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『底のない袋』

20100430
『底のない袋』 青木 玉/著 講談社

『底のない袋』は、6年前に出版された、比較的新しい青木玉さんの随筆集ですが、
その中の「底のない話」は12篇からなり、
NHK「おしゃれ工房」のテキストに、一年間連載されていた随筆でした。
(思いがけず竹内浩一氏の美しい絵も堪能でき、儲かった気分…)

毎年1月に東京ドームで開催されるキルトフェスティバルにも触れられていたので、
急に親近感を覚え、思わず口元がほころびてしまいました。(「小ぎれ」)

「勝手口のうちそと」では、台所にまつわる、
「包丁、箸、鰹節、酢、たわし、笊、おはち」の七つの随筆があって、
母の幸田文さんに、厳しく仕込まれた様子を垣間見る思いでした。

その他、「過ぎたる時」には、幸田文さんの「斑鳩の記」についてや、
祖父・幸田露伴のことも書かれていました。(「露伴の春秋」)

日々の暮らしの中の出来事や、身の回りの道具類などについても、
簡潔で美しい言葉で綴られていて、読むたびに気持ちがホッとします。

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