『これだけ違う!日本人と驚きの中国人』
<目次>
第1章 「中国式」人間関係って何?
第2章 よくも悪くも面白い「チャーハン」的な人間関係
第3章 「義理人情」と「利」ではどっちが重いか?
第4章 そろそろ気の向くままに生きてみないか
第5章 反面教師としての中国人ルール
第6章 人生「馬馬虎虎」でいいじゃないか------------------------------------------------------
この本も図書館から借りてきたものですが、
著者の紹介欄を見たら、「課長島耕作」で有名な漫画家でした。
全く知りませんでした…漫画も漫画家も。
上海を舞台にするために、取材に訪れた中国での体験から、
中国人と日本人の違いが書かれていましたが、
日本人が「おむすび」(集団主義)なら、中国人は「チャーハン」(個人主義)、
と言います。
隣同士の中国と韓国は、同じ儒教の国でもあるので、共通点も多く、
例えば、自分が中心、次に家族、排他的、
プライドが高くメンツを重んじる、熱くてドライ…
中国人にとってメンツがつぶれることは、他の何より屈辱的らしく、
そのため、それを知らない日本人の上司が、人前で注意してしまうと、
取り返しのつかない結果(自殺)になることもあるそうです。
中国では、「決して人前では叱ってはいけない」が鉄則、
と言うより、どこの国でもそうあるべき…日本人が無神経かも…
また中国には、割り勘という観念がほとんどなく、
上司、年上、又は誘った方が払うのが当たり前…それもメンツに関わるから…
何気なく、“…そろそろお昼の時間だね~”などと言って、
大勢で食事に行ってしまったら大変です。
(韓国でも、割り勘はほとんど無いと聞いたことがあります。)
また、会計を済ませると、決まって、“いくらでした?”と聞かれ、
金額を言うと、これもまた決まって、“安かったですね”と言われるそうです。
“安かったですね”は、中国式の“ごちそうさま”で、
“さすがあなたは大物、顔が利くから特別に安くしてくれたのですね”、
“あなたはお金の使い方が上手ですね”という意味が含まれているそうです。
私が意外に感じたのは、
中国人から、一度も、戦争に対する恨み言を言われたことが無いということ。
「指導者が悪いのであって、日本人に罪は無い」と言うのだそうです。
勿論、全ての中国人がそう思ってはいないでしょうが…
そして中国には、「恩を受けたことは忘れず、恩を施したことは忘れる」
という諺もあって、日本人のようにウェットでは無いところも、
いかにも大陸的です。
最も感動したのは、
「恨みに報いるに徳を以てす」を実践した周恩来、という文章です。
(「報恨以徳」)
戦勝国が敗戦国に賠償金を請求するのが常識だった時代に、
周恩来は、対日賠償放棄したのです。
“賠償を求めれば、日本人に負担が掛かるから”というのがその理由…
日清戦争で負けた中国(清王朝)は、日本から巨額の賠償請求をされたことで、
政府は人民に重税を課し、因って人民は苦しみを味わった…
「我々は賠償の苦しみを知っている。この苦しみを日本人民になめさせたくない」
一国の指導者として、何と立派な言葉でしょう。
昔から好きだった周恩来首相ですが、尊敬を新たにしました。
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