.11同時多発テロについても、アメリカの自作自演説があります。

不明瞭な点や矛盾があまりに多く、私も疑惑を抱く一人です。
地球上から戦争が無くなったら一番困るのはアメリカでしょうから。

| | コメント (2)

『あゝ野麦峠』

20100915 新版『あゝ野麦峠』
~ある製糸工女哀史~
山本茂実/著
朝日新聞社

山本薩夫監督といえば、原作を読んでいたこともあって、
30年くらい前に、『あゝ野麦峠』を見に行きました。

政井みね役は大竹しのぶさん、兄の辰次郎役は地井武男さん、
工女仲間には古手川祐子さん、友里千賀子さんなどが出演されていました。

詳しくは覚えていませんが、あの頃の大竹しのぶさんは、今とは違ったイメージ…
30年以上も経っていますから、当然と言えば当然ですが。

飛騨から野麦峠を越え諏訪の製糸工場へ向かう少女たち、
労働基準法などない時代、過酷な労働によって結核に罹って追い出されたり、
器量好しゆえに暴行され自殺した少女も…

原作は小説ではなくて、元工女を取材したノンフィクションです。
元工女たちの思い出は辛いものばかりではなく、
熟練工としての腕や高額を稼いでいたという自負も感じられました。

労働時間14時間前後という現代では考えられない労働条件ながら、
当時の貧しい暮らしに比べたら、必ずしも酷いものとは言えなかったようで、
非常に粗末な寄宿舎の食事も、故郷での食事に比べたら贅沢で、
弟妹たちに食べさせてやりたいと思うほどだったようです。
高給を稼ぐ優秀な工女たちは、当時のキャリアウーマンだったかも知れません。

資料として
「糸ひき唄」「明治前半の生糸輸出」「就業時間」「製糸工女賃銀台帳」
「出稼工女・工場・工賃調べ」「工女病症調べ」「工女教育程度調べ」
「工女の教育程度」が掲載されています。

| | コメント (0)

嫁姑

小説『荷車の歌』の主人公セキは、ひどい嫁いびりを受けていました。

例えば、食べ物を家族と差別され、しゃもじも持たせて貰えず、
夫に言われて味噌樽の蓋を開けただけで罵られ、しかも夫は母親の言いなり、
最低限の権利などあるはずもなく、まるで家畜のように働かされる…

どんなにヒドイことを言われても、言い訳など以ての外、
姑がこの世からいなくなる日まで、ただひたすら耐えるのみ…

昔のお嫁さんは大変でした!
いえいえ、今だってお嫁さんは大変ですよね。
(…大変なのはお嫁さんだけじゃ無いわ。と言われそう…)

私は、嫁にも姑にもなっていないので、言う資格はないかも知れませんが、
母親というのは息子の愛を奪った嫁に嫉妬し、嫁の若さが癪に障り、
どんなお嫁さんでも入らないじゃないかしら?

自分より弱い立場の相手に、関係ない日頃の不満までをぶつける。
嫁いびりは、まさに弱い者いじめで、ストレス解消…

実の母と娘でさえ、言葉の行き違いや無神経な一言から、
誤解したり不愉快な思いをしたりしますよね。

私は子どもの頃から、親に対しても、反論したい気持ちを抑え、
夜になってから、布団の中で声を押し殺して悔し泣きしたこともありました。

それでも、「そういう人だから仕方ない」と自分に言い聞かせてしまうのですが、
これがもし嫁姑だったなら、そう簡単には割り切れないでしょうね。

話が逸れました。
例外もあるんですよ。
母(87歳)によれば、私の母方の祖母(もちろん故人)は、
お姑さん(母の祖母)が、とても温和しくて優しい人だったので、
姑の苦労はしなかったそうです。

祖母も、幼い時、母親と死別していたので、
それも関係あるかも知れませんが。

一緒に暮らしていれば、子ども心にも伝わるのでしょうが、
ただ、当事者に聞いてみないと分からないことも…

それにしても、嫁、姑、どちらも嫌な字ですよね。

|

cool japan 医療(Medical Service)

「長寿国日本」を支える日本の医療制度。
WHOが実施した「治療にかかる費用の公平性」「患者の意思や立場の尊重」
「施設の整備具合」などを評価する「健康達成度の総合評価」において
日本は世界一の評価を得ている…
”番組HPより

