『韓国は日本を見習え』
『韓国は日本を見習え』
~滞在三年、韓国エリートの直言~
李 銅焄(イ・ドンフン)/著
文藝春秋
先日の日韓の討論会が刺激となったのか、
図書館でこのタイトルに目が止まり借りましたが
面白くて一気に読んでしまいました。
著者は、1994年~97年にアジア経済研究所客員研究員として日本に滞在し、
帰国後に、韓国でこの本を出版しましたが、
当時は、ちょっとした日本ブームだったそうで、結構売れたらしいのですが、
現在の評価が気になるところです。
日本語版は、著者自身の書き下ろしで、2000年に出版されました。
…韓国人があまりにも日本を知らず、
その事実にさえ気付いていないことを痛感した。
…韓国は踏みにじられた過去の傷と、
かつて祖先が日本に文化を伝授したという優越感にとらわれ過ぎ、
日本を知ろうとしなかった…
著者自身もその一人で、
アジア経済研究所客員研究員も断り続けていたそうですが、
来日して分かったということでした。
「日本は退廃的で性的に堕落している。男も女も色情狂である」
「日本人はしたたかで狡い民族である」
「日本は金にしか目のない成金の国だ」
「やっぱり日本は本気で過去を反省する気がない」
韓国人は日本をずるくて駄目な国にしておくことで安心しているのだ。
と書きながら、
“私は親日派ではない。
もちろん日本賛美論者でもない。
だれにも負けないほど日本を憎み憎悪している生粋の韓国人である。”
と書いている…
韓国で出版する以上、こう書かざるを得なかったような気がしました。
韓国と日本を比較していますが、
3年間、しかも東京の限られた狭い範囲でのみ体験したことなので、
的はずれだったり、思い込みだったりで、首を傾げる点もありますが、
タイトル通り、日本を絶賛しています。
違いは当然ですが、共通点が見出せないのも想像通りで、残念でもありました。
帰国後、韓国の学校に適応出来なかったという二人の子ども(中学生と小学生)は、
日本の教育を知るため、近くの韓国人学校ではなく、日本の学校に通わせたことで
分かった韓国とは違う教師たちの姿にしても、日本が素晴らしいからではなく、
韓国が異常としか言いようがありません。
教師に限らず、すべてが賄賂とたかりで動いているという国…
韓国人は、
「日本人はあまりにも歴史の真実を知らない、日本の歴史教育は捏造だ。
韓国人の歴史認識こそが正しい」と言いますが、
子どもたちが通った日本の学校の歴史教科書を見て、どう感じたのでしょうか?
一番知りたかったその点については、全く触れられていませんでした。
書かなかったことが真意を物語っているように思えました。
きっと、書きたくても書けないことも多かったのでしょう。
著者は日本人がウサギ小屋に住んでいたことが意外だったようですが、
水野順子さん(日本貿易振興会アジア経済研究所、地域研究第一部主任研究員)
の解説の中で、
“韓国人は日本から援助を貰いながら豪邸に住み、
日本人は韓国に援助しながらウサギ小屋に住んでいる…”
との、ある研究所の韓国研究員の言葉を紹介していました。
韓国国民は、こういう事実を知らされていないのでしょう。
知らされていないと言えば、超エリートの著者でさえ、
「漢字韓国紀元説」を信じているようですから驚きます。
目次です。宜しかったらどうぞ…
<目次>
はじめに
序章 重病の韓国病
「宿命のライバル日本」「イスイルとシンスネ」「これほど違う日本と韓国」
「日本語は韓国語の方言ではない」「逆流する日本文化」「はるか彼方の隣国日本」
「アメリカ一辺倒」「重症の韓国病」「見習いたい日本の七大長所」
第一章 団結精神と集団主義
「みごとな産官学研の連帯」「カレーライスで研究会」「赤パンと運動会」
「集団で百の力を出す日本」「みごとな労使協調」「社長と社員」
「正確で客観的な日本のマスコミ」「全員加盟の“一人ぼっちの保険”」
「相撲とシルム」「日本社会の風土病、いじめ」「英雄、野茂英雄」「お花見とまつり」
第二章 質素でむだのない合理主義
「パーティーで折り詰め弁当」「割り勘と接待文化」「赤ちょうちんルームサロン」
「採算のとれた葬式と結婚式」「新聞紙大の墓地とウサギ小屋」
「日本人はシャワーを浴びない」「警察官と自転車」「国際電話よりファックスで」
「私用電話と携帯電話」「分かち書きとコッッマ」「お年玉付き年賀状」「手作りの座布団」
第三章 秩序と安全を守る規範意識
「センターラインは生命線」「エスカレーターのマナー」「1車線道路と凸面鏡」
「自転車の前照灯」「自転車王国」「交通事故は韓国の五分の一」
「余裕のある車両停止線」「車庫証明」「だれも越えないフォトライン」
「富の世襲を許さない相続税」「通勤にマイカーは使わない」「ただいま運転中」
「観戦マナーもAクラス」
第四章 平等と人間教育をめざす学校教育
「本当の教育とは」「チマパラムは起こさない」「付け届けは受け取らない」
「お見舞いは自粛」「先生は友達」「きびしいクラブ活動」「適正の発見」
「決められたお小遣い」「遠足のお弁当」「教授と弟子」
第五章 技術重視と完璧主義
「世界経済の変電所から発電所へ」「博士と研究」「事前調査」「二つの橋」
「出入国スタンプの圧力」「地震初体験」「公害大国から環境大国へ」
「博士の寿司屋」 「引っ越し屋は靴を脱いで」「銭湯で働く男と女」
「マニュアル化した電話の応答」「疲れを知らないレジ係」
第六章 併存する独自文化と外来文化
「神と仏とキリスト」「漢字の重要性」「外来文化の受け入れ方」
「自分のものにする外来語」「否定も肯定文で」「根回しと下相談」「紹介と信用」
「記念切手になった美空ひばり」「文庫本」「歴史を作る日本」「国産品愛用」
「木のある暮らし」
第七章 親切、まごころ、礼儀の国日本
「礼儀の国、日本」「ほんの気持ちですが」「一期一会」「末永いお得意様」
「お付き合いセット」「稜線の道路標」「スキー場のアナウンス」
「帰って来たリュックサック」「親切なタクシー」
あとがき
解説……李 銅焄さんのこと 水野順子
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