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『図説 江戸っ子のたしなみ』


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『図説 江戸っ子のたしなみ』 藤原千恵子/編 ふくろうの本(銀河社)

この本も、図書館で偶然見付け借りてきたものですが、
書かれているような江戸っ子とは、
武士や僧侶、それに比較的恵まれた一部の町人や職人のことなのでしょう。
それに、“たしなみ”というよりは、“ライフスタイル”に近いです。

各ページには浮世絵があって、格言が添えられていますが、
絵画の出典について一切触れられていないのが残念…

ペリーが来航するまではパラダイスだった。
と、江戸時代を手放しで賛美しています。
まるで見てきたように…

270年もの長い泰平の時代、貧乏ながら、
「無駄な苦労は売ってでもするな」とばかり、お気楽に暮らしていた人々…

「江戸の下層の人々の機嫌のよさは目をみはるものがあった。
彼らは自分が要求した賃金を拒絶されたときでも、
なんら変らずほがらかに哄笑していた…」
これ信じられない…本当でしょうか…?

私がマイナス思考だからかも知れませんが、町人文化が花開いた一方で、
貧しい人達に取っては、辛い時代だったように感じます。
…江戸時代だけではないですが…

士農工商以外にも差別はあり、些細なことでも、武士は切り捨て御免が許され、
小作人(水飲み百姓)は生かさず殺さず、飢饉でなくても身売りされ、
姥捨て山も実際あったらしい…人さらいや人買いも…(今もですが)

白羽の矢が立つ(人身御供)というのも、想像するだけでも恐ろしい。

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