『図説 着物の歴史』
『図説 着物の歴史』 橋本澄子編 河出書房新社
日本人は控え目で、美意識は侘・寂…
でも、戦前の着物を見ると、大胆な文様の豪華絢爛さに驚かされます。
それらは、いずれも、特権階級のごく一部の人だけのもので、
民衆はボロ同然を身に纏っていたのでしょうが…
「猩々緋羅紗地違鎌文陣羽織」(東京国立博物館蔵)
小早川秀秋所用と伝えられている陣羽織。
厚地のラシャ地に切り嵌の手法で、アップリケではありません。
控え目ともワビ・サビとも程遠いこの浴衣は、
先週の「美の壺」(「ゆかた」)でも紹介されていましたが、
浴衣には珍しい絵羽模様で、
網目に巨大な海老、それに河豚や蛸や魚が染められています。
一体、どんな人が袖を通したのでしょうか?
こんな奇抜な浴衣を着て、我が物顔に闊歩すれば、
さぞかし目立ったことでしょう。
「粋が過ぎると下品になる。品が過ぎると野暮になる」
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