日本の医療しか知らない私は、驚くことばかり。
日本では病院を選べますが、外国では選べないとか。
診察券も外国には無いみたいでした。

と言うことで、千葉県鴨川市の「亀田病院」を紹介。
ホテルのようなロビーや、素早い対応、電子カルテ、分かり易い処方箋、
病棟がまた凄い、買い物までしてくれるコンシェルジュ、
病室はトイレ・シャワー付き、コンピューター設置でメニューも選べる…

でも、“これぞ日本の病院、クールでしょ!”と胸を張ってもねえ、
ここは特別、驚くのは外国人だけじゃないと思いますが…

ノットクールは、薬が多すぎること。確かにそうですよね。
でも仕方ないですよ、やっぱり「医は算術」なんですから。

とはいっても、同じ盲腸炎の手術費用を比較すると、
日本の場合は、約40万円(4泊5日)、ロンドンは、151万円(2泊3日)、
サンフランシスコは、250万円(2泊3日)、ジュネーブは、297万円(3泊4日)…、
(いずれも保険なしの場合)、
この数字を見せられると、保険料が高いと文句なんて言えない感じですね。

次に紹介されたのは、まるで宇宙船のような秋葉原の献血ルーム。
こんな献血ルームも特別…
日本中がそうではないですから外国人のみなさん間違えないで。

でも、日本は献血で血液検査もして貰えるから良いですよね。

ところで、スタジオの外国人のほとんどが、
来日するまで、自分の血液型を知らなかったそうです。

日本はハイテクの国なのに、21世紀になっても血液型で性格まで決め付けられ、
差別やいじめまで起こるのだから情けないですね。

最後に紹介されたのが胃カメラ。
60年も進化し続ける内視鏡、物作りに対する執念とも思える努力と情熱、
素晴らしいの一言でした。

「病院のコンジェルジェ」「診察券」「処方箋」「献血ルーム」「胃カメラ」、
ベストオブクールは「胃カメラ」、納得です。

|

『荷車の歌』(5)…小説

20100912 『荷車の歌』
山代巴/著
山代巴文庫 第2期・3
径(みち)書房

<目次>
くまごの話から
巡礼
ほら穴の握り飯
ツル代とオト代の孝行
心の虫
ナツノの心の虫
受難つづき
棟木の雪駄あと
気楽な家
さかだつ鱗
妾とともにいて
最後の宝
--------------------------------------------
映画『荷車の歌』(山本薩夫監督)に感動された方には原作をお薦めします。
原作は、1955年「平和ふじん新聞」に連載された山代巴さんの小説ですが、
主人公セキは、広島県に実在した日野イシさんという女性がモデルで、
イシさんの写真も載っていました。

セキは明治27年(1894)に15歳…
多分、明治10~11年頃の生まれなのでしょうね。

舞台が広島県の山村なため、会話の意味が解りにくかったのですが、
ユニークなのは、セキと、夫の茂市だけが、「さん付け」で書かれていること。
こういう小説、初めて読んだ気がする…

セキは16歳(数え年?)の時、周囲の反対を押し切り、親から勘当されながらも
風呂敷包み一つ(大きさは分からない…)で茂市と結婚、
姑の嫁いびりに耐えながら、夫と共に荷車を引き、
5女3男(長男辰男は4歳で夭折)を産み育てました…

(長女・ツル代、次女・オト代、長男・辰男(夭折)、次男・虎男、三女・トメ子、
四女・スエ子、三男・三郎、五女・フク子…映画では5人でした。)

映画と違って小説では、セキの人生はもっと悲惨でした。
姑の嫁いびりも酷く、茂市も、非常に自己中心的な夫でした。
それでも、当時の男性としては、マシな方だったのでしょうが…

セキにしても、映画のような母ではなく、
姑に執拗に苛められてる次女・オト代を庇うこともしなかったし(出来なかった)、
自分は、親に勘当されてまで、好きな人と結婚したのに、
長女のツル代の縁談を、本人に相談もなく決めてしまったのです。
ツル代には心に決めた人がいたというのに…

映画では出征した三郎が脱腸で帰された時、世間体を気にする茂市から庇い、
家にあげてやりましたが、小説では一切口出しをせず、家に入れなかった…

また映画では、夫が連れ込んだおヒナを、三郎が追い出してましたが、
小説では息子は父を支持し、居続けたヒナの最期をセキが看取ったのです。

自分が、どんなに姑から理不尽に虐められたとしても、
自分もその年になると打算が働き、世間体を気にするようになるのです。
結局、人間は、視点が変わると考え方も変わるということなのでしょうか?

