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「90歳の誕生日」

イライザおばさんの90回目の誕生日が近付きました。

ジャネットは、盛大なパーティーに乗り気ではないおばさんのために、
家族でささやかにお祝いしようと計画していましたが、
アビゲールは、そんな姉を非難、
勝手に、本土から、おばさんの従姉のウィンフレッドを招いたうえ、
パーティー会場としてホテルを予約してしまいました。

遙か昔、イライザとウィンフレッドは、オーエンを愛しましたが、
オーエンはクリミア戦争で戦死、彼が最後に愛したのはウィンフレッドの方…

ウィンフレッドは、旅の疲れからか、おかしな言動が表れます。

フェリックスをボーイと思い、チップ(イヤリング)を渡したり、
くず鉄を回収に来たドニー・レスターをオーエンと思い、
オーエンの形見の銀の小箱を渡してしまったり…
医師の診断の結果は「認知症」でした。

ヤリングを戻しに来たジャネットを、泥棒呼ばわりした挙げ句、
怒って、昔から優しい(?)アビゲールの家に移ってしまいます。

イライザおばさんの90回目の誕生日の夜、
ウィニフレッドはイライザに全てを告白し、天国に旅立ちました。

…あんたへの手紙よ。開けずにオーエンに返したでしょ。
その箱は、あたしのじゃないの。あんたにと託されたのよ。
…あんたのためと言い聞かせて…
オーエンを忘れて、新しい人生を送る邪魔になるとね…
でも本当は、あまりにみじめだったから…許せなかったのよ。
やっとあんたに渡せたわ。愛されてたのは、あんただったのよ…”

…イライザおばさんの気持ちは複雑でした。

約束通り、イライザおばさんは、
帰りたがっていたイギリスに亡骸と一緒に帰りました。

イライザおばさん(Great Aunt Eliza Word)…Kay Tromblay(1914-2005.8.9)

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ジャネットとアビゲールのおばさん(叔母、伯母?)の最後の出演でしたが、
本当に辛いお話…

最初は“何て嫌味な人なんだろう!”と思ったイライザおばさん、
本当はとても優しい人…
いつも「年の功」ぶりを発揮していました。
特に子ども達にとっては良き理解者でした。

ウィニフレッドが認知症と解っていても、
勝手な言動にイライラするジェネットとアビゲール…
考えさせられました。

何百人も集まったバースディーパーティーに、
一番大騒ぎしそうなヘティをはじめ、
レイチェルやミュリエルが出席していないなんて…?
フェリシティや双子たちの姿もありませんでしたね。

曲が変わった途端に踊り出したイライザおばさんのステップは、
若い人に負けてなかった…

イライザおばさんにダンスを申し込シーンが好きでした。
フェリックッスも大人になりましたよね。

埋葬の旅に、一人で旅立ったイライザおばさん…
誰か付き添ってあげる人はいなかったの?
フェリックスが仕事で駄目なら、セシリーが同行してあげてもよかったのに…
だって90歳ですよ。

これ以後、イライザおばさんは見られませんでしたが、
おばさんはキング家に戻らなかったのでしょうか?

<名言>
「あなたも分かるわ。いずれ、100歳近くなればね」(ウィニフレッド)

「あんたのおじいちゃんは、牧師で、こう言ってたわ。
“人生は旅だ”ってね。長いのもあれば、短いのも…
必ず、始まりと終わりがある。それは変えられない。
人に出来るのは、愛し合い、労り合うことだけ…
そして、最期の時が来たら、天に旅立つ準備をするのよ。
だけど…それこそが、一番、素晴らしい旅かも知れないわ」(ジャネット)

「あたしくらい生きたら解るわよ。
人生がどんなに短くて大切か、ぐずぐず言ってる暇も無いくらい…
…毎日を精一杯生きるのよ。そうしてこそ意味があるの」(イライザ)

アボンリーへの道<第7シリーズ>
第88話「90歳の誕生日」(After the Ball Is Over)より

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