« 「サクラと日本人」 | トップページ | アガサ・クリスティー 『カリブ海の秘密』 »

アガサ・クリスティー『ゼロ時間へ』

20100401
アガサ・クリスティー『ゼロ時間へ(Towards Zero)』
田村隆一/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫

『ゼロ時間へ』、読みました。
ドラマで見てしまった原作を読むのは、詰まらないと言うか、空しいと言うか…
でも、ドラマでは省略されていた登場人物や、
張られた伏線の関連性を知りたいばかりに、ほぼ一気に読みましたが。

ドラマとの最大の違いは、ミス・マープルが登場しないことです。
ミス・マープルシリーズではないからです。
では謎解きは誰かといえば、バトル警視という人でした…(ドラマではマラード警視)

老弁護士のトリーヴスが言った「身体的な特徴ですが、
カミラ・トレシリアン夫人(ドラマではカミーラ)の遠縁メリィ・アルディン(メアリー)は、
前髪に白髪の一房がある。

テニスプレーヤーのネヴィル・ストレンジは、
左手の小指が短く、右手の小指が長い。

ネヴィルの妻ケイのボーイフレンドのテッド・ラティマーは、
頭の骨格が変わっている。

ネヴィルの前妻のオードリィ・ストレンジ(オードリー)は、
左耳たぶに、子どもの時に犬に咬まれた傷跡がある。

オードリィの遠い従兄のトーマス・ロイドは、
子どもの頃の地震による事故で右腕が麻痺している。

ネヴィルの妻ケイ・ストレンジの赤毛は、身体的特徴とは言えないので、
ケイ以外はみんな怪しいわけです。

ネタバレになるので詳しくは書きませんが、
ドラマには存在しなかった、アンドリュー・マクターターという
自殺に失敗した男の正体が気になって仕方なかったのですが、
意外にあっけなかったというか…彼の存在から、ラストもドラマとは少し違いました。

昔は内外の推理小説も読みましたが、誰が犯人か知りたいという誘惑に負け、
途中で結末を読んでしまったことも度々…

それ以上に私には向いていないと思えるのは、ミステリー小説の要素として、
陰謀、復讐、憎悪、愛憎、そして殺戮といったものがあり、
爽やかな読後感は得られないからなのです。
…あとの2冊、読む自信がないわ…

|

« 「サクラと日本人」 | トップページ | アガサ・クリスティー 『カリブ海の秘密』 »

* 本」カテゴリの記事