女の子ということで、生まれた我が子を抱きもしなかった茂市でしたが、
それでも、人並みの愛情はあったのです。
原爆投下後、広島に住む長女(映画ではスエ子)一家を案じ、
三日三晩歩き回って捜したことで白血病になり、亡くなったのでした。

家父長制の時代では、女に生まれたのが不運、
女と言うだけで虐げられ、生涯、我慢と忍耐を強いられたのですが、
いつの世にも例外はいるもので、次女・オト代(映画では長女)の、
明るく活発で、前向きな生き方には感動しました。

労働シーンや米騒動など、いかにも山本薩夫監督らしい作品なのに、
映像的にはとても幻想的で、民話の世界を観ているような感じさえ受けました。
半世紀も昔の光景だからでしょうか…?

| | コメント (2)

『荷車の歌』(4)

山本薩夫監督の『荷車の歌』、忘れないようカレンダーにメモしておいたので、
録画し観ることが出来ました。

小学生の時に観た、微かな記憶というのは、やっぱり当てにならないものですね。
漠然としたイメージは残っていて、ストーリーもそれなりに覚えてましたが、
「あっ、そうそう!」という場面は一つも無かったです。

お弁当のシーンも、思い出の中のイメージとは違っていて、
出産前後のことなどは、無かったです。(違う映画だったのかも…)
泣けたシーンも、同じだったかどうか分かりません。
何しろ幼くて、それに半世紀以上も経っているのですから仕方ないですよね。

一ヶ月前に原作を読んだのですが、設定が大分変えられていました。
子どもは8人で(長男は夭折)だったし…

原作は、人物像も状況も酷かった…
映画の方が救いがありましたね。

ところで、主役を望月優子さんと三國連太郎さんが、
娘役に左幸子さんが出演していたことは知ってましたが、
左幸子さんの少女時代を、妹の左時枝さんが演じていたのは知らなかったです。

その他に、奈良岡朋子さん、浦辺粂子さん、西村晃さん、
佐野浅夫さんも出演されていたのですね…

|

箸を使うのは日本だけじゃないですが、日本の箸は素材もサイズも多く、
男性用、女性用、子供や幼児用、携帯用、来客用、割り箸、取り箸用など、
色んな種類がありますよね。

しかも日本では、かつての銘々膳の影響から、箸だけでなく、
御飯茶碗や湯飲み茶碗も、自分専用が決められていますが、
(うちでは、お茶漬茶碗、グラス、マグカップも)
他のお箸を使っている国ではどうなのでしょう…?

それらの国でも、箸や食事に関するタブーやマナーがあるでしょうが、
日本ほど多い国は無いような気がします。

例えば、「迷い箸」「探り箸」などの忌み箸が沢山あって、
箸から箸へと渡す「合わせ箸」は、日本人なら絶対(?)やらないと思います。

食事のマナーといえば、中国などの食事風景を、TVで観ていると、
大人でも食卓に肘を付いて食べていたり、
御飯茶碗を口に当て、かき込んて食べているので、
日本の基準で見てしまって、お行儀が悪いと感じてしまうのです。

でも、それ以上に違和感を覚えるのは、料理を直箸で取って、
他の人のお茶碗の御飯の上に乗せてあげる行為なんです。

それが、おもてなしの形と知っていても、潔癖症気味の日本人(私)には
抵抗感を感じてしまうのではないでしょうか?

こういうことを言うと、外国の人たちから、
「日本って、ホント面倒くさい国だね~」と思われてしまうでしょうね。

|

『中国人の胃袋』

20100909 『中国人の胃袋』
~日中食文化考~
張 競 /著
[バジリコ株式会社]

[目次]
1 鳳凰を食べる国
2 食の歳時記
3 中国・日本・韓国の食卓から
4 酒三題
5 食から見た中国の歴史
6 食べるは楽し、作るもまた楽し
----------------------------------------------------------

驚きました!
「中国人は4本足は机以外、飛ぶ物は飛行機以外、
水中の物は潜水艦以外食べる」というジョークを聞いたことがありますが、
これ程までも食文化が日本と違うだなんて…

『水滸伝』の英雄たちの、異常なまでの健啖家ぶりは、さておき、
日本ではペットの動物、爬虫類、昆虫など、ゲテモノを食すことが男らしい証しで、
男性ならスイカを一度に半分を平らげ、少食と言うだけで破談になるといいます。

