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『9年間、コンビニで見た日本人』

20100607 『9年間、コンビニで見た日本人』
~悪魔のような日本人・天使のような日本人~
徐 明成(ソー・ミョンソン)/著
2005年4月11日発行(朱鳥社)

<目次>
第1章 「日本は自由な国」自由満喫の大人
第2章 「何が悪いんですか」何をしても平気な若者
第3章 「僕もタバコ吸ってみたい」親のせいでダメになっていく子供
第4章 「外国人が大好きだからね」外国人が見た日本人-------------------------------------------------------

私はコンビニには、ほとんど行きませんし、行くとしても昼間なので、
幸いにも、本に書かれていたような客と遭遇したことはありませんが、
日本のコンビニで9年間働いた韓国人の著者が見てきた、
日本人の客の酷いことと言ったら…あまりにもヒドイ…

でも、書かれている事は、全て本当だと思います。
いかにも、「さもありなん」と思えるからです。

これが、外国人から、礼儀正しいと思われている日本人の側面としたら、
本当に残念…同じ日本人として恥ずかしいし、情けないです。

最低のマナーさえ知らない客達、
注意しても、反省するどころか逆ギレする。
そして二言目には、
「お前外国人だな…日本のことが解っていない…
「本部に連絡して、クビにさせてやる!…国へ帰れ!…」と暴言を吐く
しかも、教授とか教師とか呼ばれている人達までもが…

また、今時の茶髪金髪ガングロの中・高生の生態や、
子どもの仕付けが出来ない親たちも。

著者の言い分は全て正しいです。
注意できる態度は、勇気があって立派です。
私がその場にいたら、内心、拍手喝采かも知れません。

でも、なんか違うような…やはり国民性でしょうか、
それとも、彼が、人一倍正義感が強いのでしょうか…

多分、日本人なら、たとえどんなに酷いマナーの客であっても、
客に説教したり、客自身に、捨てたゴミを拾うまで許さなかったり、
「何で来たんだ!」
「今すぐ出て行け!」
「もう二度と来るな!」
などとは間違っても言わないでしょう。

それに、どんなに腹が立ったとしても、
「悔しくて悔しくて、気が狂う寸前だった!」
「ゴミのような人間だ、こういうゴミこそ、週一回、回収して貰いたい」
「悪魔だから仕方ない、“悪魔だ、悪魔だ”と、自分に言い聞かせた…」
などとまでは思わないのでは…?

日本人は、「正義感が無い、慢性化している、諦めている」
か、どうかは別として、常に、「お客様は神様」なのです。
日本では、客と売る側は対等ではないのですから…

著者は、マナーをわきまえた普通の客を、「天使」と書いています。
日本には、「天使と悪魔しかいない、普通はいない」とも書いています。

きっと韓国には、「天使と普通の人」しかいないのでしょう。
日本のように、注意もできないような大人も、無関心の人もいなければ、
茶髪も金髪も、悪魔もゴミも、いないのでしょう。

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<徐 明成>(Myung Sung Seo)
1960年韓国ソウル生まれ
大学で英語英文学専攻、卒業後、出版社勤務。
1992年、日本留学(國學院大学文学部)
1993年から東京などでコンビニバイト2年、店長6年、オーナー1年、
(オーナー1年というのが気になります。現在も日本在住でしょうか?)

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