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「ペティボーン家の危機」

父クライブの新妻ミュリエルにベッタリな態度や、
規則違反で士官学校を放校処分となった次兄モーガンと、
父の言い争いなどに嫌気がさしたイジーは、
母恋しさから、母の姉(?)のリリアンに手紙を出します。

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クライブと犬猿の仲のリリアンは、ボストンで帽子店を経営していましたが、
経営は破綻し、債権者達から訴えられていますが、
クライブへの対抗心から、本当のことが言えないどころか、
都会での華やかな暮らしぶりを、ペティボーン一家に自慢します…

自分は両親の邪魔者と誤解しているイジーは、
リリアンの言葉を鵜呑みにし、ボストンで暮らすことを決意します。

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帽子店の実情を知っってしまったミュリエルは、
クライブとリリアンのプライドを損ねることなく、2人を仲直りさせ、
軍人より教師を希望するモーガンのためにも、心を砕きます。

イジーに真実を話したリリアンは、
“(あなたのお母さんと)見かけは似てるけど、中身は大違いよ。
似てるのは私より、ミュリエルよ…”と話します。

頑なだったイジーも、離れたくないと言うフェリックスの真剣な言葉に、
ようやく彼を許しました。

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ラストシーンの2人の後姿が微笑ましい。
でも、馬車はどうしたのかしら…?

ミュリエルの言葉のすべてに、説得力がありました。
さすが、長年教師をしていただけのことはありますね。

ミュリエルが嫌いではないけれど、お母さんは亡くなったお母さん唯一人、
それに、父の愛を奪われた嫉妬感もあって、
つい、ミュリエルに冷たく当たりたくなる気持ちも解ります。
イジーは16歳、乙女心は繊細なんですから…

イジーが着ていたネイビーブルーのカーディガンは、多分セーラが着ていたもの。
スレンダーなセーラと違って、イジーにはちょっと窮屈みたいです。

リリアンに扮していたのは、ハリウッド女優のダイアン・ウィースト、
モーガンは子役とは別の俳優さんでした。

<名言>
「…君は都会育ちじゃないんだから、人の大勢いる所には向かないよ。
あんな、すました連中と違って、君は、まるで潮風だ。
…魚の臭いがするって意味じゃないけど…」(フェリックス)

「どうして?…どこに生まれ変わる必要があるんだ!
君は今のままでいいんだよ。
そうだろ?…ドレスにしたって…中身にしたって…それでいいんだよ。
頼むから行かないで…離れたくないんだ…君と…頼むから…」(フェリックス)

「教育は軍事演習とは違うのよ。
親の務めって、何があっても子ども達を愛して、
子ども達自身が進みたいっていう道へ、送り出してあげることでしょ?
…あなたが育てた子なんだから、もっと信じて…
自分で決めさせてあげてちょうだい…
痛い目に合うのも大事なのよ。親ならそれを見守ってやらなきゃ。
それに、最後には正しい道を選ぶわ」(ミュリエル)

アボンリーへの道<第7シリーズ>
第82話「ペティボーン家の危機」(Woman of Importance)より

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