1953年生まれの著者が、留学のために初来日した時、刺身どころか、
生野菜にも驚いたそうで、トンカツに添えてある千切りキャベツも鶏の餌…

そもそも中国にはサラダという発想がなく、
真夏にキュウリやトマトを丸ごと食べるのも、
体を冷やす食物と信じられているからで、惣菜ではなく果物感覚なんだとか。

猫にさえ生魚はやらない、
生魚を盗んで食べてしまった猫は、30分以内に吐いてしまう…

これには、つい、「鮮度が落ちていたのでは?…汚染していたのでは?」
と…中国の人達から「偏見だ」と叱られそうですが。

「ラーメンは日本が一番美味しい(中国は別として)」には嬉しいですが、
「日本人が粗食なのも驚いた、
サラリーマンが、猫も喰わない焼き魚定食を食べている…」
これはちょっと悲しい、中国の猫は、余程グルメなんでしょうね。

同僚のペットにも食欲が湧いて困った著者、
カエルのの鳴き声に歓喜したのも、あくまで食料として。

また、犬がどれほど美味しいかを力説し、
「嘘だと思うなら今夜食べてみて」と言われても絶対無理ですから。

日本人は少食、確かにそうでしょう。
柏原益軒じゃないけれど、「腹八分目に医者いらず」という考え方があって、
少食はケチだからではありませんよ。
もっと食べたいところを、健康のためと思って我慢しているだけなんです。

「医食同源」の中国、このような食生活を送っていることが不思議です。
中国での、生活習慣病の罹患率はどうなってるのかしら?

もっとも、現在の中国は、この本に書かれているものとは大分違うようです。

読んで食欲が湧いた人、げんなりした人、私は当然後者。
日本人が通常口にしない食材の調理法に、かなり退いてしまって…
でも、「酸梅湯」は味わってみたいと思いました。

|

アボンリーのDVD

今日は白露、少しだけ秋らしくなりましたが、
これも台風の影響で、明日からまた暑さが続くらしい…
明日は重陽の節句でも、本格的な秋は、もう少し先のようですね。

ところで、最近、偶然知ったのですが、
「アボンリーへの道」のDVD(SEASON 3)が発売されるようです。

私は再放送の時に録画したので、購入しませんが、
SEASON 1、2同様、高いですよね…
(ノーカット、副音声日本語字幕付きだったら買いますが)

それからもう一つ、アボンリーの情報を…
どうも2011年に、LaLaTVで全シリーズ放送されるらしいのです。

もしそれが本当ならば、
もうNHKでの再放送は無いということでしょうか…?

全シリーズということで、気になるのが、
再放送の際の欠番の、「あこがれの人」と「イライザおばさんの訪問」です。

とは言っても、うちはLaLaTVを観ることが出来ないのですよね…。 

------------------------------------------------------

「アボンリーへの道」 SEASON 3 DVD-BOX
「Amazon」
ディスク枚数: 4
販売元: NHKエンタープライズ
DVD発売日: 2010/11/26
時間: 572 分
参考価格 ¥ 19,740
価格    ¥ 14,607

「7net」
メーカー希望小売価格 19,740円
販売価格 15,200円
制作年度 1990~1996
制作国  カナダ
出演者  サラ・ポーリー 、ジャッキー・バロウズ 、マグ・ラフマン
原作   ルーシー・モード・モンゴメリー
音楽     ジョン・ウェルズマン
時間     約 572分
収録タイトル  第27話~第39話を収録
色彩     カラー
リージョン   2
字幕     日本語
通常特典     インフィニケース(デジパック)+化粧箱

|

新美南吉

新美南吉は、宮沢賢治の次に好きな童話作家です。

宮沢賢治の作品は、国籍不明でファンタジックな雰囲気、
そして哲学的でもありますが、
新美南吉は、素朴で暖かくホッとさせられます。

29歳で亡くなるまでに、『おぢいさんのランプ』『ごん狐』『久助君の話』等々、
多くの作品を残していますが、私が一番好きなのは、『てぶくろを買いに』です。

ところで、『名著復刻全集 日本児童文学館』(ほるぷ出版社)の
『おぢいさんのランプ』を読んだ際、それまでと違った印象を受けたのでした。

実は、新美南吉の作品に書かれてあった、
「軍艦」「戦闘」「兵隊」といった戦争に関する言葉が、改ざんされているのです。

例えば、『うた時計』の中には、
「…どういう字書くんだ。連絡の連か」という表現がありますが、
元は、「…どういふ字書くんだ。聯隊の聯か。」なのです。

作家の許可も得ずに、そんなこと許されるの?
と憤慨したのですが、これには時代的な背景があったのです。

巽聖歌によれば、戦時下では、戦意高揚する以外のものは、
発表出来なかったのですが、戦後は逆転し、
厳しいGHQの追求によって、軍国主義的表現の訂正削除を、
余儀なくされたのだそうです。

