アルマイトのお弁当箱…(2)
前に書いた「人形の絵のお弁当箱」について、
殆ど記憶が無いことが不思議で、母に電話してみました。
“また~すぐ忘れるんだから~”と言われる覚悟をしていたところ、
母 「そりゃそうでしょ。だって、あれは、数回しか使わなかったんだから…
幼稚園の先生に、小さ過ぎるから、もっと大きいのに変えるように言われて…」
…そうだったの!
私 「花瓶の絵が地味で…」
…覚えている方のお弁当箱のことについて、つい、口を滑らせてしまうと、
母 「恥ずかしかった?」
私 「恥ずかしくはなかったけれど…肩身が狭いと言うか…
そうでも無かったけれど…ただ、みんなのが羨ましくて…」
…言葉を選びながら、しどろもどろ…
母 「その気持ち、よ~く解る…ねえ聞いて!…
私も小学校に入る時に、
父親(私の祖父)がリボン刺繍の黒い布製の手提げカバンを買ってくれたけれど、
他の子のは、ズックの肩掛けカバンだったから、
嫌がって学校へ行かないと困らせ、みんなと同じカバンを買って貰った…
リボン刺繍のカバンは、ずっと部屋に掛けてあったんだけど、
見るのもイヤだった…」
…そう言うではないの!
…私より母の方が主張していたとは、全く意外でした。
“…では、なぜ、お弁当箱に限らず、大人になるまで、
私の好みを無視して、自分の趣味で買ってしまったの…?”
…私は心の中で呟きました。
きっと母には、「子どもの物は親が決める」もので、
「子ども自身に決めさせる」という発想が無かったのでしょう。
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