『韓国人から見た日本』
新韓国読本⑦ 『韓国人から見た日本』
~こんな顔 あんな顔~
仁科健一・舘野 晳/編
(社会評論社)
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この本は、韓国の評論やエッセイなどから抜粋し日本語訳にしたもので、
韓流ブームが起こる前の1998年に発売された本なので、
韓国人の日本に対する感情も、少しは変化しているとは思いますが、
日本人にとっては、重く辛いものでした。
「韓国人は日本をこう見ている」には、9人の韓国人のエッセイがありましたが、
日本滞在中に娘さんがいじめに遭った時のことも綴られていました。
陰湿ないじめ、教師の対処の仕方、親たちの反応、
どれも思い出したくもないものばかり、韓国人だからではなく、
日本の教師や親たちはこの程度かと再認識し心が痛みました。
「韓国と日本・ここが違う」(イ・ソンテ)
「ハンチョギの日本訪問記」(辺 在蘭・崔 正鉉)
「日本の文化は、前面解放すべきだよ」(ロック歌手、カン・サネは語る)
は、反日教育に囚われていない爽やかな日本滞在記だったので、
親近感を覚えました。
「見逃せない韓国の日本論」には、
“なるほど”と思えるものから納得できないものまで、
多くの日本論が載っていましたが、これも歴史教育の違いでしょうか。
戦前のことは判りませんが、現在の日本人については
明らかにおかしなことも書かれていて、筆者は文筆家や教育者が多いのです。
韓国人は、日本人のことを、
“無秩序で非文化的な野蛮人”と教えられているらしく、
来日して、日本人が親切で、街が清潔で治安も良いことに驚くそうです。
日本の歴史認識については、
中国・韓国を始めアジアの国々から抗議され続けていて、
歴史は正しく伝えるべきなのは同感ですが、
韓国や中国での歴史教育が、果たして正しいのかは疑問です。
儒教が封建社会に好都合だったように、
政治への不満の矛先を逸らすために、反日教育を行っているとしたら…
日本を扱き下ろすことで優越感に浸れ、愛国心に繋がるとしたら…
もう一つの理由は、日本の統治時代を体験した高齢層の韓国人に、
「日本崇拝」者が多い(?)と聞くからです。
実際に日本人に接していた人達は、日本人を評価し当時を懐かしんでいると…
一部の人だけかも知れませんが…
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