最近出版されたものは、どうなっているのでしょう?
想像ですが、改ざんされたままのような気がします。

童話に、兵隊や軍艦があってもいいじゃないの?
日本も、戦時下だけでなく、戦前戦後においても、
表現の自由が無かったことを、子ども達に教えるためにも…

20100907 20100907b 20100907c
『新美南吉童話全集』 大日本図書
(毎日出版文化賞 サンケイ児童出版文化賞 受賞)
第一巻『ごんぎつね』
  「幼年童話~五十篇~」「ごんぎつね」「正坊とクロ」「張紅倫」「のら犬」
  「丘の銅像」「てぶくろを買いに」「名なし指物語」
 <付>「童謡~四十六篇~」
  作品解説/巽 聖歌
  南吉童話解説/與田準一
  新美南吉・略年譜
第二巻『おじいさんのランプ』
  「おじいさんのランプ」「百姓の足、坊さんの足」「花のき村と盗人たち」
  「牛をつないだつばきの木」「ごんごろ鐘」「和太郎さんと牛」「最後の胡弓ひき」
  「鳥山鳥右エ門」「(劇)病む子の祭」「(劇)ランプの夜」「(劇)春はなし畑から」
  「(劇)ガアコの卒業祝賀会」「(劇)千鳥」
  作品解説/巽 聖歌
  南吉童話作品解説/坪田穣治
第三巻『うた時計』
  「久助君の話」「川」「嘘」「屁」「貧乏な少年の話」「草」「耳」「空気入れ」「決闘」
  「鯛造さんの死」「おしどり」「うた時計」「狐」「かぶと虫」「いぼ」「(絶筆)天狗」
 <付>童話における物語性の喪失/新美南吉
  作品解説/巽 聖歌
  南吉童話における児童心理/波多野完治

『おぢいさんのランプ』 棟方志功/装幀・挿畫
(名著復刻全集 日本児童文学館 ほるぷ出版社)
  「川」「嘘」「ごんごろ鐘」「久助君の話」「うた時計」「おぢいさんのランプ」
  「貧乏な少年の話」

『牛をつないだ椿の木』 巽 聖歌/解説 角川文庫
  「張紅倫」「正坊とクロ」「ごんぎつね」「てぶくろを買いに」「病む子の祭」
  「久助君の話」「川」「嘘」「うた時計」「屁」「ごんごろ鐘」「和太郎さんと牛」
  「花のき村と盗人たち」「おじいさんのランプ」「牛をつないだ椿の木」

|

「幸せな結婚式」(最終回)…felicity & Gus

ガスと再会出来たフェリシティは、スチュワートとのことを打ち明けます。

9101 9104 9105 9106

Felicity   「あなたに…言わなきゃならない事があるの。
            でも、切り出す勇気が無くて…」
Gus        「後悔してるのか?」
Felicity   「違うわ。後悔なんかしてない。
             シャーロットタウンで言った事は、全部、本心よ」
Gus        「…じゃあ?」
Felicity   「…ただ…話して無いことが…」
Gus        「す、座って、いいかな…よし、言ってくれ」
Felicity   「…ガス、あなたは死んだんだと、みんなが言ったわ。
             …その時、あたしも死んだの。
             何年も、ずっと、このうちに籠もって、
             誰とも、まともに話もせずに…
             ある日、哀れに思った神様が…友達をくれたわ。
             …その人は、あたしを、生き返らせてくれたの」
Gus        「誰なんだ?」
Felicity   「…スチュアート・マクレー…
            ガスは知らないわ。新しく銀行に来た人で、彼と婚約したの」
Gus        「…愛してるのか?」
Felicity   「…ガス…愛とは違うのよ。
            …よく分からない…救ってくれた人なの。
            ただ、死ぬのを待っていただけの、あたしを…」
Gus        「なぜ、言わなかった!?」
Felicity   「…言ったら、帰って来た?」
Gus        「いや!」
Felicity   「だからよ」

