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『図説 ヨーロッパ服飾史』

20100627
『図説 ヨーロッパ服飾史』 徳井淑子/著 河出書房新社

図書館の新着図書コーナーの前を通ったら、この本に呼び止められました。
面白そう…こういうのって興味あって…

日本の着物は、昔から殆ど変わっていないように思えますが、
ヨーロッパの衣服の変化には驚かされました。

女性の場合は、資料となる肖像画は、フェルメールなどを除けば、
ほぼ貴族階級の女性で、過剰な装飾で膨張したスカートや、
復古調のシュミーズドレスで、基本はあくまでドレス…

ところが男性の場合は、色彩や文様の傾向どころか、
デザインそのものが、時代と共に激しく変化していました。

男性の服装は、権力、地位、職業の象徴でしょうし、
また時代により文化、宗教観、価値観が変われば、服装も影響したのでしょう。

ところで、私は、超肥満のタレントさんを見るたびに、生地は何メートル必要?
と、つい思ってしまうのですが、
エリザベートの肖像画のように大きく膨らんだスカートのドレスを作るのに、
ヤール幅なら、どれぐらいの生地が要るの?と思わずにはいられませんでした。
(スカートの下には、何枚ものペチコートや、
輪にした鯨の髭や針金をリボンでつないだパニエ(籠形)を付けています。)

この本には、下着やコルセット、子ども服などの変遷についても書かれてあって、
そちらも大変興味深かったです。

「シャルパンティエ夫人とその子供たち」に描かれているように、
20世紀初頭頃までのヨーロッパでは、男児も幼少期には、
女児服を着せていた事は知っていましたが、「スワドリング」には仰天しました。

「スワドリング」は、赤ちゃんの身体を布で筒状にグルグル巻きにし、
紐やリボンでしばった一種の産着ですが、一見、まるでミイラのようです。
でも理由が解れば納得出来ますが…

昔、日本の東北地方には、「いずめこ」という籠があったようですが、
中国の股割れズボンにしても、国は忘れましたが、
お尻の辺りに穴の空いている揺りかご状のベッドに縛り付ける方法とか、
世界には今でも独特な育児方法があって、文化の違いを感じます。

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