9108 9109 9111 9112

「これ以上フェリシティを振り回すな。もう家も建てた。
君が出ていくのが筋だろう」
とスチュワートに言われたガスは、身を引こうと…

Gus        「彼に会った。
            …自分で家を建てたらしいな…俺には出来ない事だ」
Felicity   「そんな言い方、やめて!」
Gus        「解らないのか?俺のせいで、君を不幸にしたくない」
Felicity   「…ガス…」
Gus        「彼は君を…心から愛してる。見えなくても解る。
            …先のことを考えるんだ。一時の感情より。
            俺の事は忘れろ。自由になってくれ」
Felicity    「……」

スチュワートに話も聞いてもらえないフェリシティは、
父から「お前の本当の気持ちを伝えるんだ。それしかない」と言われ、
「前と同じにはなれない」と、婚約指輪を返します。

Felicity   「身を切られる思いで…だけど、言ったわ…」
Gus        「君は泣く時にハンカチを持ってたためしがないなぁ…ほら…」
Felicity   「ありがとう…たまらない気分…」
Gus        「俺からも、一つ、話しておくことがある」
Felicity   「なに?」
Gus        「手術を受けるよ」
Felicity   「ガス!…やめて!…死ぬかも知れないのよ」
Gus        「だが、チャンスはある。止めても無駄だ。もう決めた」
Felicity   「……」

カーモディの病院での手術が終わり、
眠っているガスに話し掛けるフェリシティ…

Felicity   「…あたしが、ついてる。
             これからずっと、そばにいるわ。
             あなたしかいないの。
             最初に出会ったその時から、あなただけだった。
             …覚えてる?…初めて、学校に来た日…裸足で…
             パイプなんか吹かして……あの子に恋したの。
             何もかも終わって…たとえ、目が見えないままでも、
             あなたと結婚するわ。
             ずっと前に、そうするべきだったのよ…」
Gus        「今のが、プロポーズなら…受けるよ」

9113 9114 9120 9121
9122 9127 9129 9130

過酷な運命に翻弄されたフェリシティとガスは、
家族や町の人達に見守られる中、結婚式をあげることが出来ました。

ガスは貯金が無かったでしょうから、手術代や結婚式の費用など、
全てキング夫妻とヘティがもったのでしょうね…結婚指輪も…

出会った頃は、大人と子どもに見えたのに(設定では2~3歳差)、
最終回では、フェリシティが大人っぽくて、
実年齢の歳の差(12歳)を感じさせないくらいお似合いでした。

でも、この二人、夫婦喧嘩が絶えないような気がするのですか…?

関連記事…「幸せな結婚式」

<第7シリーズ>
第91話(最終回)「幸せな結婚式」(So Dear to My Heart)より

| | コメント (0)

cool japan ミュージアム(Museums)

「たばこと塩の博物館」、「日本万華鏡博物館」、「古代エジプト美術館」、
「江戸東京博物館」、納豆、ラーメン、タオル…

地域の特産品から、個人の蒐集家によるコレクションまで、
日本中に存在するユニークなミュージアム…

外国人にとっては、展示方法まで日本独特のようですが、
ノットクールは、ほとんどが有料で、混雑していて並ばなくてはいけないこと。

行列が出来るのも、きっと、日本人が知的好奇心旺盛だからなのでしょうが、
もし無料だったら、尚更混雑して、まともに見られないかも知れません。

島全体がミュージアムという外国人に人気のある「直島」を紹介、
知りませんでした。
行ってみたい気持ちは山々ですが、ちょっと遠遠いで…いえ大分遠い…

最後に仏像の修復の様子をレポート、
韓国では、造られた当時のままの状態で修復するそうですが、
日本は、古くなった状態のままを残すとのことでした。

古さから歴史の経過や時間の重さを感じ取るのが日本の文化とか、
これには、外国人の多くも共感されていました。

「バラエティー豊か」「工夫を凝らした展示」「直島」「仏像の修復」
から選ばれた今回のベストオブクールは、「直島」。

近くでお気に入りは「芹沢銈介美術館」、
お薦めは富士宮の「奇石博物館」…。

「アンモナイト」「菊花石」などの化石や、宝石の原石の他に、
「コンニャク石」「テレビ石」といった珍しい石が見られるので、
子ども連れには最適だと思います。
「石こ賢ちゃん」こと、宮沢賢治のコーナーもありましたよ。

ユニークと言えば、世界の豆本を集めた、小さな個人の美術館がありましたが、
もう無いでしょうね。
行ったのが高校生の頃だったから…

行ってみたいのは、「ボタン博物館」、
でも、どんな美術館でも博物館でも、サッと見る人とは行きたくないですね。

| | コメント (0)

「幸せな結婚式」(最終回)

消息不明だったガスが、フェリシティとヘティに伴われ帰郷すると、
出迎えたキング夫妻は仰天…

デール缶詰工場が焼失したと知ったヘティは、驚き心を痛めますが、
スチュワートに融資を断られ、工場再建を諦めたデール夫妻が、
イギリスに行くと聞くと、「アボンリーを捨てるつもり?」と激怒。

ガスが生きていたことを知ったスチュワートは、
手紙を残し町を去りました。

ヘティたちの励まされ、ガスは僅かな望みを掛けて目の手術を受けます。
フェリシティとガスの結婚式当日、セーラは間に合いましたが、
つむじを曲げたヘティは、出席を断固拒否。

9102 9103 9107 9110
9115 9116 9117b 9118

フェリシティは、ウエディングドレスのままヘティを迎えに行き、
頑固な伯母を説得し連れて来ます。

フェリックスからスピーチを求められたヘティは、
変化に苛立っていた自分を反省し、新郎新婦や愛する人達を祝福しました。

9119 9123 9124 9125
9126 9128 9131 9132

それにしても慌ただしい最終回でした。
詰め込み過ぎじゃないの?

死んだと思われていたガスが戻り、
婚約を破棄されたスチュワートが町を去り、
缶詰工場再建を諦めたデール夫妻がイギリス行きを決心し、
ガスは目の手術を受ける。
ガスとフェリシティの結婚式の日にセーラが戻り、
フェリックスは、海軍に入隊したことを家族に伝える…

スチュワートに取っては最悪な展開でしたが、
どうしても彼に同情できないのですよね…
それに、フェリシティは、なぜ愛してもいない人と婚約したのでしょう?
あれ程、「ガスは死んでない私には分かるの!」と言ってたのに…

ところで、
オリビアが「キング家の財産は、姉弟三人のものよ」
と言っていましたが、ヘティたちは5人姉弟のはず…
セーラの母ルースはともかく、
ロジャー(アンドルーの父)を忘れてませんか?

セーラは今何をしているの?
ペグ・ボウエンはその後どうしているの?
ガスが「一生一緒にいる」と言っていた母イライザは?
セーラたちのいとこのアンドルーは?

7シリーズ、91話と長かった「アボンリーへの道」も、
多くの謎を残したまま、幕を閉じてしまいました。

<名言・他>
「ジャスパー、いいに決まってるわ。
人生は、一度切りなのよ。
大事にしなきゃぁ」(オリビア)

「ヘティ伯母さん!今すぐに、出て来て!
伯母さんが来ないなら、結婚しない!
…駄目よ!あたしの一生で、一番大事な日なの。
考え方の違いを乗り越えて、許し合う事は出来ないの?
だって、家族でしょ?
…家族みんなに、祝って貰いたいの。
…それなら、ウェディングドレスのまま、
朽ち果てるまで、ここで、待つわ!」(フェリシティ)

「皆さん、聞いてください。
今日はまるで、皆さんの顔が、見える様です。
…今日、キング家に、仲間入りしました。
どんな時も、家族と同じ様に、包んでくれた。
一生かけて、恩返しします。
…今日は、どうも、ありがとう」(ガス)

<ヘティの言葉>
「今日、この喜びの日に、一人の勇気ある女性が、私の目を覚まさせ、
大切な事を教えてくれました。
…私はずっと、この町に起きている変化に、一人、苛立っていましたが、
すべては変わって行くのです。
…ああ、そうだわ…町を離れて行く人もいます。
仕方ないことです。
でも、アボンリーはここにある。
ガスとフェリシティは、この町に住み、子供の家を続けてくれますし、
いつか、二人自身の家族を持つでしょう。
多くの若者が、アボンリーを巣立って行くでしょうが、
思い出は、共にあるのです。
人々の、大地の、海の、
思い出は彼らの胸の中で永遠に生き続けるのです。
…それでは皆さん、今日のこの良き日に、
グラスを持って、一緒に乾杯して下さい。
花嫁と花婿に…
友人と愛する者に…
輝かしい冒険を追い求め、たとえ、どこへ羽ばたいて行こうとも、
疲れた時、いつでも帰れる所がある。
世界一美しい、アボンリーの町が…
アボンリーに…乾杯!!」

関連記事…felicity & Gus「幸せな結婚式」

アボンリーへの道<第7シリーズ>
第91話(最終回)「幸せな結婚式」(So Dear to My Heart)より

| | コメント (0)

古き良き時代

思い浮かぶ昔は人それぞれですが、
「古き良き時代」とか、「昔は良かった」などと、軽い気持ちで言っても、
本当にそうなのでしょうか?

二度とは戻れない昔を、懐かしんでいるだけのようにも思えます。
友との思い出が詰まった懐かしいあの頃、
体力もあり、希望にあふれていた…
過ぎ去った日々への感傷に過ぎないような気さえします。

自然が残っていたとか、昔の方が良かったことも、もちろんありますが、
ほとんどの場合、今の方が良いでしょう。

言論や表現の自由があり、男女差別も、貧富の差も、昔より少ないし、
医学が進歩し、衛生状態も、栄養状態も、格段の差です。

「ひび、あかぎれ、しもやけ」も滅多に無いし、
今は肥満児の子はいても、栄養失調の子は見当たりません。
何より、科学、交通、通信が発達し便利になりました。

家電の恩恵を受け、家事に費やす時間も短縮し、
昔の主婦に申し訳ないくらいです。

比較にならないくらい、昔は大変だった!
挙げていったら、切りがありません。

『思い出万華鏡』(西川勢津子・著)を読んで、
つくづく、そう感じました。

| | コメント (0)

『思い出万華鏡』

20100902 『思い出万華鏡』
~昭和の暮らしと今~
西川勢津子/著 阿部千惠/絵
株式会社SCC

「目次」
暮らしと家事
通信と交通事情
買い物と食生活
ファッション
冠婚葬祭
家族制度
育児と教育
病気と医療
あとがき
索引
----------------------------------------------------

行書体の「思い出」と「万華鏡」の文字に反応してしまうのですから、
歳ですね。
千代紙風の装幀を手にすれば、借りないわけにはいきません。

この中には、昭和初期から40年位までの思い出が綴られていて、
各々のページにレトロなイラストと注釈がありました。

でも、昭和40年当時のことは、勿論知っているのに、
私のイメージする昭和とは、相当ズレがあるのはなぜなの?
これ、大正時代じゃないの?

というのも、著者の西川勢津子さんは、私の母より年上で、
書かれている事柄も戦前のものが多いのです。
それどころか、昭和一桁当時のことが、ほとんどだからなのです。

私が生まれた頃には、電気は当然ながら、ガスも水道もあったので、
かまどや、井戸端、火消し壺、熾火といった記憶はありません。

それから、「40年ぐらい前まではシーツは使わなかった…」
という文にも異議を唱えたい…(1998~2000年に書かれたもの)
私自身、シーツ無しで寝た記憶はないのですから。

結局、昭和は長かったということなのでしょうね。
一口に昭和の記憶と言っても、世代によってイメージが違うのは仕方ないこと、
きっと、昭和を一番知っているのは、大正生まれの人達かも知れませんね。

また、当時の物価なども細かく記されていて、大変参考になりましたが、
決して懐古趣味的雰囲気はありません。

この本を読めば、「昔は良かった」などとは、とても言えないはず…女性なら…
昔の女性が如何に大変だったか思い知らされます。

例えば、お料理なら、生きた鶏を絞め、さばくことが出来る…
お裁縫なら、1日に浴衣2枚仕上げる(もちろん手縫い)…

誰もが出来たとも思えませんが、私には絶対無理!
昭和初期に生まれなくて良かったわ!

最終章には、「どうしても伝えておきたいこと」として、
それまでとは違う語り口で、「らい」について書かれていましたが、
初めて宮崎松記さんのことを知り、大変感銘を受けました。

何はともあれ、昭和も遠くになりにけり、ですね。

|

色取月

今日から9月です。

長い夏休みも終わり二学期が始まりましたが、
相変わらずの猛暑…
秋は、まだまだ先のようです。

今日は、なにかしら…?と、
『美人の日本語』(山下景子/著 幻冬舎)を開いてみたら、
「色取月(いろどりづき)」と書かれてありました。

「色取月」の他に、
「長月」「寝覚月」「菊月」「菊見月」「菊開(さき)月」
「稲刈月」「小田刈(おだかり)月」「紅葉月」
というのもありました。

でも、これらの美しい異称も、
旧暦でこそ納得出来るのですよね。

| | コメント (2